ベトナム東南部、バリア=ブンタウ省にある町・ロンハイ (Long Hải) 。
省都であるバリア市から約15kmの場所に位置し、南シナ海に面するこの町には長く続くロンハイビーチがあり、多くの観光客が訪れるリゾート地でもあります。
今から一年前、ロンハイビーチ沿いのホテル「Fleur de Lys Resort & Spa Long Hai(フロール・ド・リス・リゾートアンドスパ・ロンハイ)」に宿泊しました。
非常に良い滞在だったのですが、そこへ辿り着くまでに紆余曲折あったため備忘として残しておきたいと思います。
リムジンバスでロンハイへ向かう
ホーチミン市からロンハイへの移動に使ったのは、ブンタウ旅行でも(個人的に)おなじみ「Vie Limo」のリムジンバス。1区のバスオフィスから乗車します。
当時、リムジンバスに乗るのが初めてだったんですよね。「ho chi minh long hai bus」などと検索して表示されたベトナム語のサイトと格闘して何とか予約できたのですが、普段使用しているMoMoや銀行のアプリから簡単にバス予約が可能(当然英語で)と知ったのはそのしばらく後でした。
バスは降車場所を指定できます。直接ホテルへ向かってもらっても良かったのですが、あまり早く着いたところでチェックインもできないし、ホテルの周りには何もない辺鄙なところであるため、とりあえず中心部と思わしきロンハイ市場 (Chợ Long Hải) で降車することに。
ロンハイ市場を探索。肝の据わった少女との交流
ロンハイ市場 (Chợ Long Hải) は屋内市場と巨大な場外市場から成ります。
軽く昼食を取りたいのだが、食堂は無いのだろうか…?
ひとまず水分補給をしようとサトウキビジュースを飲んでいたときのこと。
「Hello!」
とつぜん、10代くらいの女の子に話しかけられました。
話を聞くと彼女は高校生で、この日はお母さんと一緒に市場へ買い物に来たとのこと。外国人を直接見たのが初めてとのことで、話してみたくなったそうな。肝据わりすぎとちゃう…?
英語は学校で習ったくらいであんまり…とのことなので、適宜Google先生の助けも借りつつお話しました。それにしても、「外国人や!話しかけたろ!」ってなる辺り度胸あるなあ。ちなみに、知っている日本人は?と聞いたところ、「ベトナムくん」とのこと。
「YU Sugar」で一息。まさかの日本語話者と出会う
まだ時間があったので、こちらのミルクティー屋で時間を潰します。
ホーチミンでは見ない店ですが、どうやらチェーン店の模様。ミルクティー屋といえば持ち帰り・デリバリー中心の業態ですが、こちらは内装がしっかりしておりカフェ利用もできます。
何を注文しようかなーと迷っていると、
「日本人ですか?」
…おっ?
「これは、ベトナム人に人気です。」
なんと、店員の男の子に日本語で話しかけられました。え?なんで?なんで?なんで?(混乱)
理解が追いつかないまま、勧められるがままに注文。
Royal Violet 32,000ドン。一言で言えばタロイモラテですかね。黒糖タピオカがどっさりと入った満足感のあるドリンクであり、それでいてこの低価格はやはり郊外だなあ。
冷静になった頭で少し考えたのですが、おそらくさっきの店員さんは元実習生とかなのでしょうかね。彼の場合、都会に行けばもっと適した仕事があるように思えてならないのだが(日系企業とか)…って余計なお世話だな。
ロンハイはGrabサービス対象外地域。路頭に迷いかける
エアコンの効いた店内で涼んで充分に時間も潰せたし、そろそろホテルにチェックインしようかな。
外へ出て、Grabを開きホテル名を打ち込んで、Bookボタンを押下。
…あれ、反応が無い。
いや、反応が無いことはないのですが、ドライバーとのマッチングを待っているときの、あの(どの?)ぐるぐるする画面から先に進まないのです。
脳裏を過る一抹の不安。もしかして、ロンハイってGrabのサービス対象地域外なのでは…!?
…いやそんなはずは。だってベトナム版Grabのサービス地域一覧にVung Tauって書いてあるし。あ、でもVung Tau Cityだけの可能性もあるか。。
スマホと格闘していると、見兼ねたのか先程の日本語を話す店員さんが話しかけてくれました。
「どうしましたか?」
あー、えっとー、タクシーを呼びたくて…
「ロンハイにタクシーはありません」
えっ、マヂですか。まあでも郊外だし、みんな自分のバイクで移動するよね…
「どこに行きたいですか?」
ここのFleur de Lysっていうホテルに行きたいんですけど…。しばし、逡巡するような表情を浮かべる店員さん。
「2時まで待ってください。僕のバイクで行きます」
…うん?それは「僕のバイクで送っていきます」ということかい?いやいやいや!そこまでお世話になるわけにはいかないでしょう。
ふと、ロンハイ市場の前で、昔ながらのセオム(バイクタクシー)のおじさんに声を掛けられたことを思い出しました。さっきはスルーしたけど、あれなら…
あ、大丈夫です!セオムで行きます!
と、いうわけでロンハイ市場まで戻り、おじさんと交渉。
えむ、むおん、でぃー、だいー…(Googleマップを指さしつつ)
提示された金額は5万ドン。たけー、と思いましたが思いっきり吹っ掛けられている感じでもないので、言い値で受け容れることに。
たぶん、ミルクティー屋の男の子は完全なる優しさから申し出をしてくれたと思うし、こちらから対価を渡そうとしても受け取ることはしなかったと思うのです。でもなー、外国人というだけでぬくぬくと生活している身分で、地元の人々の優しさに付け入るなんて出来ないよ!
ホテル「Fleur de Lys Resort & Spa Long Hai」宿泊記
ようやく本日の宿「Fleur de Lys Resort & Spa Long Hai」へと到着しました。
「Fleur de Lys Resort & Spa Long Hai」はバンガロータイプの客室を75部屋、ヴィラタイプの客室を5部屋備える4つ星リゾートホテル。
ホテルの敷地には自然が溢れます。小道を散策するだけで心躍り胸は高鳴り、鳥は歌い花が咲き乱れあらあらウフフ、となってしまうこと請け合いですわよ。
しかしまあ、こんなリゾートホテルにセオムで乗り付けるのは私くらいじゃないですかね… シックで上品な雰囲気漂ようレセプションでチェックインを済ませます。
なみなみと注がれたウェルカムドリンク。くっ、と飲み干すと身体に染み渡りました。
ランドカーに乗車し、いざお部屋へ!
「Fleur de Lys Resort & Spa Long Hai」のお部屋紹介
今回宿泊したお部屋は、庭園に囲まれた「Garden Terrace Room」。
ロンハイ行きは突然決めたので、前日にTrip.comで予約して1泊320万ドンだったかな。今思うとかなり奮発したな…
白を基調にブル―グリーンをアクセントとした、上品ながら可愛さのある部屋です。
バンガロータイプということもあり、広々した部屋。今日はここを独り占めできるんですかい…?
露天風呂まであります…が、浴槽の中に落ち葉が溜まっており、掃除するのが面倒で使わず。屋根とか付けた方が良いんじゃないかな…
「Fleur de Lys Resort & Spa Long Hai」の施設紹介
部屋に荷物を置いた後は、早速ホテルを探索。
プールサイドで寛ぐ。「Blue Waves Pool Bar」
リゾート感をこれでもかと満喫できるプールバー。
泳ぐのも良し、疲れたら飲み物を注文して一息つくのも良し。
デイベッドソファに身体を預け、都会には無い新鮮な空気を感じながらぼーっとするだけで、「これもう人生の勝者だな?」という気分になるな…
美しいロンハイの砂浜。プライベートビーチ
プール奥の階段を上がり、眼前に広がるものは…
まさかのプライベートビーチ。贅沢過ぎる… まあ、この日は風が強く泳いでいる人はいなかったのですが。。
そうそう、宿泊したら是非早起きして、ビーチから日の出を臨んでください。
朝焼けに染まるビーチ、美しい…
心震わす”風の音”。「LE VENT RESTAURANT」
自然の美しさの中、風通しの良い空間で様々なジャンルの料理を楽しめる、シーサイド・レストラン。
夜は外食してしまったのですが、朝食ビュッフェでこちらを利用しました。
サラダメニューがものすごく充実していた印象。
普段、野菜をお腹一杯食べる機会が無いので、ここぞとばかりに食べてしまうわね…(普段の食生活はお察しください)
お か わ り だ
フルーツやペイストリーなどのデザート類が豊富で、アリ人間的にもニッコリ。
その他
リゾートホテルらしく、スパやアクティビティ(予約制)も当然のように備えています。ホテルから一歩も出なくても楽しめそうだな…
シーフードを求めて。「Quán Kiệt Hải sản」で夕食
夕食はホテルで食べても良かったのですが、海の近くだしべトナミーズ・シーフードをお腹一杯食べたいよね、ということで、ホテル近くの海鮮レストラン「Quán Kiệt Hải sản」へ。
ちなみにこの近辺、このレストラン以外には碌に店が無いです。(当然コンビニも)
ブンタウ出身の同僚が「ロンハイでは牡蠣食べるといいよ!」と言っていたのを思い出し、牡蠣のチーズ焼き (Hàu nướng phô mai) を注文。12万ドンでした。
写真では分かりにくいですが、小粒の牡蠣が1個の殻に何個も入っています。まーた尿酸値上がっちゃうなー参ったなー。ただ、あまり新鮮では無かったな…
大好物の、マテ貝と空心菜の炒め物 (Ốc móng tay xào rau muống)。こちらも12万ドン。だいぶ薄味だったのですが、味変前提なのだろうか…
海の近くの割に、全体的に金額はお高めな印象でした。中心部から離れるから、むしろ高いのかな?
海だけではなく人にも癒された、ロンハイの旅
翌朝、チェックアウトのタイミングで、ホテルのスタッフにタクシーを呼んでもらいました。
やって来たのは、特にタクシーメーターも付いていない、まあ有体に言えば「その辺のおっちゃんが運転する車」という感じのローカルタクシー。
リムジンバスのピックアップ場所であるロンハイ市場まで送り届けてもらったのですが、金額はまさかの13万ドン。高い!まあでも、需給の問題もあるだろうしな…
そうそう、チェックアウトを対応してくれたスタッフが日本語勉強中とのことで、日本語で色々と話しかけてくれました。ホーチミンにいる日本語の先生に、リモートで教えてもらっているそう。
いくらホテル業とはいっても、ロンハイだと日本語が役立つ場面はだいぶ限られるよなあ。それに、スタッフは私よりも年上の方だったと思うのですが、その学習意欲には頭が上がりませんね…(ベトナム語の勉強再開しろ、という話)
何にせよ、ロンハイ市場で出会った女の子、それと日本人が殆どいない地域でわざわざ日本語で話しかけてくれた人が二人。ロンハイの海だけではなく、思いがけず地元の人々にも癒される旅になりました。
最後に、件の日本語を話すミルクティー屋の店員さんともう一度会話がしたくてYU Sugarへ立ち寄りました。出勤はされていたのですが、忙しそうだったので話しかけられず…。どこで日本語を学んだのか、日本に住んでいたことはあるのか聞いてみたかったな…