ベトナム南部・中部で広く食べられる粉物料理「バインセオ (Bánh xèo)」。日本では「ベトナム風お好み焼き」と呼ばれることもありますが、個人的には「ベトナム風クレープ」と言った方が適切かなと思います。

バインセオは地域ごとに特色がありますが、半円形に折りたたまれた薄くてパリパリの生地の中に、豚肉、エビ、もやしなどの具がたっぷりと入っているのが南部流。ちょうど、上の写真のような感じです。

一方、南中部地方に位置するビントゥアン省の省都・クイニョン式のバインセオは、生地を折りたたまず、手のひらサイズで小さく丸い形をしているのが特徴。各地方から人が集まるホーチミン市であれば、クイニョンスタイルのバインセオだって楽しむことができます。
本記事では、ホーチミン市直轄市であるトゥードゥック市(旧トゥードゥック区)に位置するバインセオ専門店「Bánh xèo tôm nhảy Ba Trọng」をご紹介します。
「Bánh xèo tôm nhảy Ba Trọng」の場所

やって来たのは、トゥードゥック市の旧トゥードゥック区エリア、ダンヴァンビ (Đặng Văn Bi) 通りです。この近隣は学校が多く、賑わっているエリアではありますが、ぶっちゃけ外国人的には何の用事も無い場所。
バイクはお持ちの方はバイクで、そうでない方はホーチミンメトロ1号線・トゥードゥック駅までアクセスし、そこからGrab等で移動ください(駅からここまでバイクで5分ほど)。

「Bánh xèo tôm nhảy Ba Trọng」はコチラ。ザ・ローカル食堂といった感じの、趣ある雰囲気です。クイニョン出身の友人がバイクで連れてきてくれました。

そしてこちらのお店、Googleマップのレビュー件数は100件超え。ベトナムにおいて、観光客が集まらないエリアのローカルレストランで、これほどまでのレビューが見られるというのは人気店の証拠です。
「Bánh xèo tôm nhảy Ba Trọng」のメニュー

「Bánh xèo tôm nhảy Ba Trọng」のメニューはこちら。トッピングは牛肉・海老・卵の3種類です。
ホーチミン市をはじめとする南部で食べられるバインセオとは異なり、一つ一つのサイズが小さめということもあって、価格はかなりお安い。まあ、そもそも中心地から離れた郊外価格ということもあるけど。

専用の丸い鉄板でバインセオを焼く様子。流れるような手際の良さに見惚れますが、よく見るとすごい量の油が使われています。あまり知りたくない現実だな…。油を塗る、というより注いでいる感じ。


丸い鉄板に生地を流し、具材を乗せ、追い油をかけ蓋をして揚げ蒸し焼きにします。そういえば、ニントゥアン省のファンランで食べたローカルフード「Bánh căn(バインカン)」も同じような作り方でした。南中部の人は蒸し焼きが好きなのだろうか。

南部で見られるバインセオは、ターメリックを混ぜ込んだ黄色い生地が多いですが、こちらのお店のものは白い生地。


たっぷりの野菜(レタス・きゅうり・マンゴー・かいわれ・etc)と、ヌクチャム(つけダレ)。
実食。ついつい口に放り込みたくなる絶妙なサイズ感


第一弾が来ました。ねえ見て、この贅沢な量の海老。そして傍らでは際限無くバインセオが焼き続けられている。


ライスペーパーに巻いて食べます。ライスペーパーを水で濡らすことに特化した、ベトナムならではの創意工夫溢れる容器。


友人の巻き方を観察。適度な量の野菜とバインセオを手際よく巻いていきます。1枚のバインセオが4等分されて提供されるので、複数人でもシェアしやすい。
んで、私もやってみたのですが、つい野菜を入れすぎて上手く巻けない。手巻き寿司なんかも巻くのが下手くそなんです、アタイ…。

見かねた友人が巻いてくれました。以後、私は巻かれたバインセオをただ食べるマシーンと化します。
蓋をして揚げ蒸し焼きにしたからこその、裏面カリッ、表面モチッ、な食感。こんがりとクリスピーな生地からは香ばしいアロマが漂い、堪らない。海老は殻付きですがそれも厭わずバリバリといただきます。

追いバインセオが来た。ちょっと注文しすぎでないかい…?すっかり満腹です。
1人あたり2枚も注文すれば十分な量かと思われます。ライスペーパー・野菜もあるし、思ってる以上にお腹いっぱいになるよ!これだけ注文しても、お会計は2人で20万ドン以下でした。


食後は、これまた、地元で人気だというチェー屋さんへ。

メニューを見て驚愕。やっっっっす…。まだまだ郊外の物価は安いですね。