突然ですが、「ベトナム=アイスクリームが美味しい国」という印象ってありますか?私はありませんでした(バッサリ)。
いや、ベトナムのアイスクリームが不味いというわけではなく、乳製品自体のイメージがパッとしない、と言うべきか(※個人の感想です)。そもそも乳製品全般の値段、日本よりも高いですし。実際、スーパーやコンビニで店売りされているアイスクリームの半分くらいは輸入品なんじゃないかな。
その一方、ベトナム発の美味しいアイスクリームを作ろう!という情熱を持った人々も居るわけで。私の暮らすホーチミン市内に目をやると、自家製ジェラート・アイスクリームの専門店がいくつか見つかります。
本記事では、ホーチミン市・ビンタイン区にあるジェラート専門店「Nhím Sầu Riêng」をご紹介します。
「Nhím Sầu Riêng」の場所

やって来たのは、3区から1区を経て旧2区方面へと至る市内の大動脈・ディエンビエンフー (Điện Biên Phủ) 通りの、ビンタイン区側終着点の辺り。ちょうど、オフィスやレジデンスを備える大型商業ビル「Pearl Plaza」の向かいですね。

早速ですが、今回紹介したいジェラート専門店「Nhím Sầu Riêng」の外観はこちら。お店のオープン自体は2024年2月ですが、同年7月に現在の場所に移転したとのことで、新しくキレイなお店です。
ちなみに、「ジェラート」と「アイスクリーム」は乳脂肪分の含有量によって明確に区別されていると思います。日本の規格に照らし合わせると、ジェラートは「アイスミルク」に属しますね。
ただ、ベトナムではアイスに限らずクリーム的なものは全て「Kem」と表現されます。とは言え、ジェラートに関しては「Gelato」や「Kem Ý(=イタリア風アイスクリーム)」と表記されることも多く、乳脂肪分少なめのアイスクリームを「ジェラート」と見なしているのかな、という感じ。
こちらのお店のアイスクリームも「Gelato」や「Kem Ý」を謳っているので、ここでは「ジェラート専門店」としてご紹介します。
「Nhím Sầu Riêng」の雰囲気

「Nhím Sầu Riêng」の店内。白を基調とした一見スタイリッシュな内装ですが、よく見るとクリームがどろっと溶け出したような意匠がありステキ。妖精さんの住処かな!?
小さな店舗ですが、座席もいくつかあります。夜に訪れましたが、そこまで混み合っている感じでは無かったかな。外に折りたたみの椅子・テーブルも用意されているので、ベトナムらしく路上でアイスをいただくこともできます。

お店のマスコットキャラクターにも要注目!店名の「Nhím」は「ハリネズミ」、「Sầu Riêng」は「ドリアン」ということで、ドリアンとハリネズミを掛け合わせたキャラクターなのです。か、かわいい〜(笑顔)。

ドリアンハリネズミくんのフィギュアも飾られています。色が付くと、まんまドリアンカラーですね。
「Nhím Sầu Riêng」のメニュー

「Nhím Sầu Riêng」のメニューはこちら。
ジェラート単品は、シングル・ダブル・クアドラプル(って言い方するのか?)から選択可能。また、ワッフルのジェラート乗せ、さらにはパフェまであります。
また、飲み物も扱うのでカフェ的に利用することも可能です。ドリンクにジェラートを乗せた所謂アイスフロートもあり、めちゃくちゃ良いな…。


選択できるジェラートはこちらの12種類。英語メニューも用意されていました。英語をお話しになる店員さんも居るので、コミュニケーションは安心です。

ジェラートは全て自家製であり、低糖・低脂肪、そして「100%ナチュラルアイスクリーム」を謳います。ベトナムにおける健康志向の高まりがここにも反映されているとは。ジェラートに使われる果物も勿論フレッシュフルーツ。
あと、ジェラート類は持ち帰りも可能です(保冷剤も用意してくれるようです)。ShopeefoodやGrabfoodでのデリバリーもできるそうですが、せっかくならお店で冷たいうちにいただきたいところ。
なお、時間帯によっては品切れのジェラートもあり。このときは、抹茶とストロベリーが売り切れだったかな…。


また、ジェラートのテイスティングもさせてくれます。お店のオススメは「Sầu riêng(ドリアン)」と「Mãng cầu(サワーソップ / バンレイシ)」の2つであるとのこと。
実食。低糖・低脂肪であっさりとした味わい

私が注文したのは、「Parfait 2 Viên」100,000ドン。ジェラート2スクープ盛りのパフェです。…想像していたパフェとは若干違ったけど、キニシナイ。
チョイスしたジェラートは「Mãng cầu(サワーソップ)」と「Vani(バニラ)」の2つ。あれ、ドリアンは?とお思いの方、すみません、ドリアンは苦手なんす…。同じく匂いにクセがあると言われがちなジャックフルーツは大丈夫なのですが。
ジェラート以外のトッピングは、お店のインスタアカウントによると以下のようです。
自家製ゼリー、無糖マシュマロ、砕きオレオ、グラノーラ、クッキー

1つ目のジェラートはサワーソップフレーバー。一口含むと、その特有の爽やかな酸味が口いっぱいに広がります。
乳脂肪分はほとんど無い、さっぱりとした口当たり。ジェラートと言うよりもソルベのような仕上がりです。加糖による不自然な甘さもなく、凍らせたフルーツを食べているかのような味わい。
…ただ、サワーソップの爽やかな味わいとチョコソースの濃厚な甘さが合っていない。チョコソースはバニラジェラートの方にかけてほしかったな、なんて…。不満はそれくらいかな。

もうひとつはバニラジェラート。バニラの風味はしっかり感じられつつも、ジェラートならではの軽やかな口当たりが絶妙。しつこくない美味しさです。あえて言うとしたら、ロッテの「爽」に近い感じ。あそこまでシャリシャリはしていないけど。
こちらも過度な甘さは無く、まさにお店が謳っている通りの、低糖&低脂肪なアイスクリームでした。


トッピングも全体的に甘さ控えめ。自家製ゼリーに至っては、味がほぼ無かったような…。あと、無糖のマシュマロなんてものが存在するんだね。
再訪。抹茶&ストロベリーを試す

間髪入れずに再訪。奇しくも前回と同じ席に着きました(※自分の意思です)。

この日はジェラートのフレーバーに品切れは無し。どれを選ぶべきか。

今回はシンプルにジェラートだけを注文。「Kem Ý 2 viên」70,000ドンです。選んだのは「Matcha(抹茶)」と「Dâu tây(ストロベリー)」。

カップに貼られたシールがかわいいねえ(おじさん調)。この子の設定やプロフィールは無いのだろうか。名前とか、出身地とか、好きなものとか。

まずは抹茶フレーバーから。スプーンで掬ってびっくり、トルコアイスのようなねっとり感がありました。口に含んでも感じる、ずっしりと重い、しかしなめらかなテクスチャー。これは空気含有量が少ないことにより実現されるものだそうで、ソフトクリームともアイスクリームとも違う不思議な食感。乳脂肪分は少ないので、後に残る感じはあまりありません。
味は例によって甘さ控え目であり、「抹茶風味」ではない、抹茶特有のほろ苦さも感じられる本格的な味わいでした。

こちらはストロベリーフレーバー。生のいちごがふんだんに使われており、甘酸っぱさが口いっぱいに広がります(こいついつも口いっぱいに広がってんな)。
サワーソップ同様、ソルベのようなシャクシャクした口当たりが心地良い。個人的には、甘さはもっと控え目でも良いかな。
なお、お店のインスタによると、フルーツ系のジェラートは酸っぱい順に「パッションフルーツ→サワーソップ→レモン→ストロベリー」だそうです。酸っぱいもの好きの方はパッションフルーツ味に挑戦だ!

抹茶味とストロベリー味を一緒に食べたところ、抹茶の苦味とストロベリーの酸味が互いを相殺し、「無」となりました。「抹茶×いちご」のスイーツって結構あるから、相性が良いと思っていたのに…!別々に食べることを推奨します。
「Nhím Sầu Riêng」の店舗情報

ホーチミン市・ビンタイン区のジェラート専門店「Nhím Sầu Riêng」をご紹介しました。甘さ控えめ・乳脂肪分控えめのあっさりとしたジェラートと、可愛いマスコットキャラクターをお楽しみください。