ダラット発、世にも珍しいピンク色フォーの実力は?*Atispho@スアンホア街区

ベトナム料理

ベトナム料理の「フォー」と聞いて、ほとんどの人は白くて平たい米麺を想像することでしょう。しかしながら、ここホーチミン市には、世にも珍しい「ピンク色のフォー」が食べられるお店があるのです。

その名は「Atispho」。もともとは、南東部の高原リゾート地・ダラットで生まれた人気店なのですが、ホーチミン市内にも複数の店舗を展開しています。

今回は、「Atispho」のホーチミン市支店のひとつ、スアンホア街区(旧3区)にある店舗をご紹介します。

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「Atispho」Trần Quốc Toản店

やって来たのは、スアンホア街区(旧3区)・チャンクオックトアン (Trần Quốc Toản) 通り。バイクが絶えず行き交う活気はありつつも、中心部の喧騒からは少し離れた、ローカルな雰囲気が心地よいエリアです。「タンディン市場」から徒歩圏内。

並木道に商店やカフェが並ぶ中、「Atispho」は白壁に鮮やかな赤色の看板を掲げた、モダンな外観でひときわ目を引きます。

看板には「HƯƠNG VỊ ĐÀ LẠT TỪ NGƯỜI ĐÀ LẠT(ダラット人によるダラットの味)」の文字があり、その出自に対する異様なまでの自信が伝わってくる。

「Atispho」のルーツは、ベトナムが誇る高原の避暑地、ダラットにあります。涼しく過ごしやすい気候のダラットは、美味しい野菜や果物、そして花の栽培が有名であることは、今更語るまでもないところ。

そのダラットの名産品の一つが「アーティチョーク」。「Atispho」は、このアーティチョークを伝統的な国民食であるフォーに取り入れたのでした。

お店の哲学は「ベトナムのフォーの常識を覆す (Tư duy lách phá cách phở Việt)」だそう。単に珍しいだけでなく、ダラットの食文化への誇りと、地元農家を支えたいという想い、そしてベトナム料理を新たな高みへと引き上げたいという情熱が伺えますが、果たして…。

お茶はセルフサービスで、無料。ありがたや。

また、お店で20万ドンを使うと、ダラット産の野菜をいただけるそう。しかし、一人身には厳しいハードルである…。最低でも2〜3人は必要。

「Atispho」のメニュー

「Atispho」のメニューはこちら。

最大の特徴は、すべてのフォーに使われている赤アーティチョークの花から作られた、美しいピンク色の麺。スープもまた、ダラット産のアーティチョークの茎と新鮮な牛骨をじっくり煮込んだ特製のもの。

フォーは様々な牛肉の部位を組み合わせたメニューが豊富で、価格は59,000ドンから。

お子様用のミニサイズや、ポーチドエッグなどの追加トッピングも。アーティチョークティーを使ったオリジナルドリンクは、多くの人が注文していました。

3種類トッピングのフォーを実食

今回注文したのは、「Phở Sườn Tái Nạm(牛カルビ・レア牛肉・牛バラ肉のフォー)」(99,000ドン)。まあなんだ…メニューの写真は盛りすぎですな(物理的にも画像加工的にも)。

肉はまだ赤みを帯びていますね。スープに浸して熱を通しましょう。

トッピングの野菜は下茹でされており、生野菜に抵抗がある人にとっては嬉しいポイント?

ライムを絞って味変も楽しめます。唐辛子は、入れっぱなしにすると辛くなるので、軽くスープの中でしゃぶしゃぶして、ほんのり辛味を移す程度にするのがおすすめ。

卓上の調味料類は南部仕様。オリジナルのディップソースを作って、トッピングのお肉にちょいちょいと付けて食べるのが好きですが、使い道は自由です。

丼の半分を占めるほどの大きな骨付き肉。ほろほろと柔らかく、食べ応えも抜群。

スープの熱で絶妙な火加減になったレアビーフは、しっとり柔らか。牛バラ肉も噛むほどに旨味が感じられる。

アーティチョークが練り込まれた、ピンク色の麺。ほんのり桜色で、見た目にも心が躍ります。食感はつるつる。なお、色がピンクである以上の意味は特に無かった…(味は普通のフォーの麺と同じ)。

で、スープなのですが…醤油ラーメンみたいな見た目からも分かるように、なんかものすごく脂っぽい。スープそのものは北部寄りの薄味なのですが、それ以上にこってり感が凄い。むしろ、ベースのスープが薄味である分、脂っぽさが際立っている…なぜだ…?

その後、こちらのお店に行ったことがある人に「スープが脂っぽかった」と話したところ、「そんなわけない」とばっさり。真相を確かめるべく、再訪。

今回のトッピングは1種類だけ。「Phở Tái(レア牛肉のフォー)」、59,000ドン。中心部だとローカル食堂のフォーもこれくらいの値段するし、エアコンの効いた室内で食べられることを考えたら、結構お得かも。

スープを一口…あっ、あっさり味…。少なくとも前回感じたほどの脂っぽさはさほど感じられない。「Sườn(骨付き肉)」をトッピングしていたせいだったのだろうか…?

見た目が映えるのはあれこれとトッピングしたフォーですが、スープを味わうならトッピングの種類は絞ったほうが良いかもしれない。個人の感想です。

そうそう、スープには具材として、アーティチョークの茎が入っています。それがスープの味に影響を及ぼしているかというと、そういうわけでは無さそうなのだけども。

赤玉ねぎのピクルス。酸味はほどほどに、甘めのテイストで良い箸休め。

「Atispho」Trần Quốc Toản店の店舗情報

ダラット発のフォー専門店「Atispho」をご紹介しました。

見た目にインパクトがあり、涼しく清潔な店内でフォーが食べられるので、一風変わったフォーに興味のある旅行者にもおすすめ…かな?

お店の名前 Atispho – Phở Atiso Chi Nhánh Quận 3
住   所 72C Trần Quốc Toản, Xuân Hòa, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 06:30 〜 21:30
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