私の暮らすここベトナム・ホーチミン市では、ありがたいことに数多くの日系飲食チェーン店が進出しています。
日本人からすると、日系のお店といえば間違いなく安牌な選択肢。馴染みのある味とサービスに安堵することでしょう。
しかしながら、日本で比較的名の知れたチェーン店であるにも関わらず、Googleの口コミが★3.2と、評価が割れているレストランを見つけてしまいました。
まあ確かに、企画やマネージメント等を徐々にベトナム側に引き継いでローカライズしていく過程で、うまく統率がなされずサービス品質が低下してしまうこともあるかもしれません。とは言え、Googleレビューで★3台前半というのは、かなりの賛否両論が予想されます。
うーん、気になる。行ってみたい。行った!(フッ軽)
【2025年3月追記】現時点で当該レストランのレビュー平均は★4.0となっています。また、タイトル含め大幅に記事をリライトしました。
席に着いて気になったコト
今回取り上げるレストラン…仮に「A」としましょう。「A」と言えば、日本ではショッピングモールなどの商業施設内で主に見られるイタリアンレストラン・チェーン。ここ、ホーチミン市でも某ショッピングモールのレストラン街の一角に入居しています。
と、いうわけで今回はいきなり「A」の店内からお送りします。仲良しの同僚(=Tさん)に同行してもらったので、二人で入店。

黒の天井に、コンクリート打ちっぱなしかのような壁の組み合わせは一見無骨に見えるかもしれません。しかしながら、木目のテーブルや真紅のソファが明るい雰囲気を与えてくれており、居心地良い空間となっています。日本における「A」のカジュアルなブランドイメージと比べると、高級感が増している印象。

と、まあお店の雰囲気は決して悪くないのですが、店内はガラガラであるにも関わらず、妙に狭苦しい席に通される。4人席を使わせてくれても良いんじゃないかい…?

「何だろう、悪くはないんだけど、この洗練さに欠ける感じは」「皿に年季を感じるので、そのせいじゃないですかね」
「ちょっと、見てこのフォーク…w」

うわああああ、何かこびりついておる…。これはもう、洗練されていないとかいうレベルではなく明確にマイナス。

「A」のベトナム展開を担っているのは、ショッピングモールでよく見られる「KING BBQ」「KHAO LAO」「SUSHI KEI」などの飲食ブランドを手掛ける「Redsun ITI」という会社である模様。


「クリームソス」「サラダ(※大嘘)」など、メニューの日本語には誤りが散見されます。日本人による監修は、残念ながらもう入っていないと考えた方がよさそう。
もちろん、オペレーションのローカライズが進んだとしてもクオリティを損なっていないお店だって沢山あるので、「日本人の監修が無い=ダメ」では決して無いことを留意する必要があります。
実食。味は平均的に美味しいよ

「オリジナルピッツァ」169,000ドン。チーズたっぷりで美味しそうなマルゲリータピザです。強いて言うならトマトの配置、偏りすぎでは?…と思ったけど、重箱の隅をつつくようなものですね。

一緒にケチャップとチリソースを提供されました。一方、タバスコは無し。ここはベトナムローカルスタイルでいくのね…。
なお、Googleレビューに「HEINZのケチャップボトルにCholimexのケチャップを詰め替えた」などの記述がありましたが、真偽不明。というか、どうやって確認したねん。
で、肝心の味ですが…美味しい。ベトナムは乳製品が高いのですが、たっぷりとチーズを使ってくれています。
ただ、色んな店を知っている人からしたら、「同じ価格帯でもっと美味しいピザは食べられる!」という意見もあるかもしれない。もう数万ドン出せば、日系レストランの希望の星・Pizza 4P’sにだって行けるものなあ。

「ピザの耳、せんべいみたいな味しません?」「言おうと思ってた。おかき的な。」
そう、何故か焦げたピザ生地がおかきみたいな風味を生み出しているのです。米粉を配合しているのだろうか…?これはこれで面白いし美味しい。

「スパゲッティカルボナーラ」169,000ドン。これは…ちょっと見た目イマイチかな。カルボナーラってこんなダマになってたっけ?

うん、うん…。すみません、これは微妙。とにかく味が薄く、輪郭がぼんやりとしている。あともう少しでカルボナーラに手が届きそうなのに、届かないこの感覚…!
それよりも、我々が気になったのが接客の質。「こちら、カルボナーラです」の一言も無く、無言でパスタを置いていきました。
「あえて絡みに行ってみる?」「『ねえねえおねいさん、ピーマン食べれる~?』」「『ブンボーにはチリ入れるタイプ~?』」「ベトナム版しんちゃんだ」
別にローカル食堂だったら、けんもほろろに「(タァン!)」と皿を叩きつけるように食事を出されても良いのですが、ここは「レストラン」なのだから、さ…。

「バーニャカウダ」89,000ドン。ソースが、レンジでチンして焦がした後みたいになっているのが気になる。

あっ、でも美味しい。というか、野菜が美味しい(※身も蓋もない)。
総合的には「★3.2ってほど悪くはないよね」というのが我々の意見だったのですが、上述の通りいくつか気になった点があったことも確かです。
正直「A」の日本本社側も、ベトナム側にライセンスだけ与えて丸投げするのは良くないんじゃないかなあ。ベトナムに進出したチェーンで失敗して撤退するのって、大抵「現地のパートナーに任せとけばいいや〜」という意識から抜け出せずにコケるパターンだから。
ただまあ、意外と店は賑わっていました。おそらく、このエリアほぼ唯一のイタリアン(というより洋食)だからでしょう。
全然関係ないけど余談(注意喚起)
食後、Tさんとショッピングモール内をうろついていると、事件が。
『エクスキューズミー!俺っちドバイから来たんだけどー、この辺でいいアラビックレストラン知らない?』『えー、日本人なんだ。コンニチワー!(※日本語)』
謎の外国人男性2人組に話しかけられました。ああ、この妙に聞き取りやすい英語、自称中東系男性、日本人と聞いて反応する…
間違いない、かの有名な「日本円見せて詐欺」や…(参考)。
…が、「ベトナムに長く住んでる」と言ったら去っていきました。多分「こいつら日本円持ってねえな」と思われたのでしょう。
「まさか、令和5年にもなって「日本円見せて詐欺」に出会うとは思わなかったよね〜」「『地球の歩き方』で見るやつですよね」「『Do you know “地球の歩き方”?』ってね」
皆様も十分お気をつけください。商業施設内と言えど、油断は禁物!…全然関係ない話題で記事を締めてしまった。