かつては日本人駐在員や富裕層が訪れる高級品としての側面が強かった日本食。しかし今では、若者がちょっと良いカフェでコーヒーを飲むのと同等、あるいは少し背伸びをすれば手が届く「日常の選択肢」となって久しいかと思います(少なくとも都市部においては)。
…が、このお店の価格設定はさらに突き抜けているかも?
本記事では、ホーチミン市・フーニャン街区の日本食レストラン「Fuji Kitchen」をご紹介します。
「Fuji Kitchen」の場所・外観

フーニャン街区(旧フーニャン区)、チャンフーチャン (Trần Hữu Trang) 通り。お店へと続く道のりはベトナムらしい素朴な路地の中にあります。通りの入り口には、ホーチミン市庁舎を思わせるコロニアル建築のウォールアートが。


思わずふらふらと迷い込みたくなる、どこか懐かしくも異国情緒たっぷりの裏路地があちこちに。

そんな静かな路地の奥に、「Fuji Kitchen」は店舗を構えます。

白地に富士と日の丸をあしらった看板。椀に盛られたご飯のようでもあり、日本人はむしろ思いつかなさそうな斬新なデザイン。このセンス、羨ましい!

「和食」や「ラーメン」といった文字が躍る提灯が飾られ、小さな瓦屋根が添えられたその外観は、程よい「コテコテ」感でよい塩梅です。

11時半頃に訪れましたが、11時オープンにも関わらず店内は既に満員御礼。入り口のプラ椅子に座ってしばし待ちます。
「Fuji Kitchen」の内装・雰囲気

2階に通されました。大きなガラス張りのスライドドアからは自然光がたっぷりと差し込み、室内を隅々まで明るく照らす構造です。

なお、階段はめちゃくちゃ急でした。足元注意。

淡いクリーム色に落ち着いたグリーン、木の温もりを感じるテーブルや椅子…と、良い意味で日本食レストランっぽくないですね。

『NARUTO』をコラージュしたポスターや、ザ・日本な感じのタペストリーなど。このコテコテ感が愛おしい。
「Fuji Kitchen」のメニュー




「Fuji kitchen」のメニューはこちら。…いや、安いな!?
看板メニューの一つであるラーメンは、醤油や味噌といった定番から、黒マー油を効かせた「Kuro」シリーズ、さらには坦々麺まで10種類以上。多くが65,000〜75,000ドンと、非常にリーズナブル。
ご飯ものは、牛丼やカレーに加えて鰻丼も用意。
サイドメニューには、4種類のソースが選べる唐揚げに加えトッポギも。日本食レストランでトッポギ…?と訝しみましたが、この辺は若者の好みを反映している感じか。まあ、日本のエスニックレストランでも東南アジア料理は一緒くたにされることが多いし、誤差だよ誤差。


注文はモバイルオーダーで。「鰻丼Pro Max」ってなんだよ(困惑)。
実食

着丼。「Cơm cà ri bò(ビーフカレー)」65,000ドンです。や、安い…今のレートでも392円くらいなので、この価格でカレーを外食(それも海外で)できるのは破格。
あとは付け合わせとして、「Bắp cải trộn(コールスロー)」7,000ドン、「Canh Miso(味噌汁)」10,000ドン。キムチはサービスです。

カレーソースの中に具材が溶け込んでいるタイプではなく、ご飯の上に甘辛く味付けされた薄切りの牛肉が盛り付けられています。牛丼のアタマと共通かしらね?

肉は少し硬いけど、それでもさほど気にならない。それよりも肉の量がすごい!贅沢。

カレーソースはスプーンですくうとさらりとした質感。ルーのなかにはざらざらしたものがあり、よく見ると人参などの野菜が溶け込んでいましたよ。家庭的ながらも、ちょっとスパイシーさもあって美味しい。価格が価格なだけに「どうかな?」と思っていたのだけど、ご飯との相性もバツグンで、これは良い。

サイドのコールスローは…千切りキャベツにサウザンドアイランドドレッシングをぶっかけただけですね。コールスロー警察に摘発されたりしないのかしら(いるのか?)。

味噌汁は、出汁の味は感じられるものの、味噌は極薄でした。裏を返すと、ローカルの人にはこれくらい薄味の方が味噌汁は受け入れられるということなのかな。味噌ラーメンなんて食べたら、塩辛くて仕方ないのでは。
「Fuji Kitchen」の店舗情報

フーニャン街区の日本食レストラン「Fuji Kitchen」をご紹介しました。路地裏の隠れ家という特別なロケーションでありながら、リーズナブルに日本食を楽しめる、地元の人たちに愛されるお店なのだった。

このあたり、一見何の変哲も無い路地なのですが、よく見ると何だかお洒落なのですよね。カフェやゲストハウス、バーガーショップなんかがあったりして。散策してみると面白いかも。


