ベトナム人の同僚と一緒に仕事をしていると、美味しいお店の情報を教えてもらえることが時折あります。
先日教えてもらったのは、ホーチミン5区の中華街にある魚鍋のレストラン。
同僚によると「ベトナム人で知らない人はいない」とのことで、俄然期待値も上がります。
今回は、そんなチョロン(中華街)に名高い鍋専門店「Lẩu Cá Dân Ích」を紹介します。
「Lẩu Cá Dân Ích」の場所・店内
とある金曜日の夕暮れ時。5区のチャンヴァンリエム (Châu Văn Liêm) 通りまでやって来ました。
その一角に、ひときわ賑わう大型のレストランを発見。
黄昏時、1区からはるばる伸びるグエンチャイ (Nguyễn Trãi) 通りとの交差点で、「Lẩu Cá Dân Ích」は燦然と輝いていました。
こちらのお店がオープンしたのは半世紀前のこと。サイゴン激動の歴史の中で、脈々と営業が続けられています。
今回通されたのは2階(ベトナム的には1st Floor)。ドアで仕切られ、エアコンの効いた客席です。
金曜日ということで混雑しており、日本人のおじさん集団もいました。
…なんか、超絶勝手な物言いなことは自覚しているのですが、「ここ美味しいよ!」ってベトナム人に紹介してもらった店に行って外国人(日本人)がいると萎えてしまうのは私だけ?
逆に、店に行ってみたら外国語なんか全く通じそうになく、「やべえ、外国人だよ…」「おい、お前行けよ」「え、やだよ!」みたいな空気が漂ってくると何か嬉しい(特殊性癖)。
席に着くと、鍋用の野菜(春菊)と麺が既にセットされており、それに加えて揚げパンが運ばれてきました。
「エアコンのある席は追加料金が必要で、この揚げパン1皿につき20000ドンを先払いするみたいです。」
そう教えてくれたのは、同行してくれた日本人の同僚…の、奥さんであるユンさん(ベトナム人です)。この揚げパンが席料代わりということなのかしらね。
ちなみに今回、ユンさんがお店の予約もしてくれました。おータスカルタスカル。
彼女は生粋のサイゴン人。ということで、「ベトナム人でこの店を知らない人はいない」というのは本当ですか!?
「いや、私は知らない…」
あれ?…ということで、店を教えてくれた同僚が若干話を盛っている可能性がありますが、まあでもこの賑わいっぷりからすると有名店であることには間違いなさそう。
木炭で加熱!昔ながらのホーコー鍋
今回の主目的は、やはり魚鍋。サイズは大・中・小の3種類あり、価格は以下の通り。
どうでもいいですが、Googleマップに2015年時点のメニュー写真があり、それを見ると当時の価格は小18万ドン・中23万ドン・大32万ドンでした。10年も経たずにこの物価の上昇、えげつない… もうしばらくしたら、上記の価格も最新情報では無くなってしまうのだろうな。。
鍋に入っている具材は上記写真の通り。もし苦手なものがあればその具材は入れず、代わりに他の具材を増やす…といった対応も可能だそう。我々は何でも食べる雑食なのでそのままにしておきました。豚のレバーも魚のお頭もウェルカムだよ。
注文して間もなく、4人前の鍋が到着。何だこれは!
これは、真ん中に木炭を入れて加熱する、伝統的なアルミニウム製鍋(ホーコー鍋)とのこと。ローカルレストランで現在主流の固形燃料コンロやガスコンロではなく、昔ながらの鍋を今でも使用し続けています。
一方、面白いなと思ったのが、燃える炭に酸素を与えるためのミニファン。これ、モバイルバッテリーにUSB式の扇風機をぶっ刺してるんです。おかげで鍋はずっと温かいままなのですが、伝統的な鍋とのギャップにおかしみを感じますね。
魚、海老、魚団子、きのこ、豚のハツ・レバーなど具材が盛り沢山。
どの具材も新鮮でぷりぷり、大振りで食べ応えたっぷりです。
揚げパンをスープに浸して食べるとバカうま。
スープは中華系の味付けで優しい味。ベトナム人の口コミを見ると「味が薄い」というレビューがいくつかありましたが、日本人的にはむしろ出汁が効いておりちょうどいいと思います。もし物足りなければ、卓上の醤油やサテ(唐辛子)でタレを作り、それに付けて食べると良いかも。
鍋は常に沸騰している状態のためどんどんスープが減っていきますが、頃合いを見て店員さんがスープを補充してくれるので大丈夫。むしろそのスープ持ち帰らせてください…
一緒に付いてくる麺は、黄金色の福建風中華麺。コシが控えめの、柔らかい麺です。
そして食事の終盤、急に鍋が下げられたので何かと思ったら、木炭を交換してくれたのでした。心配りが光る…
赤い炎が美しい。
サイドメニューに伏兵あり!鍋以外も美味しいよ
鍋意外も食べたいよね、ということでサイドメニューを注文。
魚入りチャーハン、Cơm chiên cá mặnです。115,000ドン。
中々お目にかかれないレベルでパラパラなチャーハン。魚は干物を使っているようで、噛めば噛むほど旨味が溢れます。ちなみに、少しお行儀が悪いですが鍋のスープでお茶漬けにして食べるという裏技もありますよ…(小声)
海老のフリッター、Tôm lăn bột 140,000ドン。
チリソースが添えられていましたが、日本人的には塩胡椒に付けて食べたい…
椎茸の鶏肉詰め、Nấm đông cô xào gà。110,000ドン。
にんにくが効いていて美味。
衝撃のお会計。やはりチョロンは最高
お腹いっぱいになったところでお会計。7人で112万ほど…ということで、一人当たり16万ドン(≒1000円)くらい。
せーの…
やっすうぅぅぅぅううううう!!!!!
いやもう、予想は付いていましたが安すぎます。これでも数多の値上げを繰り返した結果だというのだから驚くほかない。
やはりチョロンは最高です。この辺りに住んだら食事に困ること無いだろうし楽しそうだな…と思いつつ、外国人が住めそうなアパートはほぼ無いみたいなので、踏み出すのは躊躇してしまう…
この後、デザートにハーキー (Hà Ký) へ行きました。この辺りで食事をした後の定番になりつつある。