とある華金の夜。在越邦人をはじめとする多くの人から寵愛を受ける中華の名店「大娘水餃」にて、同僚と餃子を貪っていたときのこと。
「この後チェー食べに行きません?3箇所。」
そんな「今夜星を見に行こう」なノリでチェーの食い倒れが決定。ホーチミン市の中華街・5区にあるチェーの名店3つ、回ってきました!
その① Quán chè Hà Ký(何記甜品店)
まずやって来たのは「Quán chè Hà Ký」。
ちなみに手前に写っているのは店舗専用の駐輪場であり有料なのですが、料金はまさかの「いくらでもいい」とのこと。試されている感MAXだな…
お店の看板。日本語で無理やり読むと「ハーキー」、漢字で書くと「何記甜品店」。中華料理屋を髣髴とさせる、僕たちを誘惑する赤と黄の派手な看板です。溺れたい…(?)
店内は中々の賑わいっぷり。ひっきりなしにお客さんが訪れます。2人~3人でいっぱいいっぱいな小さいテーブルなのですが、6人もの団体が訪れることも。
メニュー。漢字表記の方が分かりやすいまであるな…。「N」=温かいチェー、「L」=冷たいチェーです。その他、食事メニュー(といってもおやつみたいなもの)もあるよ。
無料のお茶。よく見るとリンゴのマークが… お、Apple製品か?
中華系のお店の例に漏れず、提供は爆速。私が注文したのは「Chè Mè Đen(芝麻糊)」3万ドン。
ほんのり甘く、どろっとした黒ゴマのスープです。ちょうど年明けだったから、お汁粉食べてる気分になったな~。白玉を入れて食べたい…。
その② Chè Cột Điện
次にやって来たのは、「Chè Cột Điện」。路地裏感が強いですが、一応メインストリートであるチャンフンダオ通り上にあります。
こちらのお店、何と80年以上の歴史があります。フ、フランス統治時代~~!!!(謎リアクション)
さらにユニークな点としては、お店の奥が変電施設となっていること。フランス統治時代、路上での商売は禁止されていたようで、それを避けるために変電所の中でお店を始めたのだそうです。
メニューはこちら。ベトナム語・中国語のメニューがあり、内容は同一。値段が記載されていないのでどきどき…
私が注文したのは「Đậu Hũ Hạnh Nhân」25,000ドン。何のことはない、お馴染み杏仁豆腐です。ちなみにかいしゃの人が注文したのは鶏卵と甘いお茶のスープ。カスタードのような味がしたとのことで、次行ったら試してみようかな…。
杏仁豆腐は大きめにカットされており、満足感たっぷり。ほんのりと甘く、味は日本人が杏仁豆腐と聞いて想像するものに近いかな?食べやすいです!さっぱりしていて汁まで飲み干せる…
お店には家族連れが多く訪れていました。一家での夕食後、デザートついでに夕涼み…って感じかな。いいな~。
その③ Chè Tường Phong
最後のお店は、「Chè Tường Phong」。
お店にはでっけえ最新型の冷蔵庫が2つも。儲かってますな~(邪推)
メニューはこちら。4ページあります。3店の中では唯一写真付きで分かりやすい。
私が注文したのは「Đậu Hũ Hạnh Nhân」22,000ドン。再びの杏仁豆腐です。中華風の器…シノワズリ?がかわいいねえ(おじさん口調)。
2店目とは異なり、既に1口サイズのひし形にカット済。甘さは控えめで、チェー食べ歩きの罪悪感も薄まる…。
大体のメニューは2万ドン前後とお手頃価格なのですが、1つだけ55,000ドンと飛び抜けたメニューが。
こちら、何かというとハスマ(雪蛤膏)、つまり「蛙のお腹の卵管」。蛙の子宮と卵巣を結ぶ、卵を育てるための器官です。高級薬膳食材であり、美容にいいらしいっすよ?
あと、我々の奥に座っていたカップルが二人でチェーを10杯くらい食べていたのが印象的でした。値段安いし、量もそんなに多くないので、わんこチェーも楽しめそう?
激動の歴史に思いを馳せたい
18世紀、ビエンホアの地を追われサイゴンに移り住んだものの、ベトナム戦争終結後は社会主義化と中越関係悪化に起因する緊張のため、この地を離れざるを得なかった多くの華人の人々。
今では再び活気があふれるようになった5区・6区の中華街(チョロン)ですが、その裏にある、サイゴン・華人社会双方の歴史に、昔ながらのチェーを味わいつつ思いを馳せるのも良いかもしれません。
上の亀ゼリーを食べた同僚さん、さぞ健康になったかと思いきや、その週末は倦怠感で動けなかったそうな