ベトナム南中部・カインホア省(旧ビントゥアン省)にある都市・ファンラン=タップチャム(以下、ファンラン)。南部とはまた一線を画す、独特の食文化が見ものです。
で、そんなファンランを始めとする南中部地方のローカルフードがホーチミン市でも食べられる!
「チャム族」が起源と言われる「バインカン (Bánh Căn)」や南中部スタイルの「バインセオ (Bánh Xèo)」を扱う、旧ビンタイン区に位置するレストラン「Phan Rang Quán」をご紹介します。
「Phan Rang Quán」の外観・雰囲気

やって来たのは、旧ビンタイン区(現・タインミータイ (Thạnh Mỹ Tây) 街区)のD5通り沿い。この周辺は大学などの教育機関が集まっており、ホーチミン市屈指の学生街・グルメ激戦区として知られておりますよ。

そしてこちらが「Phan Rang Quán」。日本語にするなら「ファンラン亭」みたいな感じのド直球な店名。赤、黄、青を大胆に使ったカラフルな看板が目印です。ここ以外にも、旧7区に店舗があるみたい。

店内はこんな感じ。壁一面に配置されたノンラーをモチーフにした照明オブジェが目を引く。ライムグリーンの壁に映えるこの柔らかな光は伝統的な意匠をモダンにアレンジしたもので、センス良くまとめられています。

壁面は外観と同じく深みのある赤で統一されていますが、テーブルや椅子はダークブラウンでまとめていることで、シックな雰囲気。ローカル食堂の気軽さと、レストランとしての快適さの両方があります。
「Phan Rang Quán」のメニュー

メニューはこちら。種類の多さにびっくり。
看板メニューのバインカンは1皿8個入りで、トッピングのバリエーションは約20種類に及びます。卵、海老、イカ、豚肉といった定番から、それらを組み合わせた全部乗せ (Đặc biệt) まで、選ぶ楽しみがあります。
麺料理にもこだわりが感じられる。メニューでは「100%鮮魚から取った出汁」を使用していると謳い、海沿いの街の恵みを大切にしていることが伝わってきます。学生街という土地柄もあり、コストパフォーマンスも良し。
実食

今回は、バインカンの全部乗せ(Bánh Căn Tôm Mực Thịt Trứng Cút)と、海老と豚肉のバインセオ(Bánh Xèo Tôm Thịt)を注文。

運ばれてきたバインカンは、まさに宝石箱のような鮮やかさ。黒い皿の上で、海老やイカが卵の黄色に映えていますね。特徴的なのは、トップに添えられた青いマンゴーの細切り。この酸味がシーフードや卵のリッチさを軽やかに中和。
一方のバインセオは、南部風の巨大なものとは異なり、1皿4枚のミニサイズ。生地は薄く、縁の部分はクリスピーに揚げ焼きされており、香ばしさが際立ちます。
同じく中南部に位置する、ザライ省(旧・ビンディン省)のクイニョンで食べたバインセオもミニサイズでしたが、あちらは生地が白く、折りたたまないものでした。バインセオと言っても色々あるわけです。


ここで重要なのが食べ方。テーブルには、甘酸っぱい魚醤(ヌクマム)、魚を発酵させたコクのあるタレ(マムネム)、そしてピーナッツソースの3種類が用意されています。これらを自分好みの割合でミックスしましょう。

大きなレタスも付いてきました。新鮮だしキレイで安心できます。

網目模様が入ったライスペーパーにレタスとバインカンを乗せてくるりと巻き、タレにどぶ漬けしていただきます。レタスの水気でふやけるので大丈夫。

パリッとした生地の食感、野菜のみずみずしさ、そしてトッピングの旨味。うーん、至福。

バインセオは揚げ焼きなので、油っぽいものはちょっと…という方はバインカンをおすすめします。生地を炭火焼きしたもので、カリッもちっの食感がたまらんです。見た目は似ていますが、南部ブンタウ名物の「バインコット (Bánh Khọt)」とは別物。



