「真珠の島(Đảo Ngọc)」とも呼ばれるベトナム最大の島「フーコック島」。
その郷土料理は、島の豊かな自然環境、特に周りを囲む美しい海と温暖な気候の恩恵を最大限に活かしていることが特徴。魚介類を主役に据えつつ、島の特産品であるヌクマム(魚醤)や胡椒などを活かした料理が多いです。
そして、わざわざ現地まで行かずとも、ベトナム随一の商業都市・ホーチミン市でフーコック料理が食べられます。
本記事では、ホーチミン市中心部の麺料理レストラン「BÚN TÉP – CHÁO CHẢ PHÚ QUỐC MỢ(以下、MỢ)」をご紹介します。
「MỢ」の場所・雰囲気

やって来たのは、中心部・サイゴン街区、旧1区を東西に貫く主要な通りであるグエンティミンカイ (Nguyễn Thị Minh Khai) 通り。
日中はバイクや車がひっきりなしに行き交い、通りの両脇にはローカル食堂からカフェ、多国籍料理店までが並ぶ、ホーチミン市のエネルギーを象徴するようなエリア。

ブラウンを基調としたしたファサード。こちらが「MỢ」です。

店内は、よくあるローカル食堂スタイル。ザ・家族経営といった雰囲気ですが、店内は空調が効いていますし、最低限の清潔感もあるので、旅行者でも入りやすいかと。

各テーブルには、唐辛子の酢漬け、ヌクマム(魚醤)、小さな柑橘・Tắc(タック)、胡椒といった、ベトナムの麺料理に欠かせない調味料が一式。
「MỢ」のメニュー

「MỢ」のメニューはこちら。メニューの冒頭には「Đặc sản nguyên liệu từ Phú Quốc(フーコック島直送の特産品)」の一文が。
メニューの構成は非常にシンプル。お馴染み米粉の細麺「BÚN(ブン)」、タピオカ粉や米粉から作られた、うどんみたいなもちもちの太麺「BÁNH CANH(バインカン)」、お米をじっくり煮込んだベトナム風のお粥「CHÁO(チャオ)」。これらのベースに合わせるトッピングを選んでいきます。
実食。フーコックの潮風を感じる…?

「Bún Tép + Chả + Cá Nhòng + Mực」、80,000ドンを注文。ローカル食堂にしては少々お高めですが、他地域の郷土料理ということで手に入りにくい食材もあるだろうし、思った以上にトッピングが豪勢なので、まあ妥当な価格設定かな?

「Tép」とは小エビのこと。下味が付いていて、まるでエビチリみたい。これを溶かすと、スープに力強いコクと深みが加わります。

まずはスープをそのまま一口。澄んだスープは、南部らしい甘さもありつつ、見た目通りに上品であっさりしています。優しい魚介の旨味が感じられる一方、塩辛さはなく、素材の味!ってカンジ。


厚切りの「Chả(すり身揚げ)」に、皮付きの「Cá Nhòng(カマス)」とボリュームたっぷり。

こちらのソースは、柑橘ベースの酸っぱいソースと唐辛子を混ぜたもの。フーコック島の名物として知られる「Bún Quây(ブンクアイ)」でも添えられるものですね。そのままの味を味わったあとは、スープに忘れず加えましょう。ぐっとシャープな味わいになります。

というかこの食事、すごく良質なたんぱく質源なのでは。Gemini先生曰く、推定カロリーは530-600kcal、推定たんぱく質量は28-38gであるとのこと。

消化に良さそうなブンで程よい量の糖質を摂取できるし、スープ自体の油分も控えめときた。これは…トレーニーの食事としても良いかも!?