ホーチミン市中心部から南西に広がる8区。
約20平方キロもの広大な面積を持つ区ですが、観光客のみならず在住者であってもこの区に用事がある人はほとんど居ないと思います。(運動場?があるみたいなので、スポーツクラブに入っている人なんかは行く機会があるかも)
どうも8区は「あまり治安が良くない」というイメージが強いらしく、ベトナム人でも「行ったことが無い」という人も多い模様。
しかし、そんな8区でたまたま素敵なカフェを発見。しかもオーナーさんは元日本企業勤めで、日本語ペラペラ!
本記事では8区のカフェ「ノミヤcafé (Nomiya)」をご紹介します。
場所…の前に、8区ってこんなところ
8区にやってきました。ここは5区の中央から繋がるファムフン (Phạm Hùng) 通り。5区方面からやって来る場合、二度、橋を越えることとなります。
なんというか、区が変わった途端に、少しさみしい雰囲気となりました。決して寂れているわけではなくて、交通量も多く賑わってはいるのですが…。
冒頭にも書いた治安の話ですが、「川の向こうは治安が悪い」という話はベトナムに限らず日本でもよくありますよね。
そう考えると、「サイゴン川を渡った向かいの貧しいエリア」だったホーチミン市旧2区(現・トゥードゥック市)がお洒落タウンとして持て囃され地価も急上昇しているのは不思議で仕方がない。…あ、今なんか、ニュータウンを見下す高級住宅街住民みたいなこと言っちゃってますか?
特に、区境の川沿いにあるファムテーヒエン (Phạm Thế Hiển) 通りが、西に行くにつれスラム化しているとの情報を事前に得ております。バラされてブンボーの具にされたくなければ、あまり深入りしない方がよさそうだな(※言い過ぎ)…と思ったけど、それも昔の話で、今は単なるダウンタウンになっているでしょうね。
こちらはナムハイ (Nam Hai) 教会。8区にはクリスチャンの方が多く暮らしているとのこと。8区出身のベトナム人同僚は敬虔な仏教徒だったりするのですが、まあそれはそれとして。
ホーチミン市というより、そこそこ栄えたどこかの田舎にでも来た気分。チェーン店も普段あまり見ないものが多いような…。「HOT & COLD」とか、ね(※安いドリンク&スナック屋さん。郊外や学生街に多い)。
ちょっと入るのを躊躇する路地ですが、気にせず入って行きましょう。よくよく考えると東京の下町にもこういう狭い路地あるよね。江戸川区とか。
「ノミヤcafé」の場所・雰囲気
路地の中に、突然可愛らしいカフェが現れました。こちらが「ノミヤcafé」です。
「ノミヤ」とありますが、お酒は扱っていません。喜び・愛・幸せ・アットホームさで溢れる場所…それが店名に込められた意味だそうです。
「ー(伸ばし棒)」が縦書きでも正しく表記されているところに好感。オーナーさんは日本語を分かっている人であることをこの時点で実感。
「あなたの好きな人になりたい。。。」か…。何となく、HYの『NAO』という曲を思い出しました。
とまあこんな感じで、ちょっと見ただけでも日本推しなカフェですが、それもそのはず。オーナーの女性・Thyさんは以前日本企業にお勤めだったとのこと。少し会話させていただいたのですが、とても腰が低く、流暢な日本語をお話しになる方です。何にせよ、会社を辞めてカフェをオープンなんて、夢があるな。。
なぜわざわざ8区を選んだのかを訪ねたところ、Thyさんのご実家があるからだそう。「地元の人たちにサービスしたい」という思いから、8区にカフェをオープンしたとのことです。素敵やん…
店内はコンパクト。人気のカフェなので、もしかしたら座席が埋まっていることもあるかも。ほどよい音量でJ-POPが流れていて、落ち着きます。
お茶はセルフサービスです。
「ノミヤcafé」のメニュー(2024年11月)
注文はお店に入ってすぐにある、可愛らしいカウンターで。
メニューはこちら。コーヒー、ミルクティー、フルーツティー、スムージーなど、充実。バナナコーヒーやマンゴーコールドブリューといった、他では中々見られないこだわりのメニューに注目です。
こちらは期間限定メニューやおすすめメニューなど。写真付きで分かりやすい。
ケーキやクロッフルなどのペイストリーも扱います。右上の抹茶アフォガード、美味しそうだ…。
バリエーション豊かなメニューを実食
2023年10月、初めて訪れた際には、さつま芋スムージーを注文しました。濃厚で甘いさつま芋味。
ちょうどこのとき、日本のスタバでハロウィン限定紫いもフラペチーノをやっていた時期だったな…。スタバの方は飲めなかったけど(そもそも帰国してないし)、こちらのスムージーもフラペチーノにも負けない美味しさなのは間違いありません。
その後、2023年12月に再訪。
濃厚なストロベリーチーズケーキ味のスムージーと、ガーリックバター味のクロワッサン。チーズクリームの入った甘いクロワッサンとガリバタの組み合わせが癖になる…
2024年11月再訪。クリスマスムードいっぱい
2024年11月、久しぶりに再訪しました。クリスマスの飾り付けに巨大なサンタビニール人形…、色々とすごいぞ!?
気が早くない?と思いましたが、そうか、もう11月か…。時間が経つのが早すぎて絶望してしまうわね。
クリスマスのデコレーションと一緒に写真を撮りSNSにアップするのはベトナム女子の義務みたいなものですが、クリスマス時期ど真ん中だと撮影スポット(カフェなど)が混み合うため、ちょっと早めのタイミングで写真を撮っておき、クリスマス時期になったときにアップする…というテクニックがあるそうですよ。
入り口の暖簾に「いらっさいませ」と書かれていることを、3回目の訪問で知りました。今まで気が付かなかった…悔しい〜…(?)
店内もそこそこに混み合っており、変わらず人気のカフェみたいで安心しました。
今回注文したのは「Zabon Matcha」59,000ドン。
抹茶×ザボンという意外な組み合わせですが、苦味や酸味が喧嘩することなく、とてもバランスのとれた、さっぱりと甘い味わい!
実は抹茶と柑橘の組み合わせは良く合うらしい。抹茶に含まれる苦味・渋味・旨味・甘味と、柑橘の酸味が組み合わさり、総合的に整った香り・味となるのだとか。へえー。
まとめ&「ノミヤcafé」の店舗情報
ホーチミン市8区のカフェ「ノミヤcafé」をご紹介しました。
8区に行く機会がある人はそう多くないと思いますが、日本人にこそ訪れてほしいカフェです。「こんな路地裏に素敵なカフェが!?」と驚くことうけあい。一見荒涼として見える8区ですが、ここにありましたよ、オアシスが!
ちなみに、2023年時点でオーナーのThyさんと会話した際は、今後の展望として「3区にカフェ兼バーをオープンしたい」とのことでした。リアル「飲み屋」のオープン、楽しみですね!
帰りには、お見送りまでしていただいて恐縮