ホーチミン市8区、行ってますか!?
8区と言えば「ディープでちょっとアブナイ?下町」というイメージを持つ人も多いと思いますし、在住者・観光客共に用事は殆ど無いでしょう。
少し前までは、ベトナム人であっても行ったことが無い人も多い…なんて言われてましたが、PARC MALL(イオンやユニクロが入居してます)のオープンで少し身近な区になった気がします。
さて、PARC MALLの近くに「Kigen Yakitori」という日本食レストランがあります。2024年1月にオープンしたとのことですが、先日、PARC MALLまで行っておきながら見逃していた…不覚!
8区ではまだまだ珍しい日本食、それも単なるスシレストランではなく、焼き鳥という特定のメニューを推した専門店となればこれは行くしかない!
本記事ではホーチミン市8区の日本食レストラン「Kigen Yakitori」をご紹介します。
「Kigen Yakitori」の場所・雰囲気
ホーチミン8区、カオロー (Cao Lỗ) 通りにやって来ました。道路を挟んで向かい側にはPARC MALLがあります。
コンクリートの照り返し激しい灼熱の午後1時、何やら厚着をした集団が…。凝視すると皆さんコスプレをしていました。どうやらこの日、PARC MALLで何かイベントがあった模様。
さて、「Kigen Yakitori」の外観はこちら。味のある「やきとり」暖簾に、木目の看板が目を引きます。漢字で書くと「起源」だそう。
店内はこんな感じ。4人掛けのテーブル席が3つと、カウンター席。ずらりと並んだ酒瓶や酒樽に升、そして壁に貼られたメニューが大衆居酒屋を想起させ、ワクワクさせてくれます。…ん?
「ネギチャ1シュ1」!「ネギチャ1シュ1」じゃないか!!「サ1モン刺身」もあるでよ!
…日本語を縦書きする際、長音が縦ではなく横表記になってしまっているミスからしか摂取できない栄養、あると思います。
元の絵や写真、どこから持ってきた!?と言いたくなるような貼り紙も、ローカル日本食屋あるある。お好きでしょ。角ハイボール。
卓上の調味料は定番の七味に加え、意外や意外、牡蠣醤油が置かれています。なんと贅沢な!ところで、メニューには刺身や寿司もあるのですが、それらも牡蠣醤油でいただくのでしょうか。旨味成分を纏った生魚にも興味はありますが、今回の目的は鶏肉だ、鶏肉。
「Kigen Yakitori」のメニュー
と、いうことで「Kigen Yakitori」のメニューです。
焼き鳥をはじめとした串焼きがメインではありますが、日本食フリークでは無いベトナム人ウケのことも考慮してか、揚げ物あり・魚介あり・鍋物ありと、串焼き専門には振らずに幅広いメニューを取り揃えます。
酒類は充実…というほどでは無いものの、日本かたの酒もいくつかあり、日本酒と串焼きとのペアリング等も楽しめそうですね。あと、いいちこと黒霧が1杯65,000ドンは良心的だと思ったのですが、どうだろう。
別紙メニューも充実。1枚目下段のインパクト抜群な鰻卵焼き丼、たまに見かけるのだが発祥はどこなのだろうか…。
あと、日本食レストランとは言え、そうめんがあるの珍しいですね!?ベトナム移住して以降食べてないので、あのちゅるちゅる感が少し恋しくなってきました。やっぱブン(細丸い米麺)とそうめんは別物なんだよな…。
実食。確かな技術と美味しい親子丼
今回は同行者が居るので、複数のメニューを食べられるぞ。1品目は「鳥藁焼きサラダ (Salad Gà Hun Khói)」119,000ドン。
メニューには「藁焼き」とありますが…まあ、藁焼きでは無いでしょう。特有の香りがしないし、単にスモークチキンの誤訳かな?とはいえ、しっとりしつつ弾力もある美味しいチキンです。下味もしっかり。
ドレッシングはごまベースながら柑橘の酸味もある。柚子ごまドレッシング的な感じかな?ベトナムの日本食屋で出会うドレッシングはほぼごまドレなので、こういうちょっとした変化球が嬉しかったりするのです。
この白いの何かな?と思ったらポテトサラダだった。なんて気が利いてるんだ!最初はこのチキンサラダとポテトサラダで迷っていたのですが、結果として両方味わうことができました。
この店に来たからにはやっぱり串。「5種串盛り合わせ (Set 5 Loại Xiên Nướng)」119,000ドン。特に味を指定しなかったところ、塩味で提供されました。見るからにずっしり重そうで食べ応えありそうな、大ぶりでダイナミックな串打ちが嬉しい。
意図した食べ方でないことは理解しつつも、シェアするために一旦串から外しました。さて、焼き鳥で重要なことと言えば火入れですが、こちらのお店はそれもばっちり。
焦がさない&火が通り過ぎないよう、しっかり計算された火入れであることが分かります。余熱を効果的に使っているのか、外はパリッと、中はジューシー。
強いて言うならお店の冷房が結構強いので、冷めないうちに串のままバクっといただきたいところ。やっぱり串からは外さない方が良かったな…と反省&後悔。
「親子丼 (Cơm Gà Sốt Trứng)」109,000ドン。チキンづくしですね。専門店の親子丼を思わせる、美しい親子丼です。
これが思わぬ伏兵メニューでした。焼き鳥と同様絶妙に火入れされた弾力たっぷりで噛むほどに旨味を感じる大ぶりグリルチキンに、ご飯が進むこってり濃い目の味付け。めちゃウマです!
もうちょっとつゆだくの方が好きかな、とか、もっと半熟の方が好きだな、とかはありますが、まあ好みの範疇でしょう。そもそも半熟卵はイセエッグのような生食可卵じゃないと怖いし(それ言ったらローカル食堂の目玉焼き乗せ豚肉グリルご飯とかも食べられなくなってしまうのですが)。
いやあ美味しかった。日本人界隈でプチバズリしているお店みたいですが、それも納得!割とガッツリ食べましたが、1人あたり20万ドン程度で大満足でした。
ちなみに、「Kigen Yakitori」の近くにはラーメン屋もあります。一見珍妙な店名も含め色々と気になってしまうが、ローカル系ラーメンは結構博打なので怖いんだなあ…。