ベトナム南部、メコンデルタ地方に位置するキエンザン省の省都・ラックザー(Rạch Giá)。
日本人からすると観光の目的地にはなりにくいかもしれませんが、ここではあえてラックザーでのローカルフード巡りをお勧めしたいと思います。この辺りでは、ベトナムとカンボジアの文化が長い時間を経て融合し、また長い海岸線もあることから海の幸も豊富。他の地域には無いグルメに出会える…ハズ。
今回は「ラックザーで食べるべきローカルフード・4選」と銘打ち、紹介していきますよッ!
【Bún Cá(ブンカー)】Bún Cá Diệm Văn
ベトナムでは定番の、魚介ベースの米麺料理「Bún Cá(ブンカー)」。地域ごとに味付けの特色はありますが、基本的には「ブン」と呼ばれる米麺に、魚の出汁をベースに様々なハーブやスパイスを加えて風味豊かに仕上げたスープを合わせ、雷魚などをトッピングします。
やって来たのは、こちらの「Bún Cá Diệm Văn」。
メニューはこちらです。ベーシックなものが35,000ドンからとリーズナブル。ちなみにお茶(チャダー)は無料とのこと。ありがたや〜。
「Bún Cá Đặc Biệt(全部乗せブンカー)」50,000ドンを注文しました。この近辺の地方のブンカーは、雷魚のほかにヒゲナガウオの一種を使うことも多いようです。
「Đặc Biệt(特別)」ということで、海老も入ったスペシャルな一品!
少し黄色みがかったスープは出汁の香り高く、南部らしくガツンと甘い。ちょっとうま味調味料が強いかな。
トッピングの魚を、ちょんちょんと別添のタレ(唐辛子入り魚醤)に付けていただきます。身は、ふっくらとしていながらギュッと締まっており、噛み応えがあります。
海老もぷりっぷりですよ。ほんのり辛い下味が付いています。エビチリみたいな感じ…?
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【Bún Quây(ブンクアイ)】Bún Quây Phạm Hùng
同じくキエンザン省に属するフーコック島の名物として知られる「Bún Quây(ブンクアイ)」が、ラックザーでも食べられますよ。上述のブンカーと似たような麺料理ですが、スープのベースや具材に特徴があるようです。
「Bún Quây Phạm Hùng」にやって来ました。もともと、フーコックの外でブンクアイを出すお店というのはあまり無かったようで、こちらのレストランはラックザーにおけるブンクアイ専門店の先駆けだそう。
メニューはこちら。食べ方の指南が記載されていますね。
「Bún Quậy Đặc Biệt Mực(イカ入りブンクアイ)」50,000ドンが着丼しましたよ。
ブンクアイの特徴は、この平べったく大きい、海老と魚のすり身。すり身をボウルの側面と底に貼り付け、熱湯を注ぎ、さらにスープを加え火が通るまでよくかき混ぜることでこのような仕上がりとなります。
弾力がものすごく、箸で切れないほどです。噛み締めるたびに「ゴリュッ、ゴリュッ」と主張の強い歯ごたえがあり、たまらない。また、フーコックの名物である胡椒がピリッと効いています。
透明感のあるスープは、先述のブンカーよりも優しい味で、魚介の旨味がダイレクトに感じられます。
そのまま食べても良いのですが、ブンクアイといえばこちらのソース。
柑橘ベースの酸っぱいソースと唐辛子を混ぜ、ブンクアイに加えます。砂糖やうま味調味料を足しても良いそう。柑橘系の酸味は、魚介の旨味をぎゅっと締めてくれます。忘れずに加えましょう!
この、海老のすり身もぷりッッぷりで最高です。全体的に、たったの50,000ドンで食べられるクオリティじゃ無いですよ。手が込みまくってる。
余談ですが、お店のお父さんが色々と話しかけてくれたのだけど、「どこから来たのか?」「結婚してるのか?」の2つしか聞き取れませんでした。そろそろ、ベトナム語の勉強を再開すべきなのかもしれない…。
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【Cơm Tấm Long Xuyên(コムタムロンスエン)】3 Ghiền
メコンデルタ地方アンザン省の省都・ロンスエン (Long Xuyên) の名物「Cơm Tấm Long Xuyên(コムタムロンスエン)」を出すお店が、ここラックザーにもあります。
川沿いにある「3 Ghiền」にやって来ましたよ。
メニューはこちら。価格は3万ドンからと、破格!
ベーシックな「Cơm Tấm Long Xuyên」30,000ドンを注文しました。
コムタムロンスエンの特徴は、その米粒の細かさにあります。普段ホーチミン市で食べているコムタムの米粒の、半分程のサイズと言っても過言では無いくらい。南部らしい、とろっと甘口の魚醤ソースもポイントです。
米粒の小ささに合わせ、トッピングされている具材も小さくカットされていることも特徴。例えば豚バラ肉はサイゴン風コムタムのように骨付きで丸ごと提供されるのではなく、ストリップ状に細切りされています。
濃い〜甘口でご飯が進みます。量はそこまで多くないので、いっぱい食べたい方はトッピングを追加したりご飯をおかわり(5,000ドン)するか、「Đặc Biệt」の方を注文すると良いでしょう。
スープも付いてきます。根菜の入った、優しい味のスープ。ローカル食堂のスープはぬるいことも多いですが、こちらは熱々。
なお、お茶はセルフサービス。無料(タダ)茶、ありがたい。
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【シーフード】Bạch Tuộc Nướng Hào Kiệt
海が近い港町…となると、期待したいのは新鮮なシーフード。もちろんラックザーにも、多くの海鮮レストランがありますよ。
今回訪れたのは「Bạch Tuộc Nướng Hào Kiệt」。Googleの口コミ件数がそこそこあり、レビュー平均も高かったのでこちらにしました。
「Bạch Tuộc Nướng」は「グリルしたタコ」の意であり、どうやらタコ推しのお店である模様。キエンザン省はタコが有名らしく、ホーチミン市にもキエンザン直送のタコ専門レストランがあるくらいです。
比較的新しいレストランなのか、店内は綺麗。きらびやかに装飾されています。
待って、このビール持ったタコの電飾、良すぎない…?こちらのお店の特性を端的に表していますね。
ローカル海鮮レストランあるあるですが、メニューの種類はめちゃくちゃ豊富な一方で、写真の掲載は殆どありません。多少なりともベトナム語が分からないとキツいかもしれない。
注文したメニューが同時に到着。贅の限りを尽くすぞ!
「Bạch Tuộc Nướng (Nhỏ)」70,000ドン。タコのグリル・小サイズです。
外はこんがり、中はぷりぷり柔らか。一匹まるまるを焼き上げるからこその柔らかさです。ピリ辛のタレがよく絡んでおり、ビールも進みそう(私は下戸なので水ですが)。
「Tôm Tái Wasabi」110,000ドン。わさび醤油でいただく、エビの刺身です。器に敷かれたアルミホイルの下には氷が入っており、鮮度をキープしています。
もう、ぷりぷりを通り越して、噛むたびに口の中で「パチパチ」と弾けるよう!甘みが強く濃厚で、新鮮さが伺えます。
ちなみに、エビのお頭は飾り…ではありません!唐揚げにしてくれているので、こちらも食べられます。ミソも残っていて、風味豊か。
団体客のそばで黙々と飯を食うワタシ。どうやらお誕生会だったらしく、店の電気が一度消えました。
お会計は19万ドン。一人でも食べ切れる量で良かったです。エビの刺身を一人占めできたのが最高すぎた。
ちなみに、フーコックの名物のひとつに「Gởi Cá Trích」というニシンの和えサラダがあり、そちらも食べてみたかったのですが、如何せんどのお店でも量が多く、注文を躊躇ってしまった…。誰かとシェアできる場合は、是非お試しください。というか私も食べてみたい。