ベトナムの「名代宇奈とと」が、すごく良い感じの和風居酒屋だった

日本料理

日本のうなぎファストフードチェーン「名代宇奈とと」。

安い・早い・旨い」をモットーに、嘗てはワンコイン(500円)でうな丼を提供していたことで知られています。物価上昇の煽りを受けた現在もうな丼の価格は640円に留まっており、高級料理だったうなぎのイメージをすっかり覆しました。

そんな宇奈とと、私が住むベトナムにも進出しており、記事執筆時点でホーチミン市に5店舗・ハノイに1店舗を展開しています。しかし、その趣きは日本と少々…どころか大きく異なります。

以前、一度だけ一人で訪れたことがあったのですが、このたび大人数で利用したところ…様々な発見がありましたの。お立ち寄りされたことのない在住者の方も多いでしょうし、改めてご共有したい次第ですのよ(唐突なお嬢様)。

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名代宇奈とと Trương Định店

やって来たのは、ホーチミン市1区のチュオンディン (Trương Định) 通り。ベンタイン市場も近いこのエリアは、観光客や在住者で常に賑わうホーチミン市の中心部。周辺にはローカルの飲食店のほか、カフェ、スパ・マッサージ店などが軒を連ねています。

そしてこちらが、今回訪れる「名代宇奈とと Trương Định店」。日本の城や武家屋敷を思わせる立派な瓦屋根…を模した装飾が目を引きます。このコテコテ感、たまらないな…。

店舗の2階部分には、「炉端焼」「海鮮炭火焼」「鰻蒲焼」といった木製の大きな看板が掲げられています。日本の「宇奈とと」が「うな丼」をメインにしたファストフード的なイメージが強いのに対し、ベトナムではより本格的な和食居酒屋としての側面が強いことが特徴。

店頭では「カレーフェア」のプロモーションが。ええと、うなぎ屋…ですよね?

それでは入店。いらっしゃいませー!の掛け声に続き、「どんどん」と鳴り響く太鼓の音色でお出迎えされました。居酒屋でたまにあるやつ。

店内の様子。大人数もOK

今回は同伴者が予約してくれており、3階の個室を充てがわれました。個室内は他にテーブルはあったものの、別のグループ客が通されることは無く、ほぼプライベート。店員さんもひとり、ほぼ常に近くで待機してくれていました。なお、店員さんは英語OK、人によっては日本語もお話しになる、といった感じです。

着物姿の女性が描かれたキリンビールのレトロなポスターが目を引く。どうやら海外市場向けに制作されたものらしい。やはり、このコテコテ感がウケるのだな…。

テーブルの上には、追いダレ用の「UNATOTO TARE」と書かれた特製タレ、七味や醤油などがセット済み。

階段には、漁で使う網や大きなタコのバルーン、赤提灯などが大胆に飾られています。日本をテーマにした(色々と間違っている)アミューズメントパークのようだ。

チンチロドリンクに挑戦しよう

ベトナムの宇奈ととの特徴のひとつ、それは一部のドリンクを注文することで挑戦できる「チンチロドリンク」。

ルールはシンプル。お椀の中に2つのサイコロを振って、出た目の合計や組み合わせによってドリンクの運命が決まります。

  • ゾロ目が出たら(出た目が同じ):1杯無料
  • 出た目の合計が偶数:1杯半額
  • 出た目の合計が奇数:倍額でメガジョッキに
  •  【ドデカチャンス】出た目の合計が10:メガジョッキ1杯が無料

店員さんからお椀とサイコロを受け取り、いざ挑戦。こんな大学生ノリみたいなゲーム、この歳になって…と斜に構えていたものの、たかがサイコロ、されどサイコロ。

お椀に投げ入れる一投に全員が注目し、出た目を見ては一喜一憂。あれ、楽しい…。どうやら大切なことに気付けたようやね(ニッコリ)(誰なんだよ)。

手前がメガジョッキ、奥が通常ジョッキです。確かに多いけど…これ、倍量かなあ!?1.5倍くらいにも見えますが、まあ細かいことは気にしない。

半ば強制!?の写真撮影

さて、個室の壁には、食事を楽しむお客さんたちの写真が飾られていました。ハッシュタグを模したプレートを持って笑顔で写る写真からは、お店がお客さんに愛されている温かい雰囲気が伝わってきますね。

日本の店舗がカウンター席や2人掛けテーブル中心で、一人客や少人数での利用を想定していることが多いのに比べ、ベトナムの宇奈ととはグループでワイワイ楽しむ食事シーンをより意識した作りになっていると感じました。

…とか思っていたら、我々も写真を撮られるはめに。ハッシュタグ風プレートを手渡され、有無を言わさず写真撮影。たぶん、SNSの公式アカウントにアップされるか、この個室に我々の写真が未来永劫(ではないだろうけど)飾られることとなります。

狙い通り?徳利&選べるお猪口

定番の芋焼酎「黒霧島」をボトルで注文。価格は100万ドンです。すると…?

店員さんが、黒霧島のボトルから徳利に焼酎を注いで提供してくれました。いや、それ、日本酒入れるやつー!☝️💦💦

…まあ、日系レストランなので、これはわざとでしょう。あえて「ハズシ」を取り入れ、日本人客からのツッコミを誘発して場を盛り上げさせるテクニック…やりおるな。

また、店員さんがたくさんのお猪口が乗ったトレーをテーブルまで持ってきてくれました。どうやら、好きなデザインのものを選べるらしい。

ガラス製のカラフルで涼しげなお猪口、普通にオシャレだな…。

実食。安心できる美味しさ

料理はもう、軒並みハズレがなく、ホッとするような味。こちらは「宇奈ととサラダ149,000ドン。座席でフライドオニオンやガーリックなど好きなトッピングを振りかけてくれる他、ドレッシングもわさびやスパイシーチーズなど複数の味から選べます。

茄子の揚げびたし49,000ドンや、「鶏ポン酢59,000ドンなど、気の利いたメニューもあり素晴らしい。特に茄子の揚げびたしは価格も安いし、マストトライですわよ。

炙り鰻ロール149,000ドン。座席で炙ってくれますよ。チーズが良い仕事をしています。

鰻の石焼きひつまぶし199,000ドン。おーい、美味そうですね!?店員さんがまぜまぜしてくれます。至れり尽くせり。

これを見た名古屋出身の同僚が「こんなのひつまぶしじゃない!」と声を荒げ始めたのですが、別添えの出汁を見て「あ、出汁あるなら大丈夫です」と平常心を取り戻しました。出汁が無ければ、あやうく世界が闇に包まれるところだった。

ダイジェスト。「まぐろジャーキー59,000ドン、「うまき120,000ドン、「やげん軟骨揚げ59,000ドン、「牛ハラミ炭火焼き149,000ドン

焼きそば99,000ドン、「焼きうどん99,000ドン。いやもう、満腹です…。

デザート代わりの「メロンクリームソーダ59,000ドン。純喫茶を思い出す組み合わせ、最高だな…。一応、ホーチミン市内だとビンタイン区の「男爵」でも注文できるけど。

1区・Trương Định店の店舗情報

と、いうわけで、ベトナムの「名代宇奈とと」のご紹介でした。日本の店舗とは趣を異にする、すごく良い感じの和風居酒屋なのだった。

今回利用した席は、完全個室ではないもののプライベート感のある空間だったし、色々と盛り上がれる仕組みもあったので、歓送迎会シーンの利用なんかにはうってつけかも?候補の一つとして検討してみては。もちろん、少人数での利用も○。

お店の名前 Izakaya Unatoto
住   所 56 Trương Định, Phường Bến Thành, Quận 1, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 11:00~23:00
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