ホーチミン市の中華街といえば、旧5区・6区に跨るチョロン地区。本場の味を今に伝える店がひしめき合うエリアです。日本人にとっても親しみやすい中華料理・台湾料理が食べられるということで、今ほど日本食店が無かった時代はそれはもう有難がられていたとかなんとか。そんなわけで、在越法人から長らく寵愛を受けてきた名店も多く存在します。
とりわけ昔からよく知られるのが「Sủi Cảo Đại Nương (大娘水餃)」。在住者からは「大娘(おおむすめ)」と呼ばれることの多いこちらのお店ですが、実は2026年に入ってひっそりと移転していたのをご存じでしょうか?(なお、「大娘」と呼ばれるお店がもう一つあったのですが、いつの間にか閉店しており涙涙涙です)
本記事では移転オープン記念ということで、変わらない活気を見せる新しい店舗の様子と、変わらぬ美味しさを保ち続ける多彩なメニューの魅力を改めてレポートしちゃうわよ。
「Sủi Cảo Đại Nương (大娘水餃)」の場所

「大娘」の新しい店舗が位置するのは、ホーチミン市旧1区と旧5区とを結ぶなが~い通り、グエンチャイ (Nguyễn Trãi) 通り。バイクの往来が絶えず、路面店が隙間なく並ぶ活気あるエリアです。

看板にはベトナム語の店名とともに漢字・英語名称も大きく併記。以前の店舗の看板にあった「ダイヌゥン」という味のある日本語表記は無くなってしまっていてちょっと寂しい。間口が広く開放的な店構えのため、移転前よりも気兼ねなく中に入りやすい雰囲気があります。


店内。移転による新装開店…のはずなのだが、どういうわけか既に漂う老舗の雰囲気。以前の「ひとんち」感は薄れてレストランっぽくなりましたが、長く営業してきた貫禄は隠し切れません。
「Sủi Cảo Đại Nương (大娘水餃)」のメニュー

メニューは移転前より変更なし。餃子を中心に、麺類やご飯もの、スープ、一品料理までバランスよく取り揃えられています。注文の際は、チェックシート形式の注文票を使用。日本人的には漢字から何となく察せられるのが良いですね。


写真付きのしっかりしたメニュー冊子もあり、ベトナム語、中国語、英語の3カ国語で表記。
実食

まずは中国の甘いお茶(23,000ドン)とビール(18,000ドン)で乾杯。

「Cơm chiên trứng thịt sợi(肉絲卵炒飯)」50,000ドン。美しい黄金色に炒め上げられた炒飯です。具材には細切りの肉や卵、細かく刻まれた人参、グリーンピースが彩り豊かであり、パラパラとした軽い食感が特徴。あっさりした味付けなので、他のおかずとドッキングしちゃうのもありかも!?

「Sủi cảo hẹ luộc(ニラ水餃子)」55,000ドン。瑞々しい水餃子は、薄めの皮から中のニラの緑色が透けて見えるほど具がみっちり。もちもちとした皮の弾力とともに、ニラの風味(と言っても日本のニラよりは控えめ)が口いっぱいに広がりますよ。

「Canh sủi cảo(スープ水餃子)」60,000ドン。澄んだ優しい味わいの出汁に大ぶりの餃子と青菜、そして麺が入り、フライドエシャロットがトッピング。スープの熱でふわふわになった皮と餡は、焼き餃子・水餃子とはまた違った味わいで良い。

日本人ならやっぱりこれ?「Sủi cảo chiên(焼き餃子)」60,000ドン。底面にしっかりと焼き目がついているのが印象的。水餃子の瑞々しさとは対照的に、底面のカリッとした小気味よい歯ごたえと、噛むごとに肉汁のジューシーな旨味が溢れ出したまらない。

台湾の朝ごはんを思わせる「Bánh hành(ネギ餅)」35,000ドン。生地の断面からは刻みネギが層を成してたっぷり挟まれているのが見える。おやつ感覚で食べられる香ばしさと、ネギ本来のシンプルな味わいが楽しめます。

「Bánh củ cải trứng(大根餅の卵炒め)」35,000ドン。厚切りの大根餅を卵やネギと一緒に炒め合わせた一品ですが…これ、「Bột chiên」だわ。表面の香ばしさと内側のねっとり柔らかい食感に卵のコクが加わり、素朴ながらも飽きのこない味付けに。

「Cà chua xào trứng(トマトと卵の炒め物)」40,000ドン。大きめカットのトマトと、ふっくら卵が豪快に炒め合わされたシンプル美味い一品。トマトの酸味と卵のまろやかさ、程よく効いた黒胡椒が良いメリハリ。

「Canh chua cay(酸辣湯)」35,000ドン。細切りの肉や人参、筍、きくらげなどの具材が溶き卵とともにとろみのあるスープに仕立てられています。筍は独特の発酵臭?のようなものがあり少々好みは分かれるかも。すっきりとした酸味と胡椒のピリッと辛みが効いた奥深い味わいで、添えられたパクチーも爽やかさをプラス。

「Đậu hũ Tứ Xuyên(麻婆豆腐)」50,000ドン。粗挽きのひき肉と赤みがかった麻婆餡がしっかりと絡みついている。山椒の強い痺れよりも、唐辛子の辛みが前面に出ている感じ。白飯(10,000ドン)の注文はマストですよ!

「Dưa leo chua ngọt(きゅうりの甘酸っぱい和え物)」30,000ドン。大きめ叩ききゅうりに、にんにくやフライドエシャロット、唐辛子が入りのタレと和えられています。見た目よりもあっさりした味付けで、箸休めに最適。

「Canh trứng cà chua(トマト卵スープ)」30,000ドン。赤みのあるスープに溶き卵とトマトが調和した一杯。少し濁りがあり、トマト特有の旨味がしっかりと溶け込んでいて美味。油気のある料理の合間に挟むことでほどよくリフレッシュさせてくれます。
お会計&店舗情報
こんな感じで8人で飲み食いした結果、お会計は907,000ドン。一人当たり113,000ドン(700円くらい)という驚愕の結果に。やっす!!!おおよそ2026年のホーチミン市の物価には思えないのだが!
そんなわけで、新しく移転した「大娘」こと「Sủi Cảo Đại Nương」をご紹介しました。旧店舗から続く確かな美味しさを新しい空間で変わらず提供しています。チョロンならではのローカルな活気を感じながらも、お安く本格的な中華料理を味わえる定番のお店。今だからこそ行きましょう!
おまけ:揚げアイス

食後はすぐ近くのHải Thượng Lãn Ông通りに移動。ここら一帯に「揚げアイス」とかいうとんでもなくギルティなストリートフードを出すお店が集まっています。


メニューはこんな感じ。路上のお店なので激安です。


有志5名で注文。私が注文したのは「揚げチョコミントアイス」24,000ドン。

ベトナムのチョコミント味のスイーツとか飲み物、あの青色じゃなくてチョコレート色なことが多いのですが、見慣れた青色で安心。シャリシャリした安っぽいアイスですが、このチープさが使い古された油で揚げられた生地とベストマッチなのですよね…。こういうのでいいんだよおじさんになっちゃう!

余談ですが、途中で物乞いのおばさんに絡まれたのですが妙にしつこくてびっくりした(勝手に座ってきた)。忘れがちだけど5区ってあんまり治安良くないんだった…。皆さんも手荷物には気を付けて。


