ベトナム中南部に位置し、穏やかな海と手つかずの自然が残る沿岸都市「クイニョン (Quy Nhơn)」。
ホーチミン市からは国内線で約1時間とアクセスが良く、過密なリゾート開発とは一線を画すクイニョンは、独自の食文化が色濃く残る地域でもあります。一方で、旧ビンディン省の省都ということもあり、実は結構栄えていたり。ということでローカルフードのみならず、インターナショナルフードも充実しています。
今回は、私がクイニョンで実際に訪れた6軒のお店をまとめてご紹介しちゃいますよ。
【ブンザム】Bún Tôm – Rạm Đầm Trúc

早朝、クイニョンに到着後、まずは「Bún Tôm – Rạm Đầm Trúc」で朝食。間口が広く通りに開けた典型的なローカル食堂です。

注文したのは看板メニューの「Bún Rạm(ブンザム)」20,000ドン。やっす…ポーションとしては小さめですが、それでも物価がバグってるとしか思えない安さです。別添えの「Bánh tráng(焼きライスペーパー)」は5,000ドンで、手を付けた場合は課金されます。

「Rạm(ザム)」とは汽水域や淡水域に生息する小型の「モクズガニ」。海のカニに比べて殻が柔らかく、濃厚な味噌と強い旨味を持っています。丼には殻ごとすり潰して煮詰めたカニのほぐし身ペーストがたっぷり。

あっさりとした出汁に、甲殻類ならではの凝縮された香ばしさと香ばしさが広がり何とも奥深い。ブン(丸みを帯びた細めの米麺)にもカニの身がよく絡みます。お煎餅のようなライスペーパーを手で割り入れ、スープを吸わせて少しもちっとした食感に変えながら食べ進めるのが現地流。
【バインセオ】Bánh Xèo Tôm Nhảy Phước Sơn

クイニョン式バインセオをいただきに「Bánh Xèo Tôm Nhảy Phước Sơn」へ。道路向かいにも同じ業態の店があるのですが…ノリでこちらに入店。どちらもGoogleマップの評価は高い。

「Bánh Xèo Tôm Nhảy(エビのバインセオ)」「Bánh Xèo Mực(イカのバインセオ)」それぞれ30,000ドンを注文。2枚しか注文してないのにこんもり盛られた野菜・ライスペーパーが提供され恐縮…。

「Tôm Nhảy(トムニャイ)」は跳ねるエビを意味し、活きの良い新鮮な小エビを使って焼き上げることからその名がついています。バインセオといえば、半円形に折りたたまれた薄くてパリパリの黄色い生地の中に具が入っているものを想像する方が多いと思いますが、クイニョン式のバインセオは、生地を折りたたまずに手のひらサイズで小さく丸い形をしているのが特徴。色も、ターメリックを使用していないので白のまま。

ライスペーパーの上に野菜を広げ、そこにバインセオを乗せて生春巻きのように巻いていただきます。水に浸したライスペーパーは頑丈(?)なのでちょっとやそっとのことじゃ破れません。ぎゅっぎゅっと力強く巻き込みましょう。なんか、お店のおじちゃんがやけに世話を焼いてくれて、1本仕上げてくれました。優しい…。
ちなみにお店の外には手洗い場とハンドソープが常備されているので、手が汚れても安心。
【スムージー】Sinh tố Nhung


街角の木陰に佇むオープンエアの「Sinh tố Nhung」。店先には色鮮やかな南国フルーツが山積みにされていました。

こちらはシントー(スムージー)のお店。メニューはこちらですが、価格表記無し…まあ、この手のローカルなお店でぼったくられることは無いし大丈夫でしょ。

ということで名物の「Sinh Tố Thập Cẩm(ミックスシントー)」25,000ドン。…いや、安すぎん!?地方の物価を考慮しても6万ドンくらいは支払うつもりでいたわよ。
さて、シントーというと一般的にはミキサーにかけたスムージーですが、こちらではカットフルーツをこんもり盛り付けるスタイル。どちらかと言うと「Trái Cây Tô(チャイカイトー=フルーツボウル)」に近い?別添えのクラッシュアイスを適宜投入していただきます。

中身は、私の雑なプロファイリングによればアボカド、ドリアン、マクワウリ(ざらざらしたメロンみたいな)、マンゴー、ジャックフルーツ、ぶどう、ドラゴンフルーツ(白)、パパイヤ、サワーソップ(トゲバンレイシ)、そしてゼリーの計10種類。約150円相当でこれだけのフルーツが味わえるの、最高だな…。
【海鮮】Quán Nhậu bạch tuộc Bảy Đức

市内中心部からちょっと離れた海鮮酒場「Quán Nhậu bạch tuộc Bảy Đức」。まだ日も沈んでいないのに地元の客で埋め尽くされて熱気に満ちています。

足元に散乱するゴミと瓶…秩序!ローカル食堂の各テーブルにゴミ箱が用意されているホーチミン生活に慣れてるとぎょっとしますが、あとでまとめて箒で掃除するから合理的…ということなのでしょう。


さて、こちらのお店の推しはタコ。「BẠCH TUỘC HẤP(タコ蒸し)」95,000ドンと、「ỐC MÓNG TAY XÀO RAU MUỐNG(マテ貝と空芯菜の炒め物)」70,000ドンを注文。

グリル焼きタコはよく見ますが、蒸しタコって結構珍しいかも。適度な弾力を残して蒸し上げられたタコは歯切れがよく、噛みしめるごとに自然な甘みがじんわり。シンプルな調理方法でもボロが出ない良質で新鮮なタコですね。ライムを搾った塩コショウに浸しつつタデの葉をかじかじ。
マテ貝と空芯菜の炒め物は…ちょっと薄味だったかな。別添えの醤油をかけなくてもいいくらいしっかり味がついてるのが個人的な理想。
【日本食】Sho Japanese Restaurant

突如芽生えた和の心…!と、いうことで2日目の朝食に「Sho Japanese Restaurant」。びっくりしたのが、名古屋発祥の豚骨ラーメン店「一番軒」が併設されていること。え、ホーチミンやハノイだけじゃないんだ!?一番軒ベトナムのサイトを見ても店舗が載っていないのだが、フランチャイズか何か…?

店内の中央には木橋が架かる人工の小川が設えられ、石組みや植栽を配した本格的な日本庭園風のフロア造り。鯉も泳いでます。

注文したのは、鉄火丼と茶碗蒸し、ミネラルウォーターで、税込み合計280,800ドン(各メニューの金額は失念)。ランチメニューのコスパが高いのですが、祝日の連休中だったからか実施されていないようでした。

実はクイニョンはベトナム国内屈指の遠洋マグロ漁の拠点であり、日本へも輸出されているほどマグロ漁が盛んな街。そのため、この店でも地場産のマグロが大きくフィーチャーされていますよ。

水っぽさがなく、きめ細やかでしっとりとした舌触りのマグロ赤身。噛むほどに上品な旨味が広がり、アボカドのまろやかなコクが加わることで酢飯との相性が抜群。

茶碗蒸しにはエビやカニカマ、トビコがあしらわれており、丁寧にとられたであろう出汁もふわりと香ります。このクオリティの日本食が食べられるならクイニョンで長期滞在もできそうだな…。

地方の醍醐味、あまり見たことないブランドの水。「AQUAFINA(サントリー)」でも「Dadani(コカ・コーラ)」でも「LaVie(ネスレ)」でも無いだと…?
【麺・中華】Sợi Sợi – Tiệm Mì Á

2日目の夕食に向かったのが、カジュアルな麺ダイナー「Sợi Sợi – Tiệm Mì Á」。オレンジ色の大きな看板に赤い瓦屋根風の庇、深緑のタイルが組み合わされたポップでスタイリッシュ店構え。


店内は香港や台湾の食堂を現代風にアレンジしたようなレトロモダンな内装。都市部で見かけるような洗練された飲食店が、中南部の地方都市にも根付いている様子が伺える。

「Mì Tomyum Thập Cẩm(全部乗せトムヤム麺)」79,000ドンと、「Sủi Cảo Dầu Giấm(黒酢水餃子)」55,000ドン。やっぱり安いな…。


土鍋で運ばれてきたトムヤム麺は刺激控えめで食べやすさ重視。ただトムヤム的な旨みもあんまりなかったかな。よくある「Mì cay(辛い麺)」のバリエーションの一つという感じ。一方、付け合わせの大根と人参の甘酢漬けは良い箸休め。

黒酢水餃子は薄皮の中に豚肉の餡がみっちり。こちらもあっさりめの味付けで、個人的には酸味も辛みももっとあってええねんで!?って感じですが、ローカルの人の好みに合わせた結果かしらね。一応、卓上調味料での味変も可能です。

ガチ中華って感じではないですが、小綺麗なお店だし価格もリーズナブルなので、ローカルフード以外も食べたいなって方はどうぞ。デザートもあります。

