「よく眠れる街」?ベトナム中部の素朴な高原都市「プレイク」で過ごそう【概要・アクセス・楽しみ方】

ザライ省

ベトナムの高原リゾートといえば「ダラット (Đà Lạt)」がよく知られていますが、近年は観光開発が進み、休日には混雑が目立つようになりました。

涼しい高原地帯で過ごしたい、でももっと静かでまだまだ開発されきっていない自然に向き合いたい…!そんなあなたにおすすめしたいのが、中部高原に位置するザライ省の都市「プレイク (Pleiku)」。

観光地として過度に開発されていない街並みには、雄大な火口湖や広大な茶畑、先住少数民族の文化が息づいているのです。そんな素朴さと、過ごしやすい気候も相まってプレイクに付いた二つ名が「最も眠れる街」。 

本記事では、プレイクの概要・アクセス・交通事情・見どころ・名物グルメなどなど、楽しみ方をまとめておりますよ。

プレイクの概要

プレイクは、ベトナム中部高原のザライ省に位置する都市。もともとはザライ省の省都だったのですが、2025年の省庁改編により旧ビンディン省のクイニョンがザライ省の省都になりました。まあ、クイニョンの方が発展してるのは疑いようがないので…。

標高およそ700メートルから800メートルの台地上にあるため、蒸し暑いホーチミン市などの平野部とは異なり、冷涼で過ごしやすい気候に恵まれています。一方、標高1,500メートルに広がるダラットに比べると寒すぎず「ちょうどいい気温」。ガチガチの防寒対策は不要です。

季節は南部と同様に5月から10月の雨季と、11月から翌年4月の乾季に分かれます。私は10月上旬に3泊4日で滞在したのですが、夜に一瞬小雨が降った程度で1日の殆どはよいお天気。まあ、帰り際、空港に着いた瞬間豪雨に見舞われたので油断は禁物ですが。

この地域には多数派のキン族のほか、ジャライ族やバナール族といった先住少数民族が多く暮らしています。彼らが受け継いできた中部高原の銅鑼文化はユネスコの無形文化遺産に登録されており、独自の民俗文化が色濃く残ります。一見ベトナム語っぽくない響きの「プレイク」という地名も、少数民族の言語に由来。

肥沃な赤土を活かした農業も盛んで、郊外にはコーヒー農園や茶畑、ゴム園が連なり、ベトナム屈指のロブスタ種コーヒー産地としても知られています。

プレイクへのアクセス

山間部に位置するプレイクですが、主要都市からのアクセスは良好。

市街地北側には空港(プレイク空港)があり、ホーチミン市のタンソンニャット国際空港から約1時間、ハノイのノイバイ国際空港から約1時間30分で、ベトナム航空やベトジェットエアが毎日直行便を運航しています。

空港から市街地中心部までは約5kmと近く、車どころかバイクでも10分から15分ほどで移動できるアクセスの良さも魅力。福岡空港かな?

陸路の場合は長距離バスが主な選択肢。沿岸のクイニョンから約3時間から4時間で結ばれているほか、南部高原都市のバンメトート(ダクラク省)などからもバスが運行しています。

プレイク市内の交通手段

プレイクの主な見どころは市街地から郊外に点在。郊外を巡るならレンタルバイクが便利です。

ホテルや専門業者で1日あたり15万ドン程度からで借りられますが、最近はどこでも貸し出しの際に細かく免許をチェックされるので、ベトナムで有効な二輪免許をお持ちの方限定。主要都市では免許不要の50ccバイクや電気バイクを貸してくれるところも増えていますが、プレイクは外国人が少ないのでおそらく無さそう。

私はGoogleマップで調べて出てきたレンタルバイク事業者にZaloで連絡&事前予約して、ホテルまでバイクを持ってきてもらいました。しっかり免許のチェックがあったり必要書類をホルダーに入れて管理していたり…と、ちゃんとしてそうな業者だったのですが、IDを人質にされたのには困った。リスク回避のための商慣習だと思うのですが、普通に違法だしパスポートやTRCを委ねるのは怖すぎるのでデポジットかコピーで対応して欲しいですね。

運転を避けたい場合は、タクシーや配車アプリのGrabが便利。市街地周辺であれば車やバイクタクシーがスムーズにつかまります。ただし遠方の景勝地では帰りの配車が捕まりにくいことが予想されるため、ドライバーに待機を頼むかチャーター手配をしておくと安心。

あとは地元の旅行業者がツアーをやっていたりもするので、ホテルのフロントなどで聞いてみるのも良いかと。

プレイクのホテル事情

プレイクのホテル事情について。まず、外国人が求めるグレードのホテルというのは少なく、大型ホテルも殆どありません。一応、ベトナム各地で展開しているホテルチェーン「ムオンタイン (Muong Thanh)」の最上級ブランド「Grand」が市街地にあります。

おすすめは、小規模ながらもモダンでおしゃれで新しいブティックホテル。ベトナム人の友人が泊まっていたところが良さげだった…というか、私が止まった老舗っぽい中規模ホテルよりも全然いい感じだったので、Googleマップのリンクを貼っておきます(こちら)。

プレイクの主な見どころ・観光地

市街地北約7kmに位置する「ビエンホ (Biển Hồ Pleiku)」は、数万年前の火山活動で生まれた天然のカルデラ湖。「プレイクの目」と称される青く澄んだ湖面が広がり、松林の遊歩道からは穏やかな水辺の風景を楽しめます。入場料は10,000ドン。

ビエンホからずっと北上していくと、フランス植民地時代に開拓された茶畑と、そこへ続く百年松並木道(ベトナム語では「Đường hàng thông cổ thụ」と呼称)があります。樹齢100年を超える巨木が続く並木道は緑のトンネルのようで、走り抜ける爽快感は抜群。その映え映えな景色から、定番チェックインスポットとなっています。

茶畑の奥に佇む「ブウミン寺 (Chùa Bửu Minh Cổ Tự)」は尖った屋根が美しい古刹で、茶畑の緑の中に凛と立つ姿が印象的。

市街地南部の「ミンタイン寺 (Chùa Minh Thành)」は重厚な木造五重塔と精緻な装飾を備え、日本や台湾の寺院建築を彷彿とさせます。

中心部の「大団結広場 (Quảng trường Đại Đoàn Kết)」にはホーチミン像と少数民族を描いた巨大レリーフが立ち、夕方には地元の人々が集います。土地の文化を深く知るなら、青銅製ゴングや生活資料を展示するザライ省博物館もおすすめ。

市街地には広大な敷地を持つ緑豊かな公園もいくつか。あてもなく、水辺の遊歩道を歩いてみるのもまた良い。

私は訪れなかったのですが、市街地北東部にある数百万年前に活動を終えた死火山「チューダンヤ火山 (Núi lửa Chư Đăng Ya)」も主要観光地。すり鉢状の巨大な火口跡の斜面には農地が広がり、独特の地形美を見せています。毎年11月頃には斜面一面に野生の黄色いキバナコウリンギクが咲き誇るそうな。

なお、プレイクから北へ約50キロ、旧コントゥム省(現クアンガイ省)の地域へ足を延ばせば、釘を使わずに建てられた木造教会やバナール族の集会所などがあり、日帰りの立ち寄り先として親しまれています。

プレイクのご当地グルメ

プレイク発祥の名物麺料理が、「乾いたフォー」を意味する「フォーコー (Phở khô)」。茹でた麺の丼と澄んだスープが別々に出てくる二杯一組のスタイルが特徴。

コシのある細い米麺にひき肉が乗り、甘辛い特製黒味噌タレをよく絡めて食べます。濃厚なタレ麺と滋味深いスープを交互に味わう食べ方が癖になります。

…まあ、南部在住者としては「これフーティウじゃね?」と思ってしまいますが。とは言えスープは甘くなくあっさり・しょっぱい仕上がりなので、フーティウとは違った味わいがきちんとあります。

少数民族の伝統料理にルーツを持つ名物が、「ガーヌオン (Gà nướng)」「コムラム (cơm lam)」です。ハーブやスパイスをすり込んだ地鶏を炭火で香ばしく焼き上げ、青竹の中に米を入れて直火で炊いた竹筒ご飯と一緒に手づかみでいただきます。本当は食べたかったのですが、大皿料理のため一人では行けず…。ベトナム人の友人おすすめのお店だけここで紹介しておきます(こちら)。

一人だけど鶏肉を食べたい!という方は、ベトナム式チキンライス「コムガー (Cơm gà)」の老舗を訪れてみては。地鶏なので、日本人好みの柔らかジューシーというよりは、噛み応えのある締まった肉質ですが、ベトナムではこちらの方が好まれる傾向。骨付き肉に豪快に齧り付きましょう。

また、ベトナム屈指のロブスタ種産地であるプレイクでは、街中にカフェがあります。深煎りで香ばしい淹れたてコーヒーを練乳とともに味わう時間は格別。

まとめ

過度な観光地化を逃れた素朴な風景と、豊かな自然や先住民族の文化が調和する魅力的な街「プレイク」。

松林を抜ける風を感じてみたり、広大な茶畑をバイクで駆け抜けてみたり、ローカルグルメや味わってみたり、カフェで過ごしてみたり…。飾らない時間が慌ただしい日常を忘れさせてくれます。

家族旅行には退屈かもしれませんが、一人や少人数でのんびり過ごすにはぴったり!喧騒を離れてぐっすり眠りたい方は、次の旅先としてプレイクを選んでみては?

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