ホーチミン市ビンタイン区、第二の日本人街・ファンビッチャン (Phạm Viết Chánh) 通り界隈。日本食の宝庫であり、日本人経営の本格的なレストランから、ベトナム人経営のリーズナブルなレストランまで選択肢は豊富です。
ベトナム人経営のローカル日本食レストランであっても、店によっては日本語を話す店員さんが居たり、おしぼりやお茶が無料だったりしますが、日本人をターゲットにしていない場合はその限りではなく、勝手が異なることもあります。
ファンビッチャン周辺で言うと、日本人を意識したローカル日本食といえば「Miya Sushi」「Daiichi Ramen」などが挙げられますが(※経営に多少日本人が噛んでいる可能性もあり)、一方で店によっては日本食屋であるにも関わらず殆ど日本人を見ないことも。
今回は、ファンビッチャン周辺で店名に「Sushi」を冠しながらも、日本人があまり訪れないローカル日本食店を3つ、紹介します。
ローカル日本食店の特徴
ローカル日本食あるあるとして挙げられるのが、
- ガリとわさびが無料で提供される
寿司や刺身を注文しなくても、ガリとわさびが出されます。わさびは意外と使い道があるかも。揚げ物にちょっと乗せてみたり。
- おしぼりは有料
- お茶や水は有料
日本人向けの店だと無料で出されることもありますが、そうでない場合は基本有料。
- メニューに日本語が併記されていない
雰囲気を出すために日本語が載せられていることもあります。(だいたい直訳)
- 一人向けのメニューはあまりない
丼物や麺類などはあるのですが、定食なんかは無いことの方が多いです。「日本食屋=家族やパートナーと訪れて刺身盛りや巻き寿司を突く、ちょっとええ感じの店」という認識のため、一人客向けのメニューはあまり推されておらず、況や定食をや…といった感じ。
①Sushi Gõ(スシ・ゴー)
まずやってきたのは、メーリン (Mê Linh) 通り沿いにある「Sushi Gõ」。以前訪れた「BARRIO」もこの近く。
ちなみに、日本食屋だから日本語が通じる…とは考えないこと。「一人でーす」と入店すると、何やらベトナム語でまくし立てられ、「分かんねっす!!(Không hiểu)」と音を上げたところ、店員さんは何事も無かったかのように座席へ通してくれました。
店内は広くなく、4人掛けのテーブルが5つ。ベトナム人からの人気は高く、曜日や時間帯によっては満席なことも。
メニューはやはり安い!寿司盛りや海鮮丼が9万ドン程度から注文できてしまいます。
このあたりの揚げ物と、米を組み合わせたら定食ができそう。
海老フライ、ご飯、味噌汁、茶碗蒸しを単品注文して、勝手に海老フライ定食を作ってしまいましょう。
自作の海老フライ定食がやってきました。
海老フライ 69,000ドン。立派な海老フライです。
少し厚着していますが、これはこれで美味しい。
味噌汁 15,000ドン。具は豆腐・わかめ・えのき・葱。妙に甘い、かつ出汁の味はするのですが少ししょっぱい。わかめの食感がぼそぼそしておる…
茶碗蒸し 22,000ドン。鬆ひとつ無い美しい茶碗蒸しですが、トッピングの具材は少し乾燥気味。作り置きのものを再加熱したかな?味は薄め…
ご飯 10,000ドン。器の底が妙に熱々だったので、米を盛った後レンチンしたのだろうか… とはいえちゃんと美味しい日本米でした。(ちょっと表面パサついてたけど)
会計はこちら。もとからVAT(付加価値税)8%込みで、136,000ドン。ソフドリ(スプライト)除くと116,000ドン(≒710円)。定食としては妥当な金額。
こちらは別日に注文したレインボーロール 99,000ドン。安価に寿司を食べたいなら、握り寿司よりロールがおすすめ。握りは職人の腕が如実に表れるため、シャリが団子になっていることもしばしば… ロールだと当たり外れがあまり無いです。ちょこんと盛られたマヨネーズととびっこがかわいい。
②Sushi Nhí(スシ・ニー)
お次はグエンコンチュー (Nguyễn Công Trứ) 通りにある「Sushi Nhí」。
いつでも混み合う人気店で、ここも週末の夜なんかに来ると入れないことも。
周辺を見ると刺し盛を突くカップルばかり。おひとりさまは肩身狭い…
わさび・ガリに加えてキムチが提供されました(無料)。漬物枠でキムチが出てくるの、タイのローカル日本食でもあるあるだった気がする。
注文は店内Wi-Fiに接続し、QRコードを読み取ってモバイルオーダー。まあ、モバイルオーダーしても、結局店員さんが注文内容を確認しに来るのですが。
ここでも、主菜、ご飯、味噌汁、茶碗蒸しを単品注文して定食を作ろうと思います。
焼きさんま定食を作ってみました。
焼きさんま 59,000ドン。何が乗っているのかと思ったら、きざみにんにくでした。斬新!
…まあ、価格が価格なので味に対する文句はありません。美味しい焼き魚を比較的安価に食べたかったら中島水産へ。
味噌汁 18,000ドン。具は豆腐・わかめ・葱とシンプル。甘すぎずしょっぱすぎずでいい塩梅。
茶碗蒸し 28,000ドン。トッピングが瑞々しい。味も出汁がきいていて美味しい。
ご飯 10,000ドン。特にパサつきも無く、美味しい日本米です。
会計は、こちらもVAT(付加価値税)8%込みで、131,000ドン。飲み物除くと115,000ドン(≒700円)で、やはりまあまあ安い。
その後、再訪して天ぷら盛りを注文したら、添えられていたのが天つゆではなくチリソースで絶望させられるトラップがありましたが、全体的には高いレベルでまとまった寿司屋であり、それでいて価格もお手頃なので、混雑ぶりも納得。
「カレー牛肉ごはん」を注文しました(※カレーライスに非ず)。
ちょっとゆるめで出汁が効いたカレーで、具材には油揚げが入っていて、エビ天が盛られていて…って、これはカレーうどんの流用だな?でも美味しいよ!
③Sushi Tí(スシ・ティー)
最後はフインティンクア (Huỳnh Tịnh Của) 通りにある「Sushi Tí」。前の2店もそうですが、「Sushi」+ベトナム語というネーミングが新鮮。
店内は広くないですが、各テーブルが区切られており、落ち着きます。
壁の絵が可愛い。でも何故パンダなんだ…
注文は紙に書いて店員さんに渡します。
メニューをよく見ると、イカやタコのサテ焼きなど、これ日本食じゃなくない?というものも…
カニカマサラダ 45,000ドン。ドラゴンフルーツの入ったトロピカル仕様。ドレッシングの器もお洒落。
味噌汁 15,000ドン。白味噌のような、甘めの味噌汁で好み。
茶碗蒸し 29,000ドン。君メニューと見た目違わない?
サーモンチーズロール 85,000ドン。回転寿司の寿司にありそうな組み合わせですき。まぐろよりサーモンを選んだ方がハズレが無いです。
こちらも金額はVAT(付加価値税)8%込み。お安く収まりました。
ちなみに客席は小綺麗なのですが、トイレを借りにバックヤードへ足を運んだところ、パジャマ姿のおばちゃんが床に座り込んで、盥で食器を洗っているというローカル食堂あるあるな光景が見られました。これもまた趣深い。
まとめ
以上、ファンビッチャン界隈で日本人があまり訪れない、ローカル日本食店を3つ紹介しました。
お手軽に日本食欲を満たしたいとき、日本食を食べたいけど仕事以外で日本人と出くわしたくないときなどにどうぞ。