「タイの東大」とも称されるチュラロンコン大学の西側に位置する、バンタットン (Banthat Thong) 通り。サパーンルアンジャンクションとペットプララムジャンクションを結ぶ2.2キロのこの通りは、以前は自動車のパーツショップが立ち並ぶ静かな通りでした。
その一方で、大学の近くということもあり、通りにはジャンルを問わず安価で美味しい飲食店が沢山並んでいます。結果として、近年はその活気あるグルメシーンが注目を集めるように!
また、英・Time Out誌によって「2024年・世界で最もクールな通り」の14位にも選ばれたということで(どのくらい凄いのかよく分からないけども)、地元のバンコクっ子ならず、外国人観光客をも惹きつけています。
そんなバンタットン通りに繰り出して、夕食を「ข้าวต้มเมืองเอก by นายพุธ (Khao Tom Muang Ek by Nay Phut)」で、食後のデザートを「ถิงถิง (Ting Ting)」で食べてきましたよ。
バンタットン通りの様子・アクセス方法

というわけでバンタットン通りまでやって来ました。
今回は友人氏に車で連れて行ってもらうという超イージーモードだったのですが、公共交通機関で訪れる場合、MRTフアランポーン駅かBTSナショナルスタジアム駅が最寄りになるのかな。前者の場合、通りの南側、後者の場合は通りの北側に、それぞれアクセスできます。
通りの入口付近に駐車場があるのですが、かなり混み合っていたのでタイの皆さんは車でお越しになっているのかしらね。ベトナムにおけるバイク=タイにおける車、ってくらいモータリゼーション社会です。

で、先述の通り、約2キロの通りの間に飲食店が沢山!タイ料理、中華、和食、デザート、その他ストリートフード…何でもありです。

また、メイン通りのみならず、通りから外れた小路(ソイ、ってやつ?)にも飲食店がずらり。これは、何回来ても飽きることは無さそう。


友人氏はこの店でマッマとイモウットへのお土産を買っていました。生牡蠣だから早く持って帰らないと傷んでしまうよ…。
あと、現地のスーパー(Lotus’sだったかな)が外国人観光客向けのプロモーションとして、パスポートを提示したらお菓子詰め合わせプレゼント、というのをやっていました。で、その際「ニーハオ」「アンニョンハセヨ」は言っていたけど「こんにちは」は無かった…!日本人、もっとここを訪れて存在感を示すべし。
オールジャンルタイ料理「ข้าวต้มเมืองเอก by นายพุธ」

夕食はこちらの「ข้าวต้มเมืองเอก by นายพุธ (Khao Tom Muang Ek by Nay Phut)」でいただきます。友人氏が「家の近くにもこの店あるんだけど」と言っていましたがスルー。チェーン店…という程では無いものの、バンコク内で数店舗展開しているようです。

雰囲気は「清潔感のあるローカル食堂」といった感じ?記事で取り上げるつもりは無かったのでメニューの写真は無いのだけど、一通りのタイ料理がお手頃価格で揃っている感じ。高級食材を使っているとかでなければ大体のメニューが120〜170バーツくらいです。

タイのピリ辛春雨サラダ、ヤムウンセン。出来立てはほんのり温かいです。海老、イカ、貝などが贅沢に入っている…のはいいのですが、「辛くしないで」と伝えたにも関わらず辛い!緑の唐辛子の欠片を噛んで地獄を見ました。ほんと、「辛くない」の感覚が全く違うな…。

牡蠣のあんかけオムレツ、オースワン。台湾とかにも似た料理がありますが、タイ料理にしては珍しくただただ優しい味。牡蠣を沢山食べられるのも嬉しいし、出汁の効いた餡が牡蠣・卵・もやしをぎゅっとまとめ上げて絶妙な味わい。味変したくなったら別添えのケチャップで酸味と塩気を足すのだ!

食用花・ドークカチョーン(夜来香)の卵炒め。これ、ベトナムでも食べたことがある気がするのだけど、こんな名前だったのか…。
卵のマイルドさに、仄かな苦み(といっても癖は殆ど無い)がよくマッチします。和食にも使えそうな食材ですね。

友人チョイスの海老寄せフライ。一口だけ貰った。粗く刻んだ海老がゴロゴロ入っていましたよ。
「ข้าวต้มเมืองเอก by นายพุธ」の店舗情報
ハードル高め!?タイ×中華スイーツ「ถิงถิง (Ting Ting)」

ヤムウンセンの辛さに口内を蹂躙されたため、こちらの「ถิงถิง (Ting Ting)」でデザートを食べたいと思いますよ。

メニューを見たところ、タイと中華を掛け合わせたようなスイーツ…という感じ。

笑顔が素敵なみんなの写真。

お茶は無料です。素晴らしい。

で、入ったはいいものの、注文までの難易度が高すぎました。友人氏が居なければ「ワァ」「ワッ…」とちいかわ状態になっていたこと請け合いです。と、いうことで以下に攻略法を記します。

店内に入ったらまずは席に着きましょう。卓上に注文票があるので、そちらを記入して注文します。
しかし、注文票の記載はタイ語オンリー。これ見よがしにキョロキョロして、店員さんにメニューを出してもらいましょう。メニューもタイ語のみですが、写真があります。




メニューはこんな感じ。他に軽食メニューもありましたがここでは割愛。
かき氷(ピンス)や豆花、仙草ゼリーのほか、「ブアローイ」と呼ばれるカラフルなお団子を使ったスイーツを扱います。メニューのタイ文字とにらめっこして注文票の内容とを同定しつつ、数量を記入しましょう。

ちなみに、ブアローイがトッピングされているメニューについては、5種類あるフレーバーの中から好きなものを選択することになります。内容は左から、黒ごま・あずき・カスタード・銀杏・チョコレート。銀杏をデザートに使うの、不思議な感覚だ。
注文票が書けたら店員さんに渡します。お会計は退店のときに。

注文した「บิงซูถิงถิง (Bingsu Ting Ting)」がやって来ました。お値段75バーツ。

友人の注文した「บัวลอยนมสด (Bua Loi Milk)」68バーツ。別添のおかきはミルクに浸して一緒に食べるそうです。

メニュー写真を再現したかったので、かき氷にブアローイを乗せてみた。ではいただきます…

うーん、めっちゃ生姜!シロップの中に生姜が香る…とかなら良かったのですが、ガチで生姜です。

徐々に口内で感じる辛さが増し、喉もひりついてきて痛みを覚えます。
あと、辛いものを摂取しすぎるとだんだん苦みを感じ始めますよね…とここまで書いたあとに調べてみたところ、「辛いものを苦く感じるのは亜鉛不足による味覚障害」とありました。見なかったことにしよう…。

仙草ゼリー、あえて表現するなら「ふるふる」といった感じの柔らかいものしか今まで食べて来なかったのですが、これは「ぶりゅんぶりゅん」みたいな食感ですごく噛み応えがある。これはこれで好き。


ブアローイの優しい甘さが清涼剤。白玉団子に餡が入っているのだから、美味しくないわけが無いよね。味は、黒ごまとカスタードをチョイスしたわ?

何やかんやで完食。少し風邪気味だったのですが、喉には良かったのかもしれない。むしろここまで辛い(つらい/からい)思いをしたのだから効いてくれ!
「ถิงถิง (Ting Ting)」の店舗情報
【2025年3月追記】旧正月に沸き上がるバンタットン

2025年1月、旧正月休暇に合わせて、バンタットン通りを再訪しました。このときは金曜に訪れたのですが、相変わらずの混雑ぶり…というか、前回よりも明らかに人が増えている感。時間にして18時前だったのですが、既に行列ができているお店も。

一際混み合っている路地を発見。なんだなんだ?

旧正月のお祝いパフォーマンスが行われていました。中国人観光客の姿も目立ったし、良い宣伝になるのではなかろうか。

気になったたこ焼き屋の看板「すげおいしいです」。フランクな口調だな…。
プレミアムなすき焼き&焼肉丼「Kemuri」

何にせよ夕食。今回は予め店の目星を付けておいたので、そちらに向かいます。まず訪れたのは、すき焼き・焼肉丼専門店「Kemuri」。
カウンターのみの小さな店舗であり、提供するメニューは「プレミアム」を謳う高価格なもの。それでも多くの人が行列を成し、私が入店したタイミングも待ちが発生していました(一人だったのですぐ入れた)。




「Kemuri」のメニューはこちら。お店おすすめのメニューは590バーツのもの、最高額のメニューに至っては990バーツと、クオリティ・価格共にまさにプレミアム。すき焼きはともかく(?)、約4,500円の焼肉丼か…。

「プレミアムすき焼き」369バーツを注文。すき焼き鍋・牛肉・生卵・白ご飯・味噌汁・キャベツサラダ、そして何故か福神漬けがセットとなっています。ベトナムでも生食可の卵が出回っており、日本食レストランによっては生卵を出してくれるなど、卵の生食に対する抵抗は徐々に減ってきているのかなという感じですが、タイも同様なのかな。

牛肉は薄くカットされた一口サイズのもの。色鮮やかでサシも入っており、質の良いお肉に見えます。
なお、横の席を見ると、みんな590バーツのすき焼きやら焼肉丼やらを注文している。タイの人たち、金持ってんな…。

味はもう、文句のつけようが無い、お手本のようにベーシックな関東風すき焼き。出汁香るほんのり甘い割り下が、身体にすっと染み渡るようです。

…ホントはもっと肉を喰らいたかったですが、そのためには金を積め、ということですね。

食べ終わり店を出ると…とどまることを知らない人気ぶり。良いタイミングで店に入ったものだな…。
「Kemuri」の店舗情報
罪の塊!魅惑的な中華スイーツ「Tuay Tung」

さて、せっかくなので、この流れでデザートをいただきたいところ。こちらの「Tuay Tung」というお店の前にあったメニューをぱらぱらと眺めていたところ、店員さんが声を掛けてくれたのでそのまま入店することに。おひとりさまにも優しいお店は推せます。

内装からも分かる通り、中華スタイルのデザート専門店です。エイジング加工をしたような白い壁に暗褐色のテーブル、漢字のネオンライトが香港レトロっぽさを演出していて良い。

なお、アングルによってはそんなに映えません。まあ、それが肩肘を張らない感じで良いですよね(無理やりフォロー)。

メニュー一例はこちら。外国語メニューを出してくれました(英語・簡体字)。お店の売りであるシグネチャーメニューは、自家製アイスクリームと揚げ饅頭 / 蒸し饅頭 / パンを組み合わせたスイーツ。

パフェ。台湾の台北101や、ロンドンのソーホー地区からインスピレーションを得たメニュー…とのこと。


豆花(トウファ)に愛玉子(オーギョーチ)。豆腐のスイーツは、まあベトナムにもあるけど、愛玉子は久しく食べてないな!

「Iced Calamansi Tea」75バーツ。注文後、「いや、普段からベトナムでTrà tác(チャータック)飲んどるがな!」と我に返りました。お味は、甘すぎずちょうどよい塩梅。

では、贅の限りを尽くします。

「Aiyu Yuzu Jelly」119バーツ。日本人にもお馴染み愛玉子(オーギョーチ)ですね。台湾発祥の、植物由来のぷるぷるデザート。

つるんとした食感と弾力性、これだよこれ。愛玉子自体に甘さは無く、シロップに微かな甘さがあるような感じ。飲み干せるくらいに程よい甘さです。暑い中歩き疲れた身体を癒してくれますね。

「Fried Bun with Lava Bubble」119バーツ。タイティーアイスクリーム+揚げ饅頭+タピオカというギルティの塊のようなデザートです。誰だ、こんな悪魔的な組み合わせを考えたのは!まあ、油と砂糖の組み合わせは最強だから仕方が無い。メニュー曰く、こちらが「Best Seller」であるとのこと。

揚げ饅頭、というよりはクッキーのようなカリッとした食感です。

噛みしめると口内にじゅわっと油が広がり、脳天を直撃するかのような刺激に襲われ、思考に靄がかかります。ちょっと、こんなの、何かしらの罪に問われちゃうでしょ(大混乱)。
こんなことを言っても何の説得力も無い見た目をしていますが、甘さ自体は存外控えめなんです。そう、この見た目だけども。

いやー、完食してしまった。帰国後の体重測定が大変恐ろしいです。

店を出ると行列が出来ていました。先ほどの「Kemuri」も、入店はスムーズだったのに退店する頃には大混雑していたから、これはもう私が客を呼び寄せていると言っても過言では無いですね(過言です)。
「Tuay Tung」の店舗情報
まとめ
バンコクの新たなグルメ通り・バンタットン通りと、私が訪れたお店をご紹介しました。
活気に満ちた美食通りであり、特に人気店は週末になると行列が出来ることもままあるようです。約2キロの通りを歩き倒し、ぜひ「これは!」というお気に入りのレストランを見つけてください。