ホーチミン市第二の日本人街・ビンタイン区ファンビッチャン (Phạm Viết Chánh) 通りからほど近い場所に、気になるお店がオープンしました。
そのお店は、ベトナムの日本食店に味噌や麹を卸している会社が手掛ける「麹カフェ」。看板メニューは、つるつるもちもちでうどんみたいなベトナム麺「バインカン(バンカン、バインカイン)」と、日本の豚汁を融合させた、その名も「味噌バインカン (Bánh canh miso)」。
これはありそうでなかった組み合わせ。日本とベトナムの食文化を繋ぐ新たな名物になるかもしれない…!ということでご紹介します。
お店の場所・雰囲気
やって来たのは、ビンタイン区・ボーズイニン (Võ Duy Ninh) 通り。ファンビッチャンからは徒歩15分程の距離ですが、狭い道路沿いに個人商店や八百屋などが広がる活気あるローカル通りです。顔見知りと思わしきおばちゃんと子ども同士が挨拶を交わしていてほっこり。
そんな古き良き下町に「糀」の看板を掲げたお店を発見。こちらが今回ご紹介する「Bánh Canh Miso 145」です。
お店に入りました。座席は2人席が2つと、4人席が2つ。座っていた男性二人組、日本人かと思いきやおそらくこの近辺に住むベトナム人のようで、これまたベトナム人の店員さんと会話をしていました。店内に流れるベトナム歌謡も相まって、雰囲気は完全にローカル食堂。
卓上の調味料。Mắm Lú(熟成魚醤)がありました。これは珍しい!
「Bánh Canh Miso 145」のメニュー
メニューはこちら。店員さんは日本語をお話しにならないようなので、日本人オーナーさんが不在のときはベトナム語で注文を。
現在ソフトオープン中とのことで、扱うのは味噌バインカンのみのようですが、今後はメニューが増えていく…のかな。
普段はみたらし団子なども販売しているようなので、それもメニューに加わったら嬉しい。
そういえばこちらのみたらし団子、以前同僚からお裾分けしてもらったのだった。レンチンで温めて食べる冷凍の団子なのですが、ちゃんと焼き目の香ばしさが感じられて美味でした。団子同士がくっつかないように、レンチン前にちょっと水をまぶしておくと良い…というライフハック。
味噌バインカンを実食
味噌バインカン・普通サイズ (Tô vừa) です。蓋がされた状態で提供されるのですが、一人鍋のようでテンションが上がる。しかも価格は50,000ドンとローカル水準なのだからすごい。出来立てだから熱々です。
小鉢に取りわけていただきます。まずは麺ですが、柔らかくでんぷん質が溶け出したかのようなどろっとした感じがものすごくうどん。熱々スープにはくたくたの麺がよく合いますよね。
スープは、名古屋の味噌煮込みうどんのようなガツンとコクの強いものを想像してしまいましたが、見た目からもわかる通り実際は優しく上品な味で少し甘め。「味噌味はしょっぱい」と考えるベトナム人にも受け入れられやすそう。味噌はもちろん、味醂も自家製のものを使用しているそうです。
根菜がいっぱい食べられるの、嬉しい。特にごぼうとかベトナムで食べる機会殆ど無いからなあ。
別添の香草が気になったので入れてみた。どういう味になるか想像がつかないですが…?
うん、香草が強い。一気にエスニック感マシマシに。ちょっとタイ料理っぽさがあるような…ということは。
チリソースとカラマンシーを加えたところ、味噌のコクと良い具合に合わさり一気にタイ鍋感が出ました。これは良い。
後半は何も加えずにそのまま。具沢山でヘルシーだし、色々スープを味変できる余地があるのが良いですよね。
なんと、オープン記念ということで甘酒をサービスいただいてしまいました。少し粒が残ったサラサラの甘酒です。コロナ禍のときに自分で甘酒を作ったことがあったのですが、こんなにサラサラにならなかったのよねえ。
材料は日本米・麹菌・塩のみで添加物はもちろん無し。無糖ヨーグルトと混ぜても良さそう。
現在ソフトオープン中とのことで、夜は20時閉店となるようですが、今後は朝・夜ともに営業時間を拡大する予定だそう。メニューの増加も含めて楽しみ〜。ベトナムでも若者を中心に健康志向が高まっているし、発酵食品というジャンルは日本人のみならずベトナム人にも刺さりそうです。
甘酒が気に入ってしまったので持ち帰り購入しました。1本55,000ドンです。
ちなみに「Bánh Canh Miso 145」の母体であるKOJI FOODの製品はホーチミン市・ハノイの両都市で購入可能。色んな日系のお店を中心に販売を委託されているようです。