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ホーチミン市の果て、謎の日本風寺院*カーンアン僧院 (Tu viện Khánh An) @12区

在越日本人の9割5分は訪れないであろう、ホーチミン市12区。

12区は、1区などの市内中心部から北西方向に位置します。

基本的に住宅街であり、特記すべき観光地はありません。強いて言うならクアンチュンソフトウェアパーク (QTSC / Quang Trung Software City) というIT特化の工業団地があり、KDDIや日立などの日系企業も拠点を構えている模様。

そんな12区に、「日本風の仏教寺院」があるとの情報を聞き及びました。日本人が訪れない地域にある謎の日本式建築、そういうの大好物です!

ということで、独特な建築様式が美しい12区の「カーンアン僧院 (Tu viện Khánh An)」に行ってみました。

「カーンアン僧院」の場所

名   前 Tu viện Khánh An (Khanh An Monastery)
住   所 1055/3D đường Võ Thị Thừa, QL1A, Quận 12, Thành phố Hồ Chí Minh
拝 観 時 間 05:00~12:00、13:30~20:30

カーンアン僧院」は、トゥードゥック市・ビンズン省に接する12区の東部に位置します。

市内中心部である1区からは約15キロと微妙に離れているため、足が無ければタクるのが一番楽な手段かと思われます…が、一番コスパの良い方法で向かいたいと思います。

「カーンアン僧院」への行き方(バス・Grab併用)

まずはビンタイン区の自宅近く、ティゲー教会 (Nhà Thờ Thị Nghè) 前にあるバス停から、05番もしくは19番のバスに乗車。

バスのルートや金額はGoogleマップで調べれば割と正確な内容が表示されます。唯一、いつバスが来るかは分からないのですが、それも「Go!BUS」アプリを使えば目当てのバスがどのくらい近くにいるか分かります。

Go!Bus TPHCM
Go!Bus TPHCM
開発元:FPT Technology Solutions
無料
posted withアプリーチ

ビンフック (Bình Phước) ジャンクションで降りようと降車ブザーを鳴らしたのですが、バスは止まってくれず、どちゃくそ辺鄙なところで降りるはめに。ベトナム語の分からない外国人だからといって馬鹿にして…(※被害妄想)

まあ、バス停から直接目的地にバイタクで移動するプランだったから良いのだが。Grab Bikeで25,000ドンでした。郊外の割にGrab以外も走ってましたね。

カーンアン僧院」に到着しました。実績「12区訪問」解除。

僧院の前には小規模ですが、市場や食堂が広がります。生憎コンビニなんて便利なものはないですが、個人商店や屋台で飲み物は買えます。

拝観できる時間は05:00~12:00、13:30~20:30の間。

とりあえず腹ごしらえ。僧院前の食堂で、牛肉焼きそば (Mì Xào Bò) を注文。メニューに金額の記載が無かったのですが、45,000ドンでした。微妙に高ない…?

「カーンアン僧院」その歴史とユニークな建築

当初「カーンアン僧院」は1905年、僧侶チ・ヒエン (Trí Hiền) によって建立された小さな寺院でした。その後、ベトナムとフランスの間で勃発した第一次インドシナ戦争においては、フランスからの脱植民地化を目指す抵抗勢力の拠点となりました。

紆余曲折を経て2006年、大規模な改修工事が行われ、名称が現在の「カーンアン僧院」に変更。翌年、ホーチミン市人民委員会により市の歴史的および文化的遺物として正式認定されました。

足を踏み入れて目に付くのは、日本の神社仏閣を思わせる、特徴的な灯篭。

実際、ベトナム語のメディアでは「日本の寺院に似た建築」…と称されているのを目にします。確かに、ベトナム南部の他の寺院によく見られるような龍・鳳凰などのモチーフや極彩色の装飾が存在せず、侘び寂びを感じるその様は確かに日本っぽい…のかもしれない。

ただし、本当に日本の様式で建てられたわけではなく、古代ベトナムの様式を取り入れた北方仏教建築に基づいて建てられたものであるとのこと。

僧侶が過ごす僧堂兼公民館。赤色を主とした木造建築であり、屋根は広く先端が湾曲し、金色に装飾された彫刻があり…と、これもまたベトナムでは珍しい建物。

「カーンアン僧院」を拝観する

こちらの建物にあるのは、本堂と瞑想堂。

下層は瞑想堂。荘厳な雰囲気が漂います。

階段を上がって本堂に向かいます。「階段を上る前に靴を脱いでね」とのこと。外にある石造りの階段は当然吹き曝しなので、ちょっと抵抗が…

本堂の外観。

内部は、主に木と石造りによる壮麗で精緻な造り。お祈りに訪れる参拝客の邪魔にならないよう写真を撮らせてもらいました。

本堂のある2階から、僧堂を臨むことができます。

ベトナムの人からすると、このアングルが「日本っぽい」とのこと。浅草寺とかのイメージ…?

本堂の建物と、僧堂の間には庭園があります。こちらは観音菩薩像。

水上に建てられた 2 階建ての木造東屋があります。こちらは仏陀を讃えるためのもの。

水辺を楽しむリバーサイドカフェ「CAFE NGỌC XANH」

お店の名前 CAFE NGỌC XANH
住   所 42/3T Tổ 48 kp3, An Phú Đông, Quận 12, Thành phố Hồ Chí Minh
営 業 時 間 06:00~21:00

「カーンアン僧院」での拝観を楽しんだところでGoogleマップを眺めていると、川沿いにカフェを発見。お茶して帰ろうかと思います。

そうしてやって来たのがこちら。まさかの未舗装路。

そしてこちらがカフェ…なのですが、宗教施設か何かにしか見えない件。勇気を出して足を踏み入れると…

男性オーナーと、その姉妹が出迎えてくれました。皆さん流暢な英語を話すので、「こんな中心部から離れた場所で英語が通じるとは…」と驚いたのですが、フランス出身であるとのこと。

一方、ベトナム語での会話もされていたので、ルーツとしてはベトナム系のフランス人なのかな?特にオーナーの妹さん(お姉さん?)は日本語を勉強していたことがあるとのことで、日本語を少し披露してくれました。期せずして、風景だけではなく人にも癒されることになったな…

オーナーが用意してくれた、サイゴン川を臨むリバービュー席。川の向こうはビンズン省です。

何らかの高層ビルが建築中。

アイスクリームと生絞りオレンジジュース。

喉が渇いて仕方なかったので「チャダー(アイスティー)を下さい~~」と伝えたところ、ポットでたっぷりとくれました。生き返った…

夜、ライブをするとのことで、そのセッティング中でした。都会の喧騒から離れたリバーサイドカフェでのライブ、良いな…

あまりにも周りが静かなので、川向いのビンズン省側から下手くそなカラオケが聞こえてくるくらいでした。

まとめ:ちょっとした冒険でした

帰り、Grab Bikeでビンフック (Bình Phước) ジャンクションまで戻り、05番バスで帰りました。

「カーンアン僧院」は半日あれば行って帰ってこれる距離なので、中心部の喧騒から離れ静かな雰囲気を楽しみたいのであれば、足を運んでみては。訪れる日本人もそう居ないでしょうし、話のネタになるはず。

何にせよ、ホーチミン市内であってもまだまだ知らないところだらけですね。こういうとき、足(バイク)があればフットワーク軽くあちこち行けるとは思うのですが、免許書き換え&外国人ナンバーの取得が面倒そうでね…(日本の二輪免許自体は持ってるのですが)

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