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突き抜けた日本への憧れ、或いは日本が滅びた遠い未来の追憶*Lạc Concept@5区

日本においては高級感を演出するために英語やフランス語を使うなど、「欧米」というエリア全体に抱く漠然とした憧れのイメージがあると思います。

一方ここベトナムでは、欧米圏に加え、日本をはじめとする東アジア圏の文化も「お洒落」と見なされることが多いのです…が、その妄想が突き抜けてしまった結果生み出された「何かすごいもの」を目にすることがたまにあります。

今回紹介するカフェもそのひとつ。本記事ではホーチミン市5区の和風カフェ兼スタジオ「Lạc Concept(ラック・コンセプト)」をご紹介します。

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「Lạc Concept」への道のり

ホーチミン市5区・チャンビンチョン (Trần Bình Trọng) 通りにやって来た…のですが、バイクでの移動中に大雨が降り出したため、ひとまずカフェ近くの「Beaver Tails」というお店で雨宿り兼朝食。

私が食べているのは「Bánh mì xíu mại(バインミーシウマイ)」と呼ばれる、肉団子スープとバインミーを一緒にいただくダラット名物の料理。

一緒に飲み物も注文したのですが、なみなみのお茶が無料で付いてきてしまいました。嬉しいけど、腹ちゃぷちゃぷになるやつや…。

雨が止んだので出発します。ホーチミン市5区と言えばベトナム最大級の中華街を擁し、日本人的には美味しい中華料理を求めてやって来る場所ですが、この近辺のエリア(グエンチャイ通りなど)は若者向けの服屋が並び、さしずめ「サイゴンの原宿」といった様相です。

「Lạc Concept」が営業しているのはひっそりとした路地裏。こちらの路地に入ります。

どんどん進んでいきましょう。後ろから来るバイクには気を付けて。

昔ながらの日本の住宅を思わせる外観のこちらが、「Lạc Concept」です。

「Lạc」はベトナム語で「落花生」のことですが、こちらの店舗名は「訪れた人がこのカフェの世界観に浸ることで幸せになるように」という願いを込めた造語であるとのこと。

路地裏で出会った、憧れの日本

外観

入口で目にしたものは、藤の花咲き乱れるバス停。「ひなまつりセール」を知らせる看板が立てられています。

日本のバス路線図が貼られているかな?と思いましたが、ホーチミン市のバス路線図でしたね。

バス停を通り過ぎると、両手一杯に食べ物を抱えたカオナシがお出迎え、なのですが…。

いや、こんな記号的可愛さに落とし込んだらカオナシの魅力半減じゃない?本編前半のおぞましさと後半のお淑やかさのギャップにこそ可愛らしさがあるんじゃんね(厄介オタク)。

こちらのお店、一応カフェではあるのですが、写真スタジオ的な役割も兼ねているようで、飲み物=入場チケットという扱いらしいです。個人用途で写真を撮る分には追加費用はかかりませんが、例えば商業利用のためポートレート撮影を行うなど、営利目的の場合は別途費用がかかるので注意。

飲み物の注文カウンター頭上には「街の中心部にある小さなコーヒーショップ」とあります。このフォント…「ニコ角」やな!?(フォント警察)

昔ながらの売店や駄菓子屋を想起させる「雑貨店」スペース。

ここに置かれているものは…売り物ではないと思います。流石に。

「雑貨店」の向かいには…ちょっと待って。とりあえずひとつずつ見ていこうか。

たこやき」暖簾の上には、紅葉で隠れていますが「母の愛はいつまでも強い」とあります。どうやらオープン当初は、たこ焼きを実際に販売していた模様(現在は取り扱い無し)。

「幸」の字、惜しい!業者に.aiファイルとか渡して発注するのではなく、自分たちで手書きして作ったんだなあ…。

そして隣の「努力しない者に成功はな」…こちらも惜しい!

カーブミラー越しの自撮り、お洒落だったりしますかね?(聞くな)

カウンターでドリンクを注文し、支払いを終えたら中に入りましょう。「見ぬが花」。

1階

1階の様子。テーブル席と座敷席があります。欄間の黄色と緑のガラス、和室に使うにはちょっとビビッドすぎる気もしますが、よく見ると和ガラスのような模様で素敵ですね。

壁には様々なポスター…を印刷したもの。昭和レトロ縛りかと思いきや、よく見るとそんなことは無かった。

コスプレ衣装の貸出も行っているのかな?ドンキで売られてそうなクオリティのものですが…。

木製の札に書かれているのは、動物の名前・体の部位・花の名前…?縦書きと横書きも混在してるし、発想が自由だなあ。

トイレまでの道中には「千回のアドバイスより一回の失敗」という格言が。『宇宙兄弟』に登場する台詞らしい。

2階

2階も見てみたいと思います。それにしても、築50年近い実家の階段より心許ないぞ。

2階は、縁側を思わせる少し低い座席が中心。窓から覗く緑が良いですね。

壁には「あなたが私のバレンタインになります」とのメッセージが。「You are my valentine」の直訳かな…?

どこから持ってきたのか謎な、レトロ家電の数々。こちらは老舗オーディオメーカー・aiwaのCDカセットプレーヤー。ちなみに現在は別の会社が「aiwa」のライセンスを取得し、格安スマホなんかを売ってるらしいっすよ。

こちらはJVC製のビデオCDプレーヤー(※DVDプレーヤーに非ず)。ビデオCDはVHSと次世代規格であるDVDとの間を埋める存在でしたが、画質の悪さからVHSの普及を崩すまでは至らず、そうこうしている間にDVDが登場した経緯があります。

ファミコン。よく見ると繁体字が書かれているので、台湾あたりから持ってきたのかも。

2階から外に出てみると、壁一面に壁画が。なになに…?

「雲のうしろには、太陽がいつも輝いる。」…あーっ、これも惜しい!

側面に「早期退職ソール」と書かれた、「高級な」自動販売機。売られているものは、鉄腕アトムにけん玉にキットカットに…。

なんというか、日本と日本語が滅びた遠い未来(もしくはパラレルワールド)で日本文化が断片的に発掘され、「なんかよく分からんけどお洒落じゃない!?」と流行ったとしたらこんな感じになるかもしれない。

「Lạc Concept」のメニュー

「Lạc Concept」のメニューはこちら。前述の通り、ドリンクの価格は入場料を兼ねている感じです。

Trà Đào(ピーチティー)」55,000ドン。まあ、ショバ代込みだなーというクオリティですが、作り込みがすごいカフェなので文句はありません。むしろ良心的。

まとめ&「Lạc Concept」の店舗情報

ホーチミン市5区のカフェ「Lạc Concept」をご紹介しました。

とにかくくらくらさせられっぱなしでしたが、それと同時に、こういう昭和レトロ的なものってベトナム人にも受けが良いんだな〜、と感心しました。ベトナム人は日本の何に憧れているのかを見出すことができれば、ベトナム人観光客誘致の参考になる…かもしれない?

そしてそれと同時に、ドイツ人が「東京ドイツ村」を訪れたり、スペイン人が「志摩スペイン村」を訪れたら、同じような感想を抱くのかどうかも気になったり。

最後に、この記事を読んでくれたあなたへ「ありがとうございます」&「愛しています」。

お店の名前 Lạc concept
住   所 120/25 Đ. Trần Bình Trọng, Phường 2, Quận 5, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 09:00 〜 22:00
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