楽しみ方無限大!豚の旨味が凝縮された釜山風クッパ*수변최고돼지국밥 subyeon@トゥードゥック市(旧2区)

韓国料理

韓国コミュニティがベトナムで大きな存在感を示していることは以前も書いた通り。私の暮らすホーチミン市でも、7区やビンタイン区(Vinhomes周辺)、旧2区のエリアを中心に大きなコミュニティが存在します。

そしてそれにより、韓国人在住者を主なターゲットとした本格志向のレストランが多く存在する…ということも以前書きましたね。つまりはベトナムに居ながらして韓国各地のご当地グルメを楽しむことだって可能なのです!

本記事では、トゥードゥック市(旧2区)・タオディエンエリアに位置し、韓国第2の都市・釜山の味を楽しむことが出来るレストラン「수변최고돼지국밥 subyeon(スビョン・チェゴ・テジクッパ)」をご紹介します。

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「수변최고돼지국밥 subyeon」の場所・雰囲気

やって来たのは、トゥードゥック市のタオディエン (Thảo Điền) エリア(旧・ホーチミン市2区)。高層マンション群「Masteri Thảo Điền」が立ち並ぶ通り…の裏路地です。車の行き違いも出来なさそうな狭い路地であり、本当にここで合っているのか一抹の不安。ただ、周辺にはカフェ等も立ち並び、おしゃんな路地に生まれ変われるポテンシャルも十分にあるように思えます。

そんな裏路地に現れた「수변최고돼지국밥 subyeon」。お屋敷みたいでかっこいい建物です。

「수변(スビョン)=水辺」、「최고(チェゴ)=最高」、「돼지국밥(テジクッパ)=豚クッパ」ということで、韓国式スープご飯・クッパを始めとした釜山料理のお店です。水曜の18時半、予約せず4人で訪れましたが、特に待つことも無く席に案内してもらえました。

通されたのは1階の席。中々の賑わいっぷりであり、上階の席がどの程度空いていたかは分からなかったのですが、もしかしたらタイミングによってはすぐに座席に着けなかったかも。

ちなみに対面にいる彼は韓国人の同僚。大邱市出身ですが釜山のグルメにも詳しいとのことで、前回のカムジャタンに続き、安心感しか無い…!

卓上には塩と荏胡麻の粉末があります。後述のように、これらを使って好みに合わせ自由に味を調節します。

「수변최고돼지국밥 subyeon」のメニュー

「수변최고돼지국밥 Subyeon」のメニューはこちら。うん、読めない!ベトナム語から辛うじて「Cơm canh thịt(豚スープご飯)」とか「Mì lạnh(冷麺)」くらいは解読できるけども。と、思っていたところ…

なんと、英語・日本語メニューをいただきました。英語はともかくとして、日本語メニューの需要があるくらいに日本人客も来るものなのか?某有名ブロガーさんがこの店を紹介していたようなので、日本人客が増えた⇒「ほな日本語メニュー作るか」となったのだろうか。

全盛りクッパ」というロマン溢れる響き、たまらんですね。

ちなみに注文は例によって韓国人の同僚にお任せ。ありがてえありがてえ…。

そういえば、韓国人経営でない韓国料理屋もよく見ますが、「ベトナムローカライズされた韓国料理の特徴」ってあるんですかね?ローカル日本食の場合、「握りよりもロールが主流」とか、「海ぶどうと中華わかめの出現率が高い」とかが挙げられると思うんだけど。

「そうですね…ベトナムの韓国料理は辛さ控えめで甘いですね。」

えっ…ローカルの店でMì cay hàn quốc(韓国ピリ辛麺)を食べたときめっちゃ辛かったけど、あれでも控えめだったのか…

韓国料理屋といえば、なバンチャンと薬味類

注文とは前後しますが、席に着くやいなや、韓国料理屋ではお馴染みバンチャン(無料のおかず)が出されました。カクテキ、玉ねぎ&唐辛子、空心菜、白菜キムチの4品です。カクテキが特に好みでした。

あとは、クッパに入れるための薬味や辛味噌ですね。

手前の赤いタレは「サムジャン」と呼ばれる、韓国では定番の甘辛合わせ味噌。奥の小鉢に入っているものは、初見だとぎょっとしてしまいそうですが、韓国料理の魂とも見なされる「アミの塩辛」。これをクッパに入れて味を好みに調節します。

こちらはにんにくスライス(完全にピントから外れてますが)と、真っ赤なペーストは「タデギ」と呼ばれる所謂万能調味料。ダデギはスープや麺類によく入れる唐辛子味付け味噌であり、辛くない料理を自分好みに味付けすることが可能。真っ赤な見た目ですが、少量入れる程度であれば激辛にはなりません。

スンデにはビールよりもソジュを合わせよ(個人の感想です)

出、出~www(死語)アツアツの鉄鍋に並べられたぶつ切りの料理。これは一体!?

「これはスンデ。豚の腸の中にもち米や春雨を詰めた、韓国のソーセージです。」今回は大サイズ(순대 대)を注文し、価格は36万ドン。凄いボリュームだ…。

とりあえず、何も付けずにいただきます。

「ぷちっ」と弾ける皮に、Chewyなもち米・つるつるした春雨の食感が楽しい!独特の血のような臭いは微かにあるものの、それが癖になるという人も多そう。私はレバーとか好きだし、ベトナムでよくある豚の血のゼリーも普通に食べられるので、好みの味です。

あとは、結構塩胡椒と唐辛子が効いているかな。ピリ辛です。

サムジャン」に付けて食べると…独特の臭いが気にならなくなり、一気に食べやすくなりました。そのまま食べるよりも、広くおすすめできる食べ方ですね。

スパイシーな味なので、日本人的にはビールが欲しくなりそうですが、同僚曰くソジュ(韓国焼酎)と合わせるのが一般的とのこと。まあ、今回は酒無しだったのですが…(私以外全員バイク、私=超下戸)

カスタマイズは自由!キミだけの最強豚クッパを作ろう

本日のメイン。「全盛りクッパ(모듬국밥)」18万ドンです。豚骨から出汁を取り、まるで豚骨ラーメンのように白濁したスープが釜山式豚クッパの特徴。

なお、複数人でシェアするため大皿で提供されることの多い韓国料理ですが、クッパに関しては1人前で提供されます。ちょうど、ラーメンや丼物のような立ち位置らしい。これなら、一人でお店に行っても注文できますね。

ご飯は別添えです。別で提供されるのか、それとも最初からスープに入った状態で提供されるのかはお店次第なようですが、日本だと「クッパ=焼肉のシメに食べる雑炊」という認識であることが多いと思うので、別でご飯が出てくるのはなんか新鮮。

あと、韓国の白米って日本のものよりちょっと粒が大きめでもちもちしてますよね。味付けがしっかりしている韓国料理とよく合う!

で、先述の通り食べ方は自由なのですが、とりあえず同僚のお作法を真似してみることに。…なんか、「キミだけのマシンを作ろう!」などと言っておきながら「結局のところ○○と○○の組み合わせが最強」みたいなホビーあるある状態に陥っていますが、まあ初めてだから許してよ(誰?)。

まずは、アミの塩辛を入れ、味を調節します。

次に、「ジョングジ」と呼ばれるニラを入れます。ちなみにニラはおかわり自由なので、たっぷり入れましょう。

と、この時点でスープを飲んでみると…えっ、なんて優しい味…!

どうしても韓国料理=辛く尖った味付け、というイメージが先行してしまいますが、この豚骨スープはただひたすら優しくさっぱりした味わいの中に、豚の旨味が凝縮されています。味変前提ではあると思いますが、正直このスープだけでも飽きが来ない。でも折角だから色々と薬味を加えて違う表情を見てみたい、というジレンマ。

あと、きっとこのスープは栄養もたっぷりなハズ。海外セレブが飲んでそう(適当)。

具材その①、蒸し豚。この豚肉がもう、とにかくふわっっっふわで驚きました。「柔らかい」ではなく「ふわふわ」なのです。どういう蒸し方をすればこんな食感にできるのか。

具材その②、ホルモン。もちろん臭みは無く、弾力があり新鮮であることが伺えます。

具材その③、スンデ。煮込まれて柔らかくなったスンデはまた違った食感で美味しい。

ご飯は、まずはお椀の半分くらいの量を鍋に入れると良いそう。猫舌の場合は、逆にスープをお椀のご飯にかけて、お茶漬け的に食べるのもアリとのことでした。

その後、塩やら荏胡麻やらタデギやらを少しずつ足していき、最終的に好みのスープが出来上がりました。

スープが少なくなってきたら、鍋を傾けて置くことで、鍋を持ち上げることなくスマートに最後までスープを飲み干すことができます。クッパライフハック。

小麦麺を使った釜山式冷麺「ミルミョン」

おかわりだ

デザート代わりの冷麺です。なお、流石に4人でシェアした模様。価格は18万ドンです。

同僚に麺をジョキジョキと真っ二つに切ってもらいます。流石のハサミ捌き。

さて、こちらの冷麺は釜山式の「ミルミョン(물밀면)」と呼ばれるものであり、小麦を使った麺が特徴。朝鮮戦争時代、北部から釜山へと避難した人々が、冷麺の原料であるそばやジャガイモの代わりに、当時手に入れやすかった小麦粉を使って作ったものが元である…と言われています。

麺はつるつると弾力があり、コシが感じられますが、そば粉などを用いた冷麺と比べると柔らかめ。これまた豚の旨味を感じるさっぱりしたスープに加えて、きゅうりや豚肉などの具材…と、日本人的には冷やし中華を想起させる一品。夏にぴったり!ちなみにスープは真っ赤ですがそこまで辛くないです。

クッパと冷麺を完食しました。食べ過ぎで苦しい…だがしかし満足じゃよ。お会計は1人当たり30万ドンと、大変リーズナブルな結果となりました。

まとめ&「수변최고돼지국밥 subyeon」の店舗情報

トゥードゥック市(旧2区)・タオディエンの「수변최고돼지국밥 subyeon(スビョン・チェゴ・テジクッパ)」をご紹介しました。

一見敷居が高いレストランのように見えますが、日本語メニューもあるので大丈夫!味わい深い豚骨スープの真髄に触れてみてください。

それにしても、カムジャタンに続き韓国人の同僚に助けられっぱなしでした。今後、「ガチ日本食屋(そんなものがあるかは知らない)」へ一緒に行く機会があれば今度は我々日本人が彼のことを助けてあげたいのですが、日本語が達者な上に日本食に対する解像度がめちゃ高いので、そもそもサポートする余地が無いのであった。

例えば、某所の小二郎ラーメンを食べて「美味しいけどやっぱり二郎とは味が違いますよね」、日本への旅行後には「久々に二郎食べたんですけど味が落ちてました」等々…あ、なんか筋金入りのジロリアンであるかのような描写をしてしまった。(実際はそこまで二郎に執着していません)

お店の名前 수변최고돼지국밥 subyeon
住   所 16 Đ. Số 9, Thảo Điền, Thủ Đức, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 10:00 〜 14:00、16:00 ~ 21:30
Instagram

ちなみに、上記マップの通りホーチミン市7区にも店舗があります。

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