韓国の回転寿司チェーン「Mikado Sushi(ミカドスシ)」がベトナム国内で店舗を増やしていることを以前ご紹介しました。
そして今月、その流れに乗るかのようにして、ホーチミン市に新たな回転寿司屋がオープンしました。早速行ってきましたよ。なお、在住日本人の大半は松屋のグランドオープンに沸いているかと思いますが、そちらは華麗にスルー。
本記事では、ホーチミン市・ビンタイン区の回転寿司店「Densha Sushi(デンシャスシ)」をご紹介します。
「Densha Sushi」の場所
やって来たのは、ビンタイン区・ウンヴァンキエム (Ung Văn Khiêm) 通り。ちょうど皆が帰路に着く時間帯であるため、激混み。
「Densha Sushi」は、こちらのビルの6階にあります。わざわざ大型の看板を設置するあたり、資本力の高さが伺えますね。
ベトナムのレストランにしては珍しく、公式サイトがあります(https化されてないけど)。現在店舗はこちらの1店舗のみのようですが、今後はフランチャイズ展開を考えている模様。サイトの言語に韓国語があるため、韓国系企業が噛んでいたりするのだろうか。
そして最上階にぶら下がる巨大サンタ人形。デカ過ぎんだろ…。アレの小さいバージョンを「ノミヤCafé」でも見たけど、サイズ違いなんてあったんだ。
案内に沿って、ビルの中に入っていきます。写真で見ると怪しさ全開ですが、カメラのホワイトバランスがおかしくなっただけです。
こちらのエレベーターで6階まで上がりましょう。
「Densha Sushi」の店内
日系のお店ではありませんが、「いらっしゃいませ」と出迎えられ、カウンター席に通してもらいました。
卓上にはらっきょう・わさび・ガリがあります。また、お冷は無料。席に着くとおしぼりが出されたのですが、そちらも特に課金はされませんでした。素晴らしい!
店内は明るい木目を基調とした、「和モダン」といった感じの雰囲気。障子のようなデザインのペンダントライトと、天井に沿うようにして室内から屋外に突き抜けるような見た目をした格子柄の照明がインパクトあります。
満席になることも想定しているようで、店内に入ってすぐの場所にはウェイティングルームが。
…その割には店内ガラガラですが。「Mikado Sushi」が連日混雑しているから、こちらも満席では無いにしろ賑わっているものだと思ったら、そんなことはなかった。
店員さん以外は男女二人組が居たのですが、男側がものすごい望遠レンズを使って女性を撮影していたので、インフルエンサーとカメラマンかなんかでしょう。
オープンしたばかりのベトナムの飲食店やカフェは大抵、広告費を費やしてインフルエンサーマーケティングを行います。「Mikado Sushi」を宣伝するショート動画などが既にいくつか見られました。
あとは、Googleマップに大量のサクラレビューを投稿させて、評価平均を吊り上げることもよくありますね。レビュアーをよく見ると、大抵これまでのレビュー実績が1〜3件程度しか無かったりします(通称「1レビュ」)。まあ、ベトナムの商慣習だと言ってしまえばそれまでなのだけど。
ボックス席は2つだけあります。基本的には少人数で訪れた方が良さそう。
屋外席も見せてもらいました。こちらに座る場合、全てテーブルオーダーとなります。
ビルの外から見えていた巨大サンタとここでご対面。伏線回収ですね(伏線の意味を間違えている)。
こちらは「Densha Sushi」のロゴ。店名のとおりに鉄道があしらわれていますね。この、カーブを描いたフォルムは新幹線を意識していたりするのだろうか。
「Densha Sushi」のメニュー
「Densha Sushi」のメニューはこちら。全皿27,000ドン均一であり「Mikado Sushi」と同様ですが、あちらとは異なり金額にVAT(付加価値税)が含まれているため、総額は「Densha Sushi」の方が少し安くなります。
食べたいネタが回っていない場合、オーダー票に記入してね、とありますが、実際は店員さんがオーダーを聞いてくれました。まあ、客が少なかったしスタッフも多かったから余裕があったのでしょう。
チャミスルやらソジュなどの韓国焼酎を置いているのは、やはり韓国系の「Mikado Sushi」を意識しているのだろうか。
うーん、回ってくるネタに惹かれるものがあまり無いな。というか、ネタの中に生のマグロが無いってどういうことよ…。ベトナムではサーモンの方が人気なのは分かっているけども。
実食。うどんが気に入った
それでは第一弾。サーモン・イカ・うなぎチーズロールです。
味噌汁は席に着いたタイミングで提供され、無料です。おかわり自由ではないものの、「Mikado Sushi」と違って豆腐やわかめなどの具材が入っているのがGood!ちゃんと出汁の味がする美味しい味噌汁です。
ではまずサーモンから実食。…うん、シャリがめっちゃ団子!「Mikado Sushi」のシャリは日本の回転寿司のものに近いクオリティで、口に入れるとほろっと崩れる仕上がりだったのだが…。ネタそのものの鮮度やみずみずしさは問題無し。
こちらはイカ。おろし生姜を乗せたものに照り焼きソース?をかけた、一風変わった組み合わせでしたが、意外にも喧嘩せずに調和していた!
うなぎチーズロール。うなぎがちょっとパサついていたので、もっとタレを塗ったほうが良いかな。とは言え一皿27,000ドンでうなぎが食べられるのだから、そこまで気にならない。
第二弾。スズキ(シーバス)・カニカマいなり・海鮮うどんです。
うどんは店員さんにオーダーすれば持ってきてもらえます。お茶碗にちょこんとおさまったうどん、可愛いし量的にもちょうど良い!
麺はやわやわなのですが、却ってそれが実家で食べたインスタントのうどんを思い出してすごく安心感がある。あれ…今日食べたものの中で一番好きかも…。
27,000ドンですが、海老やかにかま、わかめ、なるとなど色んな具材が入っていて嬉しい。
スープはかなり甘め。九州風ですね。
最後にデザートでも…と思ったのですが、メニューにデザートが無かった。代わりに玉子を食べました。優しい甘さで良い。
7皿でお腹いっぱいです。お会計は189,000ドンだったので、「1皿27,000ドン」の中にVATも含まれていたことが分かりました。
なお、帰り際に「Densha Sushi」のマネージャーさんから「日本人ですか?」と日本語で声を掛けられました。日本語話者の方が居るということは、将来的には日本人もターゲットにするつもりなのかしら。
まとめ&「Densha Sushi」の店舗情報
ホーチミン市・ビンタイン区の回転寿司店「Densha Sushi(デンシャスシ)」をご紹介しました。
木目を基調とした明るい雰囲気の店内が好印象でした。スタッフの数も多かったので、混雑時のオペレーションもそこまで混乱はしないことと思われます。
中身の点では、随所で「Mikado Sushi」を意識したシステムになっているかな、と感じました。メニューの数やクオリティではあちらに軍配が上がりますが(※別に争っているわけではない)、価格面ではVAT込みということで「Densha Sushi」の方が少しだけ安い。
ただ、あれだけインフルエンサーに動画を作らせたりGoogleレビューで工作(と、あえて表現します)している割に客入りはイマイチだったな。金曜の夜だったのですが、19時半くらいまでに私の他の客は一組だけでした。まだオープンして間もないので、これからどんどん認知されて客入りが良くなるといいのだけど。
それにしても、日本人として気になるのは「日系の回転寿司チェーンはいつベトナムに来るのか?」ということ。特に、ASEANではシンガポール・タイ・インドネシアに出店済のスシロー。ベトナムでの回転寿司ブームを見込んで、どうかなにとぞ。
余談ですが、隣の「PAX SKY」というオフィスビルには、「業務スーパー」のホーチミン市3号店があります。また、意外なところに出店したな…。