中国の麻辣湯(マーラータン)専門店「楊國福麻辣燙 (Yangguofu/ヤングオフー)」。中国国内だけで6000店舗以上をも展開するという一大麻辣湯チェーンです。
近年は国外にも店舗を続々展開し日本にも2018年に上陸済みですが、2024年7月、ここベトナムにも進出し、ホーチミン市に1号店がオープンしました。
ホーチミン市にはこれまでも主に韓国でのブームを受けてオープンした麻辣湯専門店がありましたが、中国本土の、それも世界各国で展開する麻辣湯チェーンが上陸するのは初ではなかろうか(既にあったらごめんなさい)。
本記事では、シンプルな価格設定でお手軽に麻辣湯を楽しめる「楊國福麻辣燙 (Yangguofu)」のベトナム1号店をご紹介します。
「楊國福麻辣燙」ベトナム1号店の場所

「楊國福麻辣燙」がオープンしたのは、ホーチミン市・ビンタイン区の商業施設「Pearl Plaza」内。

外に面した分かりやすい場所にあります。

Pearl Plazaの中からも入店できます。
ステップ①具材を選ぼう

店に入ったら、トレーを取って具材を入れていきましょう。英語をお話しになる店員さんも何人かいるはずなので、分からないことがあれば聞くべし。
3つのトレーを見ても分かる通り、具材は3つの区分に分けられており、それぞれ100gあたりの価格が設定されています。具材を取ったら、レジに持っていきスープを選んで会計を行うというシンプルなシステム。

まずは野菜などの菜食系の具材。100gあたり25,000ドンです。麺(インスタントラーメン、春雨、うどんまで!)もこのカテゴリ。

お次は、ソーセージや練り物などが並ぶ、肉・魚を使った加工食品。これらは100gあたり45,000ドン。

最後は、生の肉や魚介類。100gあたり65,000ドンです。

位置が遠い…!カウンターの中にいる店員さんに声をかけたら取ってくれます。
ステップ②スープを選ぼう

具材を取ったら、レジに持っていってお会計。同時にスープを選びます。
【2025年3月追記】メニューに変更があるため、画像を差し替えました。

選べるお味は5種類。スープ系が2種類・汁無しが3種類です。辛いものが苦手であれば、オリジナル (Classic Herb Bone Soup) の「Less Spicy」や、全く辛くないトマトスープ (Sweet & Sour Tomato Broth) を選べば良いかと。私もそこまで辛さには強くないので、「Less Spicy」にしておきました。

こちらはドリンクメニュー。

あまーいドリンクも、2025年2月に新登場。

お会計は約112,000ドンでした。
ステップ③席に着こう

席に着いて、私による私のためだけの麻辣湯が出来上がるのを待ちますよ。

ズラッと並ぶ調味料。カスタマイズ自由自在ですね!

…ただ、幾分…いや、かなりローカライズがされているようで、並ぶのは魚醤やライム、チリソース、海鮮醤など、ここはベトナムローカルの麺屋ですか?と言いたくなるような調味料類。

卓上にある黒いソース、黒酢だと思ったらベトナム醤油でした。酸味を期待したのに甘くてびっくりしたわよ。黒酢は調味料コーナーにあります。

とはいえ、ベトナム進出にあたってローカライズすることは当然&それにより低価格を実現している面もあると思うので文句を言うべきではないわね。それになんといっても、ご飯と冬瓜茶は無料でいただけてしまうのです!

食器類はこちらの消毒保管庫から。セルフサービスです。

そうそう、サービスの良さという点ではこちらも。全席にコンセント完備です!
ステップ④食そう!

ものの数分で、自分だけのオリジナル麻辣湯が到着。パパっと手際よく調理されたことが伺える無骨な盛り付けですが、そのファストフードっぽさが良い。

あ、ご飯もよそってしまいました。これが無料だなんて、食べ盛りの味方。

さて、いざ自分の麻辣湯のスープをすすってみると… うまーい。牛骨ベースで、クリーミーさのあるスープ。少し牛骨特有と思わしき臭みがありますが、食べ進めているとそのジャンキーさが良く思えてくる。

海外における「辛くないよ」は信用してはいけないと考えているので、「Least Spicy」でも十分辛いだろう…と考えていたのですが、意外にも「ほんのり辛い」程度でした。
ただ、個人的にはもっとコクのあるカラシビ味を求めているので、やはり味変用の調味料として麻油・辣油は置いてほしかったところ。

あ、麺は春雨にしました。小麦麺に比べるとご飯のおかずにもしやすい。

具材とご飯を一緒に掻っ込みます。うまいうまい。

ごまペースト・海鮮醤・ネギを取り分けてきました。これを混ぜて入れると…

より一層クリーミーなスープに!ごま担々麺のような味になりました。辛くしすぎた…という方はお試しあれ。
まとめ&店舗情報
中国の麻辣湯専門店「楊國福麻辣燙 (Yangguofu)」のベトナム1号店をご紹介しました。
前述の通り日本でも展開されているチェーン店ですが、ベトナムでの出店にあたりローカライズ…というか色々と調整がされているように見えました。
とはいえ、ご飯やお茶が無料でいただけたり、流暢な英語をお話しになる店員さんが必ず居たりと、サービスは◎。具材に何を選ぶかで金額が変わるのと、実際に会計するまでいくらになるかは分からないですが、ちょっと欲張っても15万〜20万ドンくらいに収まるかと思います。
スープ・具材により無限のバリエーションが楽しめることが麻辣湯の強み。次は1レベル上の「Slightly Spicy」か、あえて全く辛くないトマトスープを試してみようかしら。

なお、Pearl Plazaの中に、見るもおぞましい怪異と化した、日本で一番有名な電気鼠の成れの果てが居たことをご報告します。謝って!(色々と)
【2024年10月追記】再訪しました

再訪しました。メンバーシップへの入会を勧められたので、まんまと乗ってしまった。

会員になると曜日代わりで色々な特典が受けられるみたい。この日は火曜日だったので、麻辣湯が20%OFF。これは嬉しい!

スープはトマト味 (Sweet & Sour Tomato Broth) にしてみました。全く辛くないので、麻辣湯が食べられない人でも安心。

パンチの効いたトマトの酸味に牛骨の旨味。どこかで食べたことがあるような…あ、ハヤシライスの味だ、これ。

本来なら調味料で味変をする前提なのだと思いますが、スープの味が好みだったので味変無しに食べきってしまいました。おすすめ。
【2025年3月追記】麻辣拌(マーラーバン)を週一で食べてます
最近、こちらの店で日本人を見かけることが多いのですが、この辺りに日本人が集まる場所ってあったっけ…?第二の日本人街・ファンビッチャンエリアからは離れてるし。

今ハマってるのは「Trộn Kho Cay Tê」。レシートには「Malaban」とありました。どうやら、中国・遼寧省発祥の軽食「麻辣拌(マーラーバン)」のことであるようです。

所謂「汁無し麻辣湯」と呼ばれる料理であり、麻辣湯を地域特性に合わせてアレンジしたものが広まっていった模様。茹でた食材をこちらのタレと混ぜ合わせていただきます。料理名に「麻辣」と入っていながら、実際は麻辣味ではないことが特徴。

このタレ、全然辛くなくてめちゃくちゃ食べやすい。ほんのりピリ辛の甘辛味噌味って感じで、ご飯がすごく進む。
具材は、野菜・きのこ・豆腐・豆腐麺・牛肉・モツでほぼ固定です。高タンパク・低糖質でヘルシー!脂質は…まあ、麻辣湯ならスープを飲み過ぎない、麻辣拌ならタレをかけすぎなければOKでしょう。
【2025年3月追記】カラシビ!新メニューを試す
「ステップ②スープを選ぼう」の画像を差し替えた通り、選べる味が知らん間に増えていました。と、いうわけで「Sốt Cay Tứ Xuyên(スパイシー四川ソース炒め)」に挑戦。

なんかすごいの来た。持ってくる店員さんも気持ち半笑いだった気がする。

この、ライオン錠みたいな意匠、なに…?完全にバブル期のノリである。

「四川ソース」の名に恥じず、唐辛子がごろごろと入っています。ただ、この見た目なのでこんなことを言っても説得力が無いかもしれませんが、意外にも辛くない!
イヤ、辛いことは辛いのですが、食べられないほどの暴力的辛さではない、という意味です。辛さよりも、花椒による「カラシビ」の「シビ」感の方が強く感じます。

まあ、スパイスは残させていただきましたが…。なお、鍋底に残った油が食後もジュージューと音を立てており、どれだけ熱されていたのかと慄くなど。