旅行をする際にこなしたいタスクのひとつ、それは「現地で日本食を食べること」。
日本人が多く暮らし日本人経営のレストランも多いホーチミン市やハノイならいざ知らず、在住日本人どころか訪れる日本人さえも多くない地域で、どのように日本食が受容されているのかを知ることに大変興味があります。
8月にニントゥアン省の省都・ファンラン=タップチャム市(以下、ファンラン)を訪れたのですが、そこでも数少ないながらいくつかの日本食店を発見。どんなもんかな、と行ってみることに。
本記事ではファンランの日本食レストラン「Ngọc Sushi」をご紹介します。
「Ngọc Sushi」の場所・雰囲気
やって来たのは、ファンラン中心部の、4月16日公園があるあたり…の北方面。何にもなさそうに見えますが、ちらほらとカフェがあります。
この辺りは宅地開発が進んでいるのか建設中の建物を多く見かけました…が、正直に言ってプロジェクトが頓挫しそう、もしくは完成しても人が集まらずゴーストタウン化しそうな気がしてならない。
そんな中に位置する「Ngọc Sushi」。あまり日本食店らしからぬ外観ですが…?
屋内席に通してもらいましたが、先客が居なかったため電気やらエアコンが点いていませんでした。冷えるまでしばし待つ。
テラス席もありますが、乾季終了間際の蒸し暑い真っ昼間の外は地獄。迷わず屋内席を選びました。…ただ、キッチンはエアコン付いてないっぽいけど、大丈夫なんだろうか。
内装を見ていきましょう。鍋メニューがあるからか、各席にはコンロが備え付けられています。
ネコ寿司。畜生の握った寿司なんて食えるか!…とか野暮なことは言わない。
メニューは、ベトナム語メニューに加えて別途英語メニューも用意。…ベトナム語メニューに英語を併記すれば良いのでは、とか言わない。
価格は全体的に安いと思います。うな丼が128,000ドンってマジ?大体18万ドン以上はするイメージ。
ちなみに、公式Facebookにメニューが掲載されています。ご参考まで。(URL)
実食。○○入り味噌汁に驚愕!
まずは「Roll cá hồi tươi(フレッシュサーモンロール)4pcs」39,000ドンと、「Roll lươn(うなぎロール)4pcs」50,000ドン。安いし、4ピースから注文できるのも一人客的には嬉しい。
まずはサーモンロール。やたらと色んなソースがかかっていますが、そこは最早気にする点では無いかな、と。
わさびをちょこんと乗せていただくと…
うん、ちゃんと瑞々しいサーモン。厚切りで、食べ応えがあるのも嬉しい。懸念していたシャリのクオリティも、べちゃべちゃすぎず硬すぎず、ほどよい酸味もあり…で、問題ありません。
で、うなぎロール。
さすがに安すぎて期待していなかったのですが、これが意外にも美味。結構皮が厚いのですが、むしろそれがパリパリ感を生み出しており食感が楽しい。身もしっかり脂がのっており「うなぎ食べてる!」という実感があるし、塗られているソースもよく知っている蒲焼きのタレのそれ。具材の卵焼きやアボカドと一緒に口いっぱい頬張るともう幸せ。
お次は「Trứng hấp(茶碗蒸し)」28,000ドン。結構大き目の器に入っていてお得感があります。出来上がりはちょっと緩そうに見えますが…。
で、食べてみると…うん、ガツンと甘じょっぱく、味が濃くて美味い!(もちづきさんみたいな感想)
上の写真をよく見ていただくと、茶碗蒸しに茶色の餡(出し汁?)が浮いていると思います。この茶碗蒸し、「上品な出汁の味が~…」みたいな繊細さはありません。割とがっつり「す」が出来ていることからもわかる通り、細かいことは気にしない、豪快な茶碗蒸しです。
そして最後に「Miso soup(味噌汁)」18,000ドン。
早速飲んでみましょう。なんか、バターみたいな匂いが…!?!?
まさかの展開。なんと、マーガリン入りの味噌汁でした。いや、「なーんか油みたいなの浮いてるなー」と思ってたんですよ。無難に美味しいロール寿司や茶碗蒸しをお出ししておいてからの、あえて味噌汁で盛大なハズシ。嫌いじゃない。
それにしても、どういう過程で味噌汁にマーガリンをぶち込むに至ったかが気になってしょうがない。一応、「味噌汁 バター」でググると普通に美味しそうなバター入り味噌汁が出てくるので、巡り巡ってそういうレシピに出会ってしまったからなのか、どこかで味噌バターラーメンを食べて「そうか、味噌にはバターを合わせるものなのか」と勘違いしてしまったのか…。あ、ベトナムはバターが高いので、低価格帯のメニューで使われているのは十中八九マーガリンです。
何にせよ、「マーガリン味噌汁」という初めての体験に、脳が活性化しシナプスがバチーン!と繋がる感覚がありました。これだから、ローカル日本食店巡りは止められない!