路地裏の田舎風レストランで、ホームステイ気分を楽しもう*Đào Liễu@3区

ベトナム料理

ベトナム・ホーチミン市での慌ただしい都会暮らし。そんな日々の疲れを癒す、ノスタルジー溢れる個性的なカフェやレストランが人気を博しています。先日も、フーニャン区のカフェ「Ní」をご紹介しました。

今回は、よりホーチミン市中心部に近い、個性的な古民家レストランをご紹介。もともとは中南部高原地方の避暑地・ダラットにお店を構えていたそうなのですが、そちらは2024年9月に閉店。その後、2024年10月にホーチミン市にて移転オープンとなりました。

オープンして間もないこともあり、「タンディン教会」や「タンディン市場」といった日本人にも人気のスポットから徒歩圏内であるにも関わらず、外国人にはまだ殆ど知られていないであろうお店です。

本記事では、ホーチミン市3区のベトナム料理レストラン「Đào Liễu」をご紹介します。

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「Đào Liễu」の場所・外観

ホーチミン市3区・フインティンクア (Huỳnh Tịnh Của) 通りにやって来ました。日本人にもおなじみ「タンディン市場」から徒歩5分ほど。

「Đào Liễu」が位置するのは、こちらのヘム(路地裏)の中。道がかなり入り組んでいるので、マップをよく見ながら進んでいきましょう。

静謐とした雰囲気漂う路地。お寺があり、どこか神秘的な空気もあります。その中に隠れ家的なカフェやレストランが点在しており、そんな一角に「Đào Liễu」はあります。

到着しました。古民家のような外観が特徴的。

夕方の薄闇にぼうっと浮かぶ、温かい光が目印です。

「Đào Liễu」の内装

レストランは1階(日本の2階)にあります。この階段、築50年近い実家の階段よりも急だな…(自分語り)。足元には注意しましょう。

店内はこんな感じ。ベトナムにおける「田舎のおばあちゃん家」ってこんな感じなんだろうな…と、体験したことも無いはずなのに想像ができてしまう、郷愁漂う趣たっぷり空間。

17時半に入店したところ、我々が一番乗りでした。座席数はそれほど多くなく小ぢんまりとしたお店なので、可能ならMessengerやインスタ等で予約しておいた方が良いかも。

なお、お店は20時閉店と早いので、注意。

特徴的なのはこちらのスペース。座敷に座り、床に置いた料理を皆で囲んでいただきます。同行してくれた友人(ベトナム人)も「田舎のおばあちゃん家に行ったときはこうやって食べてた」とのことで、昔ながらのリアルな光景がここにある。

ちなみに友人曰く、祖母宅での食事中は私語厳禁だったそうです。いや、食事中にテレビやスマホを見るな、なら分かるけど、「喋るな」は厳しすぎる…!

店内では、程よい音量でチェオ(ベトナム民謡)が流れ、まさしくホームステイ気分を味わうことができます。

「Đào Liễu」のメニュー

メニューは、複数人向けのセットメニューが3種類と、アラカルトメニューが用意されています。4人以上ならセットメニューが良いんじゃないかな?

アラカルトメニューは上記の3ページ。英語併記なのが嬉しい(メニューによってはぼんやりした英訳だけど)。

値段表記の「nghin」は1,000のことなので、例えば「120 nghin」なら12万ドンですね。価格も全体的にリーズナブルで、ローカルの小綺麗なレストランと同水準。

ちなみにドリンクメニューは無いようです。代わりに冷たいお茶を出してくれますよ。

実食。日本人の口にもよく合うお味

注文した3品の料理が、「Mâm(マム)」と呼ばれる伝統的なお盆に乗せられて、同時に提供されました。親族の集まりなんかで大皿料理がまとめて出される感じを思い出して、ノスタルジーを感じる。

ご飯も注文。「Cơm trắng | nhỏ(Mサイズ)」30,000ドンです。

写真だと分かりにくいですが、2人でシェアするには少し多め。小さいお椀4〜5杯分はあるんじゃないかな。3人で分けてちょうど良さそう。

Kho quẹt rau củ90,000ドン。温野菜を、豚バラ肉と干しエビ・魚醤・砂糖などを煮込んで作ったソースに、ディップしていただきます。メコンデルタ地方の料理とのこと。

食べて驚き。野菜をソースに軽くディップしただけでも感じられる、ガツンとした甘じょっぱさと、豚の脂・エビの旨味。温野菜という素朴な料理でありながら、これだけでご飯が進んでしまう。

メインディッシュは「Sườn sốt lá chanh120,000ドン。スペアリブを、ライムリーフ(レモンに似た香りを持つハーブ)を使ったソースで煮絡めた一品です。

噛むとさっくり食感、脂の旨味と肉汁がジュワっと溢れ出るスペアリブに、ライムリーフの爽やかな香りを纏った甘辛味で、これまたご飯泥棒すぎる…。結構濃い目のお味ですが、日本人であれば間違い無く気に入る味付けでしょう。酒が欲しくなる方もいるかも知れませんが、残念ながらこちらのお店でアルコールの取り扱いはございません。

スープ料理「Canh chua mẻ dọc mùng nấu cá basa90,000ドン。「Canh chua(カインチュア)」は主にベトナム南部で食べられる、タマリンドを使った甘酸っぱいスープですが、こちらのメニューは英訳の「Northern Vietnamese Soup」の通り北部風に味付けしたもの。

バサ(川魚の一種)が入ってます。とろとろで、脂が乗っていて美味い。

白濁した見た目は「Cơm mẻ(メー)」と呼ばれる、米を発酵させて作られたベトナム北部の伝統調味料によるもの。日本で言うところの麹に近いですが、独特の酸味を持ちます。

で、個人的にはこちらのスープが本日一番のヒットでした。北部風の味付けということで甘さは控えめであり、ほどよい酸味と上記の発酵米によって加わったミルキーさが絶妙で、ついつい同行者の分まで飲み干してしまった…。

補足として、ハーブの一種であるディルがスープに入っており、人によっては少し癖を感じる味わいです。ただ私の場合、香りの強い香草が好きなものですから、むしろ食欲を増進させてくれました。また飲みたい…と思える味でしたが、如何せんホーチミン市だとお目にかかれる機会が少なそうなメニューだな…。

「Đào Liễu」の店舗情報

お店の名前 Đào Liễu
住   所 27/27 Huỳnh Tịnh Của, Phường 8, Quận 3, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 10:00 〜 15:00、17:00 〜 20:00
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