ベトナムの夜、その食文化を語る上で欠かせないのが、貝やシーフードを路上で楽しむローカルレストラン。街中には無数の貝料理店が点在しており、ホーチミン市だと旧4区のヴィンカイン通りにお店が固まっていることで有名。
しかしご存知でしょうか。在住者どころかベトナム人でさえ用事がなければ殆ど訪れない旧8区に、貝レストランが固まる一角が存在することを…。
本記事では、ホーチミン市旧8区の「Ốc Tuyết」をご紹介します。
「Ốc Tuyết」の場所・雰囲気

やって来たのは、旧8区・チャインフン (Chánh Hưng) 街区のズオンバーチャック (Dương Bá Trạc) 通り。1区・5区および7区方面とを結ぶ活気あふれる通りです。


そこから一本の路地へと足を踏み入れます。はじめのうちは通りを行き交う車やバイクのヘッドライトがかすかに差し込むものの…。


人けが無い!やだ、怖い!旧8区、あまり治安が良いイメージは無い…。

しかし、諦めずにさらに奥へと進んでいくと、前方にぽつぽつと明かりが。近づくにつれて人通りが増え、活気ある話し声や調理の音が響いてくるように。

ということで、この一帯は貝料理屋が集まるエリアなのです。中心部から離れた路地の奥にこんなところがあったなんて、たまげたなあ。

そしてこちらが今回の目的地「Ốc Tuyết」。「Tuyết」は「雪」の意ですが、ここは女性名…つまりオーナーさんの名前と考えるのが自然でしょう。ベトナムお馴染みのプラスチック製の低いテーブルと椅子がずらりと並べられています。
「Ốc Tuyết」のメニュー




「Ốc Tuyết」のメニューはこちら。や、やすい…。ほとんどの一品料理が35,000ドン、または40,000ドンという均一に近い価格帯で設定されています。
Ốc mỡ=タマガイ、Ốc giác=ヤシガイ、Ốc móng tay=マテ貝、Ốc bươu=マルタニシなど、主要な貝は揃っています。また、高級食材として知られるゾウゲバイのỐc hương、定番の牡蠣Hàu、ハマグリのNghêuなど。これらの貝に対して様々な調理法を組み合わせるのがお約束。
甘酸っぱさが癖になるタマリンド炒めや、コクのあるガーリックバター炒め、ピリッとした刺激の塩唐辛子焼き、香ばしいネギ油焼きなどなど、お好きなものから選んでください。
実食

「ホタテガイのネギ油焼き (Sò điệp mỡ hành)」35,000ドン。鮮やかな緑色のネギ油ソースは基本的に外しません。小粒ながら旨味のあるホタテにネギ油の香ばしさとピーナッツのカリカリとした食感が絡み合い満足感に包まれます。

私の好物「マテ貝の空心菜炒め (Ốc móng tay xào rau muống)」35,000ドン。シャキシャキ食感の残った空心菜がグッド。そこにマテ貝のぷりぷりとした歯ごたえが加わりたまらない。ニンニクがガツンと効いた味付けは酒飲みが気に入る味付け。

アルミの小鍋に入って登場した「ハマグリのレモングラス蒸し (Nghêu hấp xả)」35,000ドン。ハマグリの出汁が溶け出したスープは滋味深くも唐辛子の辛味が全体の味を引き締めています。

「イカの口のガーリックバター炒め (Răng mực bơ tỏi)」40,000ドン。コリコリとした小気味よい食感に、リッチなガーリックバターソース(※この価格なので間違いなくマーガリンです)が絡みます。フライドガーリックがまぶされており、香ばしさとパンチの効いたコクが癖になる一皿。

「ゾウゲバイの塩卵ソース炒め (Ốc hương trứng muối)」40,000ドン。ゾウゲバイを、ベトナムでは絶大な人気を誇る塩卵ソースで炒めたもの。ソースにはコーンが入っており、そのプチプチ感と塩卵特有のザラっとした舌触りが何とも不思議な感覚。

小さなフォークで身を取り出します。スーッと取れると気持ちがよい。


忘れてはならないのが、バインミーの注文。これをちぎってガーリックバターソースや塩卵ソースにたっぷりと浸して食べれば、ソースの旨味を余すことなく堪能できますよ。
「Ốc Tuyết」の店舗情報
ホーチミン市旧8区の「Ốc Tuyết」をご紹介しました。中心地の喧騒から離れ、「生」のホーチミンのローカルな夜を体験したい方は訪れてみては。

