ホーチミン市は絶賛抹茶ブーム中である一方、和菓子を目にする機会はさほど多くありません。
先日、練り切りやいちご大福を出してくれるお茶専門カフェを見つけましたが、それは中々のレアケース。一応、サイゴンっ子達に大人気の抹茶カフェ「JAPANIT MATCHA CAFE」や、シンガポール系日本食レストラン「MORICO」でもそれらしきメニューはあると言えばあるのですが…。
そんな折、アイスクリームに白玉やわらび餅をトッピングした、和菓子・和スイーツからインスピレーションを受けたと思わしきデザートを出すお店を見つけました。
本記事では、ホーチミン市1区にあるデザートショップ「Cà Mèng Dessert」をご紹介します。
「Cà Mèng Dessert」の場所


やって来たのは、1区・ダカオエリアにあるファングー (Phan Ngữ) 通り。路地に入るとおしゃんなカフェやバーが沢山あり、良い雰囲気です。アパートらしき建物も多いですが、外国人も入居できるのだろうか。

「Cà Mèng Dessert」があるのは、こちらの集合集宅の2階。店の看板はありますが、知らなければスルーしてしまいそうな存在感です。

看板に描かれているのは…クリームあんみつらしきものにいちご大福。これは、「本格派和スイーツカフェ」と見なして宜しいか?


「ひとんち」感が半端なく、足を踏み入れることを躊躇してしまいますが、よく見ると「階段を上がって左に曲がりなされ」との指示があります。
で、開店時間(平日13時)まで待って上のフロアまで上がったのですが…

誰も居ない。鍵は開いているのだが。
ここで同行者が機転を利かせ、お店のアカウントにDMして連絡を取ってくれました。すると、オーナーらしき人物から「Yes, we’re open!」と即レスが。いや、まあたしかに店(のドア)は開いているけども。
どうやらこの時はオーナー不在であり、スタッフ一人だけで店を回している模様。「多分ランチに行ってるんじゃないかな」とのことで、まあ…よくあること。

「店の中で待ってて良いよ」とのことなので、お言葉に甘えることに(勝手に電気もつけた)。この状態で店を空けられるというのは治安が良いことの証左でもある…かもしれない。


店内の雰囲気はこんな感じ。一応映え狙いの内装だとは思うのですが、椅子の並びが雑然としてたり(撮影したかったので直した)、テーブルの掃除が甘かったりで、開店時点でこれはなんだかなあ。
そうこうしているうちに、スタッフ(若い男の子)が店に戻ってきたよ。では注文。
「Cà Mèng Dessert」のメニュー


「Cà Mèng Dessert」のメニューはこちら。イラストがKawaiiですね。
内容は、アイスクリームに白玉やらわらび餅が盛り盛りになったセットに、いちご大福・フルーツ大福とな…!?なお、アイスクリームはバニラ/チョコ/抹茶の3種類から選択可能です。


写真付きのメニューもあります。焼きバターブレッドに、2010年代以降日本で広まった「萌え断」タイプのフルーツサンド。しかもフルーツサンドのクリームはクリームチーズらしく、これは美味そうな響き。あまり写真には惹かれませんでしたが…。


…君たち、イラストと何か違わない?一応、薄っすらと黒蜜がかかっているように見えるので、あんみつ感は健在。
その他、ドリンクメニューもあります。いずれもこってり&甘い系。
実食。わらび餅が予想以上に美味

着丼。小サイズのお茶碗に盛り付けられており、イメージしていたよりもポーションは小さめでした。

私が注文した「Set 4」125,000ドン。中身は、アイスクリーム1スクープ・フレッシュフルーツ・白玉です。盛り付けはもうちょっと頑張って欲しかった

同行者の注文した「Set 1」135,000ドン。「Set 4」の内容に、わらび餅が加わります。また、アイスの上にトッピングされている最中のようなものも気になる。

その他、飲み物も注文しました。「Soda dâu tươi(フレッシュストロベリーソーダ)」55,000ドンに、「Hồng trà ngũ vị(五味紅茶)」55,000ドンです。

では実食。ホイップクリームがだらんと身を投げ出すかのようで段々セクシーに見えてきた。

和スイーツを和スイーツたらしめる白玉。コイツのために今日ここに来たと言っても過言では無いのですが…えっ、固い。
これは…やったな?おそらくは前日に仕込んだものを使っており、保存の仕方が悪かったのでしょう。もしくは、たっぷりのお湯で茹でていないか。

一方で、同行者から恵んでもらったわらび餅、これはうんまい!ぷるぷる食感で、特に非の打ち所もありません。わらび餅単品での販売もしているので、持ち帰りで購入してお土産にするのも良いかも。


いちごもマスカットも、酸味は殆ど無く日本原種のものを思わせる強い甘みを持ちます。日本産のものでは無いでしょうが。

なお、「Set 1」にトッピングされていた最中の皮のようなものは、クッキーだったようです。まあ、流石に最中の皮は簡単には手に入らないか。
後日、同僚から「私が行ったときは普通にもちもちしてて美味しい白玉が出てきた」とのタレコミがありました。店員も複数人居たとのこと。
これを考えると、オープンと同時に行くよりも、夕方〜夜の時間に行く方が良さげ!?そうすれば、茹でたてのもちもち白玉にありつけていたかもしれません。
何にせよ、しばらくはオーナーもしくはそれに準ずるような人が常駐し、クオリティ(食べ物・サービス共に)をコントロールできるような体制にした方が良いと思った。
せっかくホーチミン市では希少な白玉やらわらび餅を出してくれるお店なので、是非質を向上させて欲しい。さもなければ「私が本物の和スイーツってやつを食べさせてやりますよ」みたいな台詞を言ってしまいそう(美味しんぼ的なアレです)。