ベトナム中部の世界遺産都市・ホイアンの名物麺料理「カオラウ (Cao lầu)」。
ホイアンが貿易都市として開かれていた17世紀、この地を訪れた日本人や中国人がもたらした文化と融合した結果、生まれた料理とされています。うどんのような太い麺が特徴であり、「伊勢うどん」がルーツであると主張する説もあるほど。
そんなカオラウですが、同じく中部名物できしめんのような麺料理「ミークアン (Mì Quảng)」ほど他の地方で見る機会は無い気がします。それでも、ここホーチミンでカオラウを食べられるお店がいくつかあります。
今回はホーチミン10区のカオラウ専門店「Cô ba Ân」を紹介します。
「Cô ba Ân」の場所
ホーチミン市3区と10区の間にある環状交差点(民生広場)からすぐそば、グエン・トゥオン・ヒエン (Nguyễn Thượng Hiền) 通りまでやって来ました。
初見では間違いなく見落としそうな、この路地の中に「Cô ba Ân」はあります。
臆せずに、ぐいぐいと進んでいきましょう。
路地奥に到達すると、まるで隠れ家のようなレストランが現れました。ホイアンのランタンを想起させる可愛らしいランプが、夕時の薄暮を優しく照らします。ローカル食堂のような店を想像していたので、予想外に雰囲気が良く嬉しいサプライズ。
ちなみに、店の向かいは普通に民家(というか集合住宅?)です。
「Cô ba Ân」のメニュー
メニューはこちら。メインはカオラウで、ブンティットヌン(Bún thịt nướng。細い米麺に豚焼肉をトッピングしたもの)もあります。見切れていますがベジタリアンカオラウも。
驚くべきはその値段の安さ。カオラウが、ホーチミン中心部からそう離れていないエリアで、それもローカル食堂とそう変わらない価格帯で食べられるというのはすごいことなんですよッッ(力説)
ところで、さっきから足元を何やら灰色の何かがもそもそと動き回っているのですが…
あぁ~~ Dễ thương quá~~~ (=「超可愛い!」)
それにしても丸々としたというか、饅頭みたいなネコチャンやな… 首輪が首に食い込んでるし。
ちなみに、看板猫ちゃんは計3匹いるようです。君は全員に出会うことができるか!?
カオラウを実食。量にびっくり
私の注文したCao Lầu Thịt Nướng(豚焼肉乗せ)が到着しました。価格は45,000ドン。
今さらですが、今回は同僚と来ています。日本人女性と、ベトナム人男性&その奥さん。
それにしても、もっと小さいポーションを想像していたのですがすごい量。「野菜で量増しされてるだけですよ」と、同僚のザー (Gia) くんは無粋なことを言いますが…?
いや麺の量すごいな!?
量増しなんてとんでもない、丼のサイズまんまな量の麺が下から現れました。
カオラウといえば、豚肉を漬け込んだあとの調味料を煮詰めた甘ーくしょっぱいタレ。ベトナム南部は甘くこってりした味付けの料理が多いので、南部の人との相性が良さそうな味。こいつを好みに応じて、カオラウにかけ、混ぜていただきます。
太い米麺。ほのかに黄色みがあり、見た目だけだと確かにうどんに見える。
麺は、よく乾燥させたことが分かる、コシが強いものです。噛み応えがすごい。
甘辛タレの絡んだ豚焼肉も相まって、ものすごくガツン系の麺料理。これだけだとくどくて食べきれない…となりますが、そこは生野菜が上手くさっぱり感を与えてくれ、良い働きをしています。
記事の冒頭で「カオラウの起源伊勢うどん説」について言及しましたが、実は私、三重県伊勢市の出身で、実家にいた頃はたまーに伊勢うどんが食卓に出ていたのでよく食べていました。(地元のスーパーにいくと、普通に1玉100円以下で伊勢うどんが売られています。「ぎゅーとら」とか)
で、それを踏まえての比較なのですが、まあー伊勢うどんではないよね。やわやわの伊勢うどんとは別物。強いて言うなら、甘辛のタレは少し伊勢うどんっぽさがあるかもしれない。
いやー苦しい!食べても食べても、全然麺が減っていかないんですよ。丼の底から無限に麺が湧き出てるんじゃないのか…?
まあ、ここに来る前に10区のホーティーキー市場で散々食べ歩きを楽しんだことも原因の一つだと思うのですが。
あと、来店する客よりもシッパーの方が多かったです。デリバリーが大人気。
まとめ:お腹を空かせてから行きましょう
ホーチミン10区のカオラウ専門店「Cô ba Ân」を紹介しました。
ホイアン以外では出現率低めのカオラウ。中心部からのアクセスも悪くないこの場所で、爆盛りのカオラウが食べられます。あと、可愛い猫ちゃんもいるよ。にゃーん。