ベトナム最大の都市であるホーチミン市で建設中・計画中のホーチミン地下鉄(ホーチミンメトロ)。路線数は計画として6路線ありますが、現在建設中かつ開業間近とされるのが、ベンタイン地区から新東部バスターミナルまでの19.7kmを結ぶメトロ1号線。
しかし、開業は遅れに遅れ、「メトロを一目見たかった…」と嘆きながら帰任していった駐在員は数知れず。
前回の記事では「ベンタイン駅」から「アンフー駅」までを紹介しましたが、その後編です。先にお伝えしますと、後半に行くにつれ情報量が減っていきます。だって普段行かないエリアだし、そもそも駅前に何もないんだもん…
でも、数年後には様変わりするかもしれないし、開業前の姿として貴重な記録となるはず…なるといいな…
と、いうわけで各駅紹介を再開します~。
【ホーチミン地下鉄1号線】駅一覧
まずは1号線の駅一覧をおさらい。本記事では「ラックチエック駅」から「スオイティエンバスターミナル駅」までをご紹介します。
# | 駅名 | ベトナム語 |
---|---|---|
1 | ベンタイン駅 | Bến Thành |
2 | ホーチミン市民劇場駅 | Nhà hát Thành Phố |
3 | バソン駅 | Ba Son |
4 | ヴァンタイン公園駅 | Công Viên Văn Thánh |
5 | タンカン駅 | Tân Cảng |
6 | タオディエン駅 | Thảo Điền |
7 | アンフー駅 | An Phú |
8 | ラックチエック駅 | Rạch Chiếc |
9 | フオックロン駅 | Phước Long |
10 | ビンタイ駅 | Bình Thái |
11 | トゥドゥック駅 | Thủ Đức |
12 | ハイテク区駅 | Khu Công Nghệ Cao |
13 | 国家大学駅 | Đại Học Quốc Gia |
14 | スオイティエンバスターミナル駅 | Bến Xe Suối Tiên |
ラックチエック (Rạch Chiếc) 駅
屈指のおしゃれエリア・アンフー駅のお次はラックチエック駅です。ここから旧トゥドゥック市。
突然駅前が地味になりました。何も見所がないな…
フォード・トヨタ・ビンファストといったカーディーラーが固まっているほか、道路の向かいにはゴルフ場や運動場があるっぽいです。
「Rạch」は運河という意味。駅の北にはラックチエック橋 (Cầu Rạch Chiếc) があります。
次の駅までも歩けなくはないので、橋を渡って行きましょう。
当然歩行者なんていないわけですが、バイクや車のドライバーからどう見られていたのだろうか…
フオックロン (Phước Long) 駅
ラックチエック駅に輪をかけて、駅前に何もありません。どこにでもあるような路上カフェすら無い。
しかも道路が砂だらけなせいで、車が横を通ると全身砂埃にまみれることになります。体を軽く掻いてみると爪に砂が挟まります。
セメントなどの製造を行うVICEM HÀ TIÊN社の工場が駅目の前にあります。ここで働く人にとっては便利か…?
他、駅周辺にあるものは、地場系物流大手のジェマデプト (GEMADEPT) 社による港湾ターミナル。2019年には住友商事が出資参画するなど、日本との関わりも微妙にあったり。
地味なエリアだと思ったけど、ロジスティクスの一大拠点だったのですね。
ビンタイ (Bình Thái) 駅
バイタクで移動してきました。駅前には個人商店や路上カフェなどあり、少し安心。
また、この駅は入り口付近の舗装がしっかりできていますね。
今更だけど、駅の見た目が全部同じだな… 「この駅はどこでしょう」クイズができそう。
駅近くにLavita Charmというコンドミニアムがあります。住民にとってはメトロ開通で便利になる?
トゥドゥック (Thủ Đức) 駅
お次はトゥドゥック駅。市名を関するだけあって、駅周辺はなかなか栄えています。
おしゃれなカフェなんかもあり、深堀りすると面白そうなエリア。
早速散策してきたので、今後動画を作成予定です。
ハイテク区 (Khu Công Nghệ Cao) 駅
南部主要経済圏のハイテク産業の開発促進を目的として、2002年に設立されたサイゴン・ハイテクパーク(SHTP)。その最寄り駅です。
場所的には旧9区。
インテル、日本電産、NTT、サムスン電子などが集積しているとのこと。自分飛び込み面接いいすか?
何にせよ、ホーチミン市中心部や旧2区から通勤していた人や出張者にとってはだいぶ便利になるのでは。
駅とハイテクパークは高架で接続されます。まあ、これで接続しなかったら「なんでやねん」ってなりますよね。
国家大学 (Đại Học Quốc Gia) 駅
日本語版Wikipediaだと「スオイティエン公園駅」となっていたのですが、実地に行ってみたら「国家大学駅」となっていました。
確かに、駅近くにベトナム国家大学ホーチミン市校情報技術大学(UIT)がありますね。
観光目的なら奇怪遺産ことスオイティエン公園だけで十分お釣りが来ますね。行ったことはなーい…
スオイティエンバスターミナル (Bến Xe Suối Tiên) 駅
いよいよ終点!国家大学駅から勇んでバイタクに乗った…はいいのですが。
どうやら2駅の間で、道路の東側で並走している状態から西側に移動しているようで、駅の位置がこれまでと反対側になっています。(バスターミナルと接続するためか)
これだけの広さ・これだけの車通りの道路を横切る勇気は到底ありません。。
と、いうわけで、道路の反対側に行くだけのために泣く泣くタクシー移動しました。ちくしょうだよ…
紆余曲折あり、終点・スオイティエンバスターミナル駅に辿り着きました。草ぼーぼーじゃないですか
終点ということで、他の高架駅と構造は異なり、プラットフォームは1フロアのみ。(島式?)
2020年に開業した、新ミエンドン(東部)バスターミナルと接続します。メトロでここまで来て、バスで更に移動する…という構想みたいですね。
住所はホーチミン市(トゥドゥック市)を飛び越え、ビンズオン省ディーアン市。
路線バスもここから出発します。メトロ開業前でも、ここからホーチミン市中心部と行き来できますね。
せっかくなのでバスターミナルを覗いてみることに。運用自体はされているものの、フル活用されているとはまだ言えない状態ですね。
バスターミナルの将来図。また、メトロ自体もここから延伸する予定のようです。
【ホーチミン地下鉄1号線】開業したらどう使う?
ホーチミン地下鉄1号線の全駅を1日で巡りました。いやー疲れた!
合間合間でバイタクを使いましたが、トータル2万歩くらいは歩いたんじゃないだろうか…
ホーチミン市内の移動、何だかんだで配車アプリが超有用だし、路線バスも乗りこなせれば色んなところに行けるので、メトロ1号線だけが開業したとて利便性を享受できるだろうか…?
というわけで、当面の使い道を考えてみました。
メトロとGrabなどを組み合わせることで効率よく移動できそうな気はしますね。
今後沿線が開発されてレジデンスなどできればベッドタウン需要も生まれそうな気がしますが、どうだろうか…
と、色々言いましたが、メトロ開業を楽しみにしています。これをきっかけに渋滞の解消や経済・観光の発展に繋がることはもちろん、日本企業のベトナム進出についてもますます盛り上がっていくといいナ~