灰色の静寂に鮮烈な緑を…三重県発の抹茶カフェが超一等地に出店!*vanillA bomB@サイゴン街区

カフェ

ホーチミン市の観光名所といえば…で、まず名前が挙がるのがグエンフエ通りの歩行者天国。その活気あるさまは「ベトナムの渋谷」とでも呼びましょうか。

そんなグエンフエ通り沿いに位置するのが「カフェアパートメント」。古びたアパートの各部屋がリノベーションされ、無数のカフェやショップがひしめき合う、サイゴンのカオスとトレンドが融合した象徴的な建物です。

ローカルの人々だけではなく外国人観光客も大勢集まるスポットですから、ここに出店出来ればブランドの知名度は大きく上がるハズ。テナントの空きを虎視眈々と狙うカフェ・ショップ経営者は多いことでしょう。

そんなカフェアパートメントの5階に、日本・三重県発のカフェがベトナム1号店をオープンしたそうな。資金力で勝る大手ではなく、一個人…それも日本人がいきなりサイゴン一等地に1号店を出店って、ものすごくエポックメイキングなことでは!?

本記事では、カフェアパートメント5階にて現在プレオープン中の抹茶カフェ「vanillA bomB」をご紹介します。

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「vanillA bomB」の場所・アクセス

ということでやって来ました、グエンフエ通り42番地の「カフェアパートメント」。周囲は年末のイベントのための設営が進んでおり、正面から撮影することは能(あた)わず。

1階の書店横から入り、上階を目指します。エレベーター(有料)は観光客で長蛇の列。私はケチなので階段で5階(日本的には6階)まで上がるよッ!

5階へ到着。共用廊下は、目の覚めるようなホイアンイエローの壁やベトナムらしいランタンで飾られ、生活感と観光地感が入り混じった独特の雰囲気。

そんなカラフルで雑多な廊下を歩いていると、突如として空気が変わる一角が現れたのだった。

周りのポップさを拒絶するかのような、クールなグレーの外壁。黒地に白文字で「vanillA bomB」と書かれた看板だけが掲げられています。

「vanillA bomB」の内装・雰囲気

足を踏み入れると―湿気やバイクの騒音が嘘のように消え去るような感覚。

壁も床もモルタルで仕上げられたインダストリアル空間。打ちっぱなしの壁には型枠の跡が荒々しく残り、高い天井には黒い配管がむき出し。

配置されている家具は、白と黒のモノトーンのみ。ゴールドの脚があしらわれた白いオットマンや、黒いレザー調のローチェアが、無骨なコンクリートの空間に洗練されたモダンさを加えています。

抹茶に力を入れているお店ですが、カウンターにはマルゾッコのエスプレッソマシンが鎮座し、コーヒーにも妥協ナシ。

さてさて、先述の通り、「vanillA bomB」は三重県発のカフェ。私も三重県出身なので勝手にシンパシーを覚えてしまいますよ。

以前は津市と松阪市に店舗を構えていたものの、かねてより海外進出の夢があったところに偶然の出会いがあり、ベトナム出店の話がトントン拍子に進んでいったそうな。今は日本の店舗はひとまず閉じて、しばらくはベトナム店や他の事業に注力されるとのことです。

なお、2025年12月27日から翌1月7日まではプレオープン期間。内装はほぼ完成しているそうですが、グランドオープンに向けてもうちょっとパワーアップする予定だとか!

「vanillA bomB」のメニュー

vanillA bomB」のメニューはこちら。現在プレオープン期間のため、今後メニューが拡充されていく可能性は十分にあります。フード・軽食などの構想も教えていただいたのですが…想像しただけで涎が出そうな内容でした。乞うご期待!

三重発のお店ということもあり、茶葉には伊勢茶を使用。日光を遮るようにして栽培する「かぶせ茶」が有名です。メニューには「Pure Matcha, Pure Japan.」とある通り、茶葉の品質には相当なこだわりが伺える。

ホーチミン市のカフェ相場としては強気のプレミアムラインに見えますが、ローカルブランドの「Nagocha」なんかはこれよりも高価格で抹茶を出しながら店舗数を増やしているわけで。良いものであれば支持されることの証左でしょう。

そしてここで朗報。プレオープン期間中は「10万ドン以上のドリンクは全て100,000ドン」になります。これは試さない手はないね!

実食

今回は抹茶ラテを砂糖無しでオーダー。注文ごとに茶筅を使って丁寧に抹茶を点ててくれます。スタッフの皆さんは流暢な英語をお話しになり、経歴もバリスタだったりバーテンダーだったりでスゴイ。日本語を勉強しているスタッフさんもいます。

そして運ばれてきたのがこちら。木のトレーに乗せられた、美しい2層のラテ。ミルクの白と、抹茶の深緑の鮮烈なコントラスト。この緑色の濃さは、安価な抹茶パウダーでは出せない色味である。

ストローでひと回しして口に含むと…まず苦味とガツンとした旨味がダイレクトに味蕾を刺激。

無糖だと一切誤魔化しが効かないので、安価な抹茶ラテを砂糖無しでオーダーしちゃうとすごく虚無な味になるのですが…これはちゃんと美味しい抹茶です。

ふくよかな香りが鼻を抜け、気分は郷の茶畑。その後に明治製ミルクの自然な甘さが優しく追いかけてきます。茶筅で空気を含めながらきめ細かく点てられているため、粉っぽさは皆無でベルベットのような滑らかな飲み口。

ベトナム人の店員さんがお水を出してくれたのですが…さり気ない手書きのメッセージ。クールな空間で味わう人の温かみもまた、「vanillA bomB」の魅力の一つなのであった。

「vanillA bomB」の店舗情報

お店の名前 vanillA bomB
住   所 Lầu 5, 42 Nguyễn Huệ, Sài Gòn, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 10:00 〜 16:00(※プレオープン期間中)
Instagram(本店) Instagram(ベトナム店)

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