下戸でもバーを楽しみたい!をコンセプトにホーチミン市のルーフトップバーを訪れるシリーズです(※1年半ぶり)。
日が沈み、暑さが和らいだ夜風に当たりながらドリンクを楽しむのがホーチミン生活の醍醐味のひとつ。特に最近は乾季の訪れもあり、カラッとした風が気持ちいい。市内には数え切れないほどのルーフトップバーがありますが、「景色は最高だが値段が高い」「観光客向けで騒がしい」と感じることはありませんか?
ローカル価格で静かに夜景を楽しみたい…そんな在住者のわがままを叶えてくれる、サイゴン川沿いのルーフトップバー「Chạng Vạng Rooftop(チャンヴァンルーフトップ)」をご紹介します。
「Chạng Vạng Rooftop」へのアクセス

やって来たのは、旧旧2区、旧トゥードゥック市、現アンカイン (An Khánh) 街区(ややこしい)。お洒落なカフェや雑貨店がひしめくタオディエン地区からはがっつり離れた、ローカルな住宅街と開発エリアが入り混じる静かな場所に位置しています。

住所を頼りにGrabで向かうと、到着したのはサイゴン川沿いの少し奥まった通り(Đường Số 38)。あたりは街灯も少なく、夜になるとひっそり。写真では明るく撮れていますが(f/1.4の単焦点を持ち出しました)、実際は真っ暗です。

不安になりながら歩を進め、目に飛び込んできたものは…サイゴン川の漆黒の川面とは対照的に、対岸に煌めくビンホームズ・セントラルパークの近代的な高層ビル群とランドマーク81。あらン素敵。

中心部の夜景も楽しめます。先日開業したばかりのSaigon Marina IFCタワーもばっちり。

こちらのリバーサイドは若者たちの憩いの場であるようです。情熱的抱擁を交わしているカップルがいたことも見逃さなかった。ヤッてんでしょう…アンタ達…?(嫉妬)

暗がりの中に、ひと際明るくライトアップされた白いビルが見えてきます。ここが今回の目的地です。一見するとオフィスビルかアパートのような外観ですが、正面玄関にある堂々とした石像の階段を上がり、建物の中へと入ります。

エントランスホールにあるエレベーターに乗り込み、4階のボタンを押してくださいまし。ボタンの横に小さくお店のロゴステッカーが貼ってあるのが目印。
「Chạng Vạng Rooftop」の雰囲気

エレベーターを降りると、そこは無機質なビルの外観からは想像もつかない、温もりあふれる空間が広がっていたのだった。

このお店は2フロア構成。下のフロアのテーマは、木と石をふんだんに使ったラスティックなスタイル。荒削りな石を積み上げた壁面や、使い込まれたような風合いの木の床が、ヨーロッパの古い建物をリノベーションしたような、落ち着いたヴィンテージ感を醸し出しています。

川側に設けられた巨大な石造りのアーチ。壁一面に設けられたこのアーチ型の窓が、まるで絵画の額縁のよう。
石造りの重厚なフレーム越しに見る夜景は一層ドラマチックで、まるで映画のワンシーンに入り込んだような気分にさせてくれること間違いナシ。

天井にはアンティーク調のシャンデリアが優しく灯り、ネオンサインや観葉植物が空間に彩りを添えています。深緑色のクッションが効いたハイチェアに深く腰掛け、この額縁越しの夜景を眺めながら静かにグラスを傾けえる、まさにオトナの時間…!

お次は屋上エリア。フロアをつなぐのは、両脇にブーゲンビリアや植物が生い茂る石階段。足元のライトアップが植物を幻想的に照らし出し、まるで緑のトンネルをくぐり抜けるようなロマンチックな作りなんですのよ。

頭上には屋根も壁も一切ない、360度見渡せる完全なオープンエア空間。川からの夜風がダイレクトに吹き抜け、夜を心地よい涼しさへと変えてくれます。目の前には遮るものが何もなく、サイゴン川の対岸に広がる中心部のスカイラインや、水面に映る揺らめく街の灯りが、パノラマで迫ってきます。

屋上の席は、シンプルな木製テーブルや鉄製のチェアが並べられ、どこか野外キャンプやナイトマーケットを思わせる、開放的で賑やかな雰囲気。

特に川沿いのカウンター席は特等席で、カップルが肩を並べて語り合う姿が多く見られます。嫉妬(2回目)。
「Chạng Vạng Rooftop」のメニュー一例

注文はQRコードからモバイルオーダーで行います。




「Chill Chill Cocktails」と名付けられたカクテルシリーズは、ジンやウォッカをベースにしたフルーティーなものが中心で、種類も豊富。価格も99,000ドンからとお手頃。
下戸的に注目したいのがノンアルコールメニュー。フルーツティーやコールドブリューティーが69,000ドンから用意されており、カフェとしての利用も十分に可能。
フードメニューも、ベトナムのローカルおつまみ「魚の皮の塩卵風味揚げ(Da cá trứng muối)」や「揚げ春巻き」、定番の「フライドポテト」などが45,000〜80,000ドン程度と、非常に良心的。屋台のような気軽さで注文できるのが本当に嬉しいポイント。まあ、品切れのものも多かったけど。

ということで例によってノンアルコールドリンクを…といきたいところですが、今回は戯れにカクテルを。スタッフに甘く度数が低いものを確認し、おすすめされたシグネチャーカクテル「Kiss Me(99,000ドン)」をオーダーしてみました。
鮮やかなピンク色が美しい一杯。グラスの縁にはハート型にカットされたイチゴが可愛らしく添えられており、無骨な夜景とのコントラストがとても写真映えします。
一口飲んでみると、その名の通り、甘酸っぱくて優しい口当たり。ジンをベースに、アップルジュースとストロベリージャムが使われているのが特徴。アルコール感は控えめで、まるでお洒落なフルーツジュースやデザートを味わっているような感覚。
…まあ、1杯でガッツリ酔ったのですが。
「Chạng Vạng Rooftop」の店舗情報

夜景、お洒落な内装、リーズナブルな価格。Chạng Vạng Rooftopは、それら全てを兼ね備えた貴重な存在です。
惜しむらくは絶妙なアクセスの悪さですかね…。対岸からは近いと思わせといて、実際はかなりの回り道が必要になります。まあでも、それがまた隠れ家感があって良いのかな。少し川を渡って静かな場所から、輝く街を客観的に眺める時間は、また違った感動を与えてくれます。
それでは例によって、最後に下戸的評価をして終わりにしたいと思います。
雰囲気:★★★★☆
「隠れ家のような静かな立地」と「目の前に広がる大迫力の夜景」のギャップが良し。会話を邪魔するような爆音BGMも無く、落ち着いて過ごせるのも高評価ポイント。
ノンアルコールメニューの充実度:★★★★☆
「とりあえずのコーラ」ではなく、カフェ顔負けのラインナップ。お酒を飲んでいる友人と同じテンションで、見た目も華やかなドリンクを楽しめますハズ。度数低めのお酒もいくつか。
フードメニューの充実度:★★★☆☆
バーとしては十分。スナック以外にもお腹に溜まるメニューがあり、少なくとも小腹は満たせるかと。


