カラオケが好きです。日本にいたときは、夜10時頃に突然思い立ってヒトカラに行ったりしていました。
ところで、私の働いている会社は日系なので、ベトナム人の同僚はほとんどが日本語話者であり、日本の音楽が好きなメンバーも多いです。
先日、ベトナム人の同僚から「好きな日本の男性歌手と男性グループのそれぞれTOP3、それと女性歌手と女性グループのそれぞれTOP5を述べよ」という超難問を脈絡なく投げかけられました。
長考しつつそれを捌いていると、「今度カラオケに行きませんか?」とのお誘いが。聞くと、カラオケ好きの有志を募って、時々カラオケに行っている模様。
ベトナムのカラオケといえば、民家の軒先でスピーカーから大音量で垂れ流しているイメージが強かったのですが、実は日本のようなファミリー向けのカラオケ店もいくつかあったりします。
(裏を返すと、ダメな大人のためのカラオケ店もあります)
街中にあるカラオケ店を見ると建物が煌びやかで、いつも「一度入ってみたいな~」と思っていたので、お誘いに乗ってみることにしました。
Phan Xích Longのカラオケ店へ
今回、連れて行ってもらったのは、「ICOOL」というチェーン店の、フーニャン (Phú Nhuận) 区・ファンシックロン (Phan Xích Long) 通りにある店舗。日本食をはじめとする多くのレストランが並ぶ、市内屈指のグルメ通りですね。
朝10時集合…ということで5分前に来たら案の定だれも来ていなかったので、事前に聞いた「パスワード」を店員に伝え、部屋が準備されるのを待ちます。
ちなみに、英語はほぼ通じないと思っておいた方がよさそうです。
部屋・設備
部屋が準備できたようで、「302号室へ行け」とGoogle翻訳越しに教えてもらいましたので、エレベーターに乗って向かいます。
個室に入ってみると…
おー、めっちゃ豪華…というより、成金趣味っぽい。
夜のお店感MAXですが、あくまでも女性の付かない健全なカラオケ店です。とはいえ、日本の都心部にあるような狭く質素なカラオケルームと比べると、間違いなく良い環境!
そうこうしているうちにメンバーが揃ってきたので、設備の使い方を教えてもらいます。
これが、いわゆるデンモク(DAM)やキョクNAVI(JOYSOUND)に相当する機械。ここから曲を予約します。
でも、ベトナム語の歌なんて歌えないしな…
大丈夫です。YouTubeから動画を検索して再生できます。
あー、なるほどね。YouTubeには有象無象のカラオケ動画が上がってるから、それを再生すれば…
…J〇SRACさんこちらです。
いや、あくまで合法的に上がっている(違反申し立ての無い)動画を個人利用目的で再生しているだけだからいいのか?うーん…
とりあえず、これで日本の曲が歌えることが分かりました。
ところで、曲を予約するための機械は固定されているので使い勝手が悪いし、何より日本語が入力できないので検索がしにくい。すると…
スマホをお店のWi-Fiに繋いで、このQRコードを読み込んでみてください。
モニターの右上に表示されているQRコードを読み込んでみると…
スマホから曲の検索・予約ができる画面が表示されました。音量の調整も可能。
YouTubeからの検索も可能なのですが、当然スマホのキーボードが使えるので、日本語で検索することができます。やったね!
YouTubeの再生はシステム側で割としっかり制御されているようで、途中で動画が止まったりすることも無ければ、広告が挟まるようなこともありませんでした。
歌っている間はライトがギラギラ光ります。カラオケ館かな?
ベトナム人のカラオケあるある3選
①みんな歌が上手い
いや、住宅街で聞こえてくる大音量のカラオケって大体下手くそだったから誤解してたのですが
みんなめちゃくちゃ歌上手い。
日本語の曲を全く淀みなく歌い上げます。
あと、選曲もね~、いちいちアラサーに刺さるんだ…
00年代から直近までのポップス・ロック・アイドル・アニソン・ボカロ… みんな日本の音楽シーンに詳しすぎる。
ちなみに、断トツで人気だったのはYOASOBIでした。
②歌う順番とかは無い
日本人同士でカラオケをしていると、なんとなく歌う順番が決まってくると思うのですが、ベトナム人のカラオケではそういうのは無く、歌いたい人が次々に曲を入れていきます。
予約できるのは最大20曲までなのですが、各々自由に入れるものだからすぐ枠がいっぱいになります。
また、日本のカラオケと同様、通常の予約と優先予約ができますが、みんな軽率に優先予約するため、黙っていると自分の曲がどんどん後ろに追いやられます。
そういうときはどうするか。
順番がなかなか回ってこないなら、自分の予約した曲を優先予約に変えてしまえばいいのです。
これをやっても怒る人はいないので大丈夫。
また、順番が回ってこない人がいることに気付いた人が、気を回して優先予約に変えてあげることも。
程よい自己主張と思いやりの共存。そんな心地のいいコミュニケーションが、そこにはありました。
③歌いたい曲のカラオケバージョンがYouTubeになく、悩む
ベトナム人の間で会話が盛り上がっていた場面があり、聞くと「このカラオケ動画は自分で作ったんです」とのこと。
確かに、歌いたい曲のカラオケ動画が必ずしもYouTubeにあるとは限りません。そんなときは、あらかじめ自作のカラオケ動画を作成・YouTubeにアップしておき、カラオケ店でそれを再生するのだそうで。
…なお、その動画が権利者削除されるまでがセットであるとのこと。いつかみんなを日本のカラオケに連れて行ってあげたい。
日本のカラオケが恋しい
10時から15時まで、総勢10人でカラオケを楽しみました。ちなみにベトナムも日本と同様、昼は料金が安く夜だと高いので、みんな昼間に行きたがります。
最後はYOASOBIの『夜に駆ける』を全員で合唱して〆。
私は日本のカラオケで、アーティストのMVやアニメ映像を見ながら歌ったり、採点で高得点を目指すのが好きだったので、少し満たされない部分もありました…が、
楽しかった…!
ベトナム人のみんなと同じ趣味で盛り上がれたことが嬉しかったのです。
幹事に会計がいくらだったかを聞いたら、「Nishiさんは初参加だからサービスです!」と言われ、奢られてしまいました。日本人・ベトナム人の区別無く接してくれる彼ら…、好きになっちゃうだろ!いい加減にしろ!(謎の逆ギレ)
…ここでヒトカラできないかなあと思ったのですが、以下の理由で難易度は高そうです。
- 英語がほぼ通じない(ベトナム人がいないと厳しい)
- 料金は一人あたりではなく、一部屋単位(少人数で行くと高い)
気軽に一人でカラオケ…っていうのは難しそう