ここ、ホーチミン市では最近、抹茶を取り扱うカフェが増えています。単に抹茶風味というだけのドリンク・スイーツのみならず、日本産の抹茶を使用する本格的なお店も。
今回紹介するカフェ「Daudo Cafe(ダウドー・カフェ)」もそのひとつ。お店があるのはタンフー区 (Tân Phú) と、中心部から離れてはいますが、気になるので行ってみました。
「Daudo Cafe」の場所
路線バスに乗り、タンフー区・ルイバンビック (Lũy Bán Bích) 通りまでやって来ました。普段聞かない名前ですが、ベトナムにかつて存在した城塞に由来する名前とのこと。
なお、30番のバスに乗れば、在住邦人にもお馴染みタオディエンエリアやファンビッチャンエリアからバス1本で来ることができます。
なお現在、朝8時。何度も言っていますが、お洒落カフェは開店と同時に行くこと、これ、ギャルの鉄則。
Google先生がここを通り抜けろと言うてます。
バス停から3分ほど歩き、「Daudo Cafe」に到着。煉瓦のような、赤みがかった茶色の外壁が目印です。和を意識したと思われる丸窓が目を引きますね。瓦を模した庇もお約束と言えばお約束ですが、とてもキュートです。
ところで店名の「Daudo」はどういう意味だろうか。「Đậu đỏ(小豆)」のことではないよね…?もしそうだとしたら、店名は小豆なのにフィーチャーするのは抹茶ということになってしまう。なお、抹茶以外にはバンメトート産のコーヒーも取り扱うようです。
店頭では持ち帰りのドリンクも提供。
「Daudo Cafe」の雰囲気
内装は、金魚を模した華やかなモビールこそあれど、基本的にはモノトーンに暗褐色を基調としたシンプルな空間。「DOME ドームカフェ」も「Yakishime」も白黒基調だったし、和カフェ界隈のトレンドなのだろうか?華美を徒に求めない、侘び寂びの心ですね。
細(ささ)やかなり、いとうつくしお座敷席。
こちらの座敷席にはなぜかジェンガが。店内でボードゲームが出来るなんて、いつまでも居座っちゃうよ。
なんと言っても気になるのは、客席を彩るジオラマ!日本庭園をイメージしたであろう箱庭、いとうるはしです。
カウンターに至っては1席1箱庭(謎の単位)。…が、よく見るとゴミが結構混じっているのであまりガン見しない方が良いです。うーむ。
蜘蛛のフィギュア…?どうやら、ハロウィン当日、店内中が蜘蛛と蜘蛛の巣で飾り付けがされていたようです。ふと感じるハロウィンの残り香、いとをかし。
「Daudo Cafe」のメニュー
「Daudo Cafe」のドリンクメニューは公式インスタで公開されています。
日本語が併記されていますが、おそらく店員さんは日本語をお話しにならないものと思います。あくまで日本らしさの演出、ふいんき(死語)ですわね。
その他、スイーツメニューも!私より先にここを訪れた人曰く、夜は軒並み売り切れだったそうなので、甘味を楽しみたい方は早い時間に行きましょう。
茶筅でお抹茶を点ててもらいます。やっぱり、過程が見えると期待が高まりますよね。
通常使用しているのは、銀色の袋に入ったいかにも業務用といった感じの抹茶ですが、傍らには「中村藤吉」や「一保堂」などの京都産抹茶が並び、おそらく追加で料金を支払うことでこれらの抹茶にグレードアップできるのだと思われます。
水点て抹茶ラテ&ティラミスを実食
やって来ました。「Matcha Cold Whisk(抹茶コールドウィスク)」65,000ドンです。ドリンクが提供されることでジオラマが完成する、という寸法か…。
「コールドウィスク」って何やねん、という話ですが、「Whisk」は小箒や泡立て器の意で、そこから転じて茶筅のことだと思います。自然な日本語にするなら「水点て抹茶」ですかね。
トッピングの茶葉がインパクト大。中国種のなかでもかなり大きなサイズではないか?また、豪勢にも金箔を使用した、煌びやかなドリンクです。
ドリンクとしては、実質的には抹茶ラテです。牛乳かオーツミルクを選べるとのことだったので牛乳を選びましたが、本音を言えば水で点てた冷抹茶をそのままいただきたかった…。
甘さの足されていない、無糖の抹茶ラテ。ベトナムに限らず暑い地域は何でも甘く味付けする傾向にありますが、素材そのものの豊かな風味と苦みをも楽しむ土壌がいつの間にか醸成されていたようです。
ところで会社の若い子たちが「ベトナム人はよく『日本の抹茶は海藻みたいな味がする、台湾の抹茶は飲みやすい』と言ってる」というような話をしていたのですが、そんなこと無いよ…?多分それは偽物だから本物を飲んでくれ!
「Tiramisu(ティラミス)」70,000ドン。やっぱり茶葉のインパクトがすごいな…。
卓上の緑化がどんどん進んでいき、目に優しい。
洋酒がふわっと香る、甘さ控えめでオトナ味の抹茶ティラミスでした。水分量が結構多いので、口の中でじゅわっと溶ける感じ。
「Daudo Cafe」の店舗情報
ホーチミン市・タンフー区の和風カフェ「Daudo Cafe」を紹介しました。
内装やトッピングなどから「和」を彼らなりに再解釈したことが伝わり、日本人の視点からしても新鮮な気持ちで楽しむことができました。
また、居心地も良いです。白を基調とした明るい店で、BGMも程よい音量のジャズで、朝活に訪れたい場所。9時以降はどんどん混み合ってくるので、是非朝一に行ってみてほしい。注文を受けてから抹茶を点てる関係で、混雑すると店員さんはかなり大変なのでは…といらん心配をしてしまう。
ただ、世界観の作り込みという点では、細部が少し甘く感じた…かも。どうしてもカウンターの中がごちゃごちゃして見えるため、何とかして隠せなかったかな、と思った。あと、ジオラマのメンテや掃除はしてるのか?という点も。この辺りの配慮は旧2区(タオディエン)の「茶寮さいごん」とかの方がしっかりしていた気がする。
とまあ、色々書きましたが、最終的には「中心部から離れたタンフー区にこんな面白いカフェがあったとは!」という気持ちで店を後にしました。バスに乗れば片道7,000ドンで来れるので、頃合いを見て再訪しようと思います。