ホーチミングルメスイーツ

ベトナムのチェーとは一味違うよ。ホーティーキー市場でカンボジアチェーを食べる@10区

ホーチミン市10区、花と食の楽園「ホーティーキー市場 (Ho Thi Ky Flowers and Food Street)」。

ずらりと並ぶ屋台で食べ歩きを楽しめる夜市であることは以前紹介しましたが、実はカンボジアにルーツを持つ人々が集まる市場でもあり、地元の人からは該当エリアを指して「カンボジア・マーケット」と呼ばれることもあります。

そんなホーティーキー市場で、カンボジア風のチェーが食べられるとのことなので、行ってきました。

カンボジア風チェーの屋台「Quán Chè Campuchia Cô Huôi」

暑さが和らぎ、過ごしやすくなってきた16時。10区のホーティーキー市場までやって来ました。この日は祝日でしたが、この時間帯だとまだ空いてるのですね。

リータイトー (Lý Thái Tổ) 通りから市場に入り、フンヴォン (Hùng Vương) 通り方向へひたすら進みます。

Googleマップでは正確に表示されないのですが、お店の外観はこちら。「Quán Chè Campuchia Cô Huôi」です。日本語にすると、「フオイおばさんのカンボジアチェー屋さん」…って感じ?

Googleマップで検索できる「Quán Chè Campuchia Cô Có」はまた別の店なので注意。

店の中に通されました。誰かのお家にお邪魔してしまったような感覚。

なお、現在は店名にある「フオイ」さんに代わり、その娘さんが母親のレシピを守りながら販売を行っているようです。

「Quán Chè Campuchia Cô Huôi」のメニュー&実食

メニューはこちら。看板メニューの「Chè Thập Cẩm(チェー・タップ・カム/全部乗せチェー)」を注文しましょうかね。カンボジア風のチェーということで、「かぼちゃプリン」や「卵麺」など、普段見慣れないトッピングが色々とあります。

ちなみに、苦手なトッピングがあれば抜いてもらえるようです。え、じゃあKhông cho Sầu riêng(ドリアン抜き)、で…

トッピングはほとんどが自家製とのこと。カンボジアから取り寄せている材料もあるようで、価格以上の手間が掛かっている気がしてならないな… よく味わって食べるぞ。

カンボジアを代表するデザート・かぼちゃプリン。かぼちゃをくり抜き、卵とココナッツミルクを流し込んで蒸したものです。日本以外のかぼちゃって、正直言ってべちゃべちゃのイメージだったのですが、このかぼちゃは柔らかくはあるものの水っぽくなく美味しい。さすが、日本語の「かぼちゃ」の語源になった国なだけあるぜ。

このナッツみたいなものはなんぞ?と思ったら、「タマリンドの種」であるとのこと。酸っぱいタマリンドの実とは違い、淡泊でコリコリとした食感。種だけを取り出し、ローストし、煮込んでは洗い…と、下処理が大変な食材らしい。

パームシュガーの甘さは暴力的でなく、包み込むようにひたすら優しい。その素朴さが自家製の具材の美味しさを引き立てています。

甘いものの後はしょっぱいものが食べたいんだよ!ということで、同じお店で「Trứng Cút Chén Nướng」を注文。小皿の上に餅・うずらの卵・各種具材をトッピングしてグリルしたおやつですね。1つ20,000ドンで、全部乗せは25,000ドン。

上にかかっているチリソース・ケチャップ・マヨネーズがキラキラしています。一口で甘辛味&サクサク・もちもち食感と、色々楽しむことができる。

クメール食文化伝承の担い手

現在、ホーチミンで生活するカンボジアルーツの人々は、1970年代にカンボジア内戦(クメール・ルージュ、ですね)から逃れるためサイゴンの地に足を踏み入れコミュニティを作り上げました。ただ、その人々も元々はベトナムにルーツがあったベトナム系カンボジア人であるとのことで、地続きの国であるが故の複雑さを伺えます。

地域社会と同化しつつも、カンボジアの食文化を守り伝え続ける人々。ホーティーキー市場の「カンボジア・マーケット」で、チェーを食べつつ思いを馳せてみてください。

「Quán Chè Campuchia Cô Huôi」の場所

だいたいこの辺りだったと思うので、とりあえずここを目指して進んでみてください(雑なアドバイス)。営業は16時ごろから。

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