以前、「ヒトカラが出来てYouTubeの動画を再生できる(=日本の歌が歌える)少人数向けカラオケ店」として、ビンタイン区の「Home Box Studio」をご紹介しました。
こちらのお店を見つけたときは、それはもう「大発見!」ってなノリでした。
…が、後々調べてみると、この手の小規模で安価なカラオケ店がホーチミン市のみならずハノイやダナンなどの都市部で増殖しているようで、特に珍しいものでも無かったという。いやあ、恥ずかしい。
ホーチミン市内で言うと、あちこちにあるというわけではなく大学の近くなど若者が集まるエリアに出店していることが多いよう。
中でも最近店舗を増やしているのが「ZSpace」。記事執筆時点でホーチミン市内に4店舗を構えるようですが、その内3店舗がビンタイン区・グエンザーチー (Nguyễn Gia Trí) 通り近辺に位置します。偏りスギィ!
【グエンザーチー (Nguyễn Gia Trí) 通りってどんなところ?】

近隣に大学があり、賑やかな街並みが広がるローカル感の強いエリア。トゥードゥック市方面とホーチミン市中心部方面を行き来するバイクでいつも混雑。多くの飲食店が軒を連ねており、先日ベトナム上陸した「松屋」の2号店はココにあります。
何にせよ、そこまで流行っているのなら行ってみなければ。ということで、本記事では若者向け&少人数向けカラオケ店「ZSpace」の概要・システムと、ビンタイン区内の3店舗を一挙ご紹介。
「ZSpace」の概要

「ZSpace」は、ハノイで4店舗・ホーチミン市で4店舗・ビンズン省で1店舗を展開する、若者をターゲットとした小規模なカラオケ店。営業時間は、なんと24時間!カラオケオールも出来てしまいますが、日本のカラオケのようにフリータイムは無いのでかなり高くつくと思われる(※料金は後述)。
基本的には雑居ビルの1フロアに入居していることが多く、1店舗につき備える部屋数は10〜12部屋程度。これは同じ業態の他店でも同じ傾向にあります。
店名の「ZSpace」が意味するところ…「Gen Z(Z世代)」のための場所ということだろうか。
嘗て「高校生しか飲んじゃダメ」「大人が飲んだら逮捕だぞ」というキャッチフレーズで炎上した炭酸飲料がありましたが、別にこちらのお店はZ世代以外が入っても大丈夫です。滅茶苦茶怪訝な顔をされるかもしれませんが(そもそも外国人が来るなんて思ってないだろうし)。
ベトナムのカラオケ店は通常1部屋単位での支払いとなるため、少人数で利用する場合は1人あたりの金額が割高になりがちですが、こちらの「ZSpace」は1〜3名向けの小さなカラオケルームを多く備えており、安価に利用できます。

「Korean Music Box」をコンセプトとしており、ハングル文字のネオンサインが店内を演出するなど、韓国で流行りの「ニュートロ」を思わせる内装になっています。
また、韓国では1コインでカラオケができる「コインノレバン」が人気とのことなので、それを意識したうえでのビジネスなのかもしれない。
「ZSpace」のシステム

お店のシステムは、カラオケ店の基本的なお約束を踏襲しています。入店したらカウンターで人数を伝え、部屋に案内してもらいます。なお、先日紹介した「Home Box Studio」とは異なり、受付時に名前(フルネーム)と電話番号を伝える必要があります。

1時間あたりの利用料金は上記メニューをご参照ください。おそらく、どの店舗でも共通のはず。「1-3名・4-6名・7-10名で料金が違う」「時間帯によって料金が違う」「平日と週末で料金が違う」ことが分かります。
正直、7-10名部屋の料金はあまりお得には見えないかな。大人数の場合は「ICOOL」のような大手カラオケ店に行く方が良いです。間違いなくそちらの方が設備面・サービス面で優れるので。

飲み物とスナックも購入可能です。日本のカラオケと比べると良心的ですね。ポッキー1袋に生クリームを添えただけのものを400円近い値段で出してたからな!(※元・カラオケバイト)

カウンター横には鳴り物などのパーティーグッズがあります。もちろん無料でレンタル可!

何故かUFOキャッチャーもあります。ベトナムだと、ゲーセン以外でも色んなところ(コンビニ、はたまた路上でも)で見かけますね。当初は「誰がやるねん…」と思ったものですが、結構色んな人が遊んでるんですよねえ。
「ZSpace」のカラオケ設備

1-3名用の部屋はこんな感じ。2人がギリギリ入れる、という感じで、3人だとちょっと狭い気がする。


設備は先日紹介した「Home Box Studio」とほぼ同じ。部屋に備え付けられたタブレットでYouTubeの動画を検索し、再生するだけです。店舗によって画面の見た目が違うかもしれませんが、中身は同じ。

Androidタブレットで専用のアプリを動かしているだけなので、文字入力に使うキーボードもAndroid標準のもの。日本語キーボードを追加すれば日本語で入力・検索できます。

音声の入出力や音響効果はこちらの機器で制御されています。マイクの音量やエコー度合いの変更も可能ですが、下手に操作すると音声のINPUTが変わって音が出なくなったりするため注意。

ベトナムのカラオケ店ではこのようなマイクカバーが備え付けられていることが多いです。どうやらコロナ禍以後、一般的なものになったそう。日本のカラオケ店みたいに、都度マイクをアルコール消毒することはしていないだろうから、利用者側で自衛が必要ってことね…。

また、Netflixの鑑賞も可能とのことです。
一挙紹介!ビンタイン区内の3店舗
前述の通り、ホーチミン市内にある「ZSpace」4店舗のうち3店舗がビンタイン区・グエンザーチー (Nguyễn Gia Trí) 通り近辺に固まっています。だったらもう、3店舗全てを回るしかあるめぇな?
①グエンザーチー (Nguyễn Gia Trí) 店

まずはグエンザーチー (Nguyễn Gia Trí) 店。こちらのビルの2階(日本の3階)に入居します。向かって右側の駐輪場奥にあるエレベーターから上がりましょう。駐輪代は無料とのこと。


部屋はこんな感じ。空調は無いですが、天井付近にある通気孔?からエアコンの風が入ってくるので涼しいです。

スピーカーは日本の老舗ブランド「DENON(デノン)」製。悪くない歌い心地でしたよ。
接客は…割と塩対応でした。まあ、ギリギリ不快では無い程度。
② ヴォーオアン (Võ Oanh) 店

お次は、松屋2号店からすぐ近くに位置するヴォーオアン (Võ Oanh) 店。こちらのビルの1階(=2階)に入居しています。G階にはビリヤード場があり、「エンタメビル」って感じの場所だな。

店内は見た目よりも奥行きがあります。部屋の数は計12。

で、設備ですが…悪いです。まず、最初に案内された部屋はスピーカーの片方からしか音が出ませんでした。

ということで部屋を変えてもらったのですが…スピーカー同士が近い!近い!こんな配置の仕方ある?しかも、モノラルみたいな音の籠もり方をしており、歌いにくいことこの上無しでした。

スピーカーは…「H.T PRESENTS」というロゴの入ったものですが、画像検索しても全く情報が見つからないため、どこのメーカーなのかナゾ。何にせよ、店舗間で特に設備は統一していないようですね。
ただ、接客については一番良かったです。カウンターの女性店員さんは、こちらが外国人と分かるやいなや英語でコミュニケーションを取ろうとしてくれたし、前述の部屋移動の際もスムーズに対応してくれました。それ故に音響の悪さが惜しい…。部屋によっては音が良いのかもしれませんが。
③D5 (Đường D5) 店

3店舗目はD5 (Đường D5) 店。「D5通り」というザ・社会主義な名前の通り沿いに位置する店舗です。まあ、グエンザーチー通りも数年前までは「D2通り」でしたからね。

部屋数は12。各部屋が一直線にピシッと並んでいます。

グエンザーチー (Nguyễn Gia Trí) 店同様、「DENON」製のスピーカーを備えます。音響という面では、今回取り上げる3店の中で一番良かった。気持ちよく歌えました。

ただ、室内に空調が無いのは良いとして、外気が全く入ってこないため、滅茶苦茶暑い。汗ばみながら歌いましたよ。1人で1時間利用するくらいなら良いけど、複数人でこの部屋に何時間も居たら汗だくになるわ…。天井付近に通気孔を作るだけでも違うはず。
まとめ:娯楽の選択肢としてどうぞ
若者向け小規模カラオケ店「ZSpace」のシステムと、ホーチミン市・ビンタイン区内の3店舗をご紹介しました。
なお、ホーチミン市内の残る1店舗はトゥードゥック市(旧トゥードゥック区)にあるので、日本人的にはあまりアクセスの良い場所ではありません。
繰り返しますが、YouTubeを備える小規模カラオケ店のメリットは「安価に」「一人・少人数でも気兼ねなく利用できて」「(YouTubeに動画さえあれば)日本の歌が歌える」こと。娯楽に困った際の選択肢として、是非ご利用ください。お子さんの遊びにも良いかもしれません。