タンソンニャット国際空港から飛行機で約1時間。かつて「流刑の島」として知られたコンダオ諸島ですが、今や美しい海と手つかずの自然が残るリゾート地となりました。
2025年7月の行政区画再編によりコンダオは「ホーチミン市コンダオ特区」となり、住所の上ではホーチミン市内となりました…が、もはや同じ市とは思えないほどにゆったりとした時間が流れています。

「諸島」とある通り、複数の島から成るコンダオ。メインの島は「コンソン島 (Đảo Côn Sơn)」です。宿泊施設については、弩級の5つ星ホテル「Six Senses Côn Đảo(シックスセンシズ・コンダオ)」を除くと素朴なホテル・モーテル・ゲストハウスがメイン。
そんな中でも、デザイン性を兼ね備えたリゾートホテルやブティックホテルが近年増えています。本記事では、島内中心部に位置しアクセスも良い、「The Secret Côn Đảo(ザ・シークレット・コンダオ)」をご紹介します。
「The Secret Côn Đảo」へのアクセス

ホテルはコンソン島の中心部、海岸線に沿って走るトンドゥックタン (Tôn Đức Thắng) 通りに位置。

コンダオ空港からホテルまでは、宿泊者専用の無料シャトルバスを利用するのが便利。利用には事前予約が必要なため、宿泊が決まったら早めにメールで連絡しておきましょう。
ちなみにシャトルバスに関する記述は公式サイトでは見つけられず…。ホテル予約サイト(Trip.com)でその存在を知りました。

予約時には以下の情報を伝えましょう。なお、このあと「予約IDが違う」と言われたので予約時のPDFを送りました。
シャトルバス運行スケジュールは以下の通り(2025年12月現在)。ホテル発のバスはチェックイン時にも予約可能です。私はこちらに2泊したあと他のホテルに移動するため、帰りのバスは予約せず。

空港の到着ゲートを出ると、ホテルのスタッフがロゴを持って待機してくれています。
「The Secret Côn Đảo」に到着

そんなこんなで、空港から約30分ほどバスに揺られて到着。ホテルに一歩足を踏み入れると、そこにはコンダオの自然をアートに昇華させた空間。


ロビーの天井を見上げるとワイヤーで編まれた巨大なタコやウミガメのオブジェ。国立公園でもあるコンダオはウミガメの保護活動でもよく知られているのです。タコは…なんだろうね?(知らん)

年末の滞在だったため、館内はブルーと白を基調としたクリスマスデコレーションで彩られていました。南国のリゾートらしい、温かみのあるホリデー気分を味わえます。まあ、このときはもうクリスマスは過ぎていたのだけど…正月と一緒に祝ってもいいんだよ!

レセプションカウンターの土台は、巨大な岩を切り出したような力強いデザイン。モダンな建築の中に島の野生味を感じさせてカッコイイ。
なお、11時にチェックインしたのですが、お部屋がまだということで「準備出来次第ご連絡します」と言われたのですが、チェックイン時間の14時になっても連絡が無く…。結局普通にレセプションまで行きました。まあ、欧米人が押し寄せるホリデーシーズンに、そこそこ大箱のホテルをこれだけのレセプションで捌き切るのはキツイでしょう…。

荷物はこちらに置かれていました。引換のための券とかは無かったので、自分でピックアップした。ちょっと管理が不安だな…。
「The Secret Côn Đảo」のお部屋

今回宿泊したのは、メイン棟の1階にある「Deluxe City View King」。Trip.comで予約し、2泊で約540万ドンでした。
室内はグレーの質感のある壁面とウッド素材が組み合わされた、落ち着いたトーンで統一。

キングサイズのベッドの上には海をイメージした抽象画。三角錐のペンダントライトがアクセントを添えている。

ベッドの両サイドとデスクにはユニバーサルコンセントに加えてUSBポートが完備。ガジェットの多い旅行者には嬉しいポイントよね〜(急なおばさん口調)。

ミニバー。環境保護に力を入れているコンダオなだけあってか、お水はリユーザブルなガラスボトルに入っています。

清潔感のある洗面台。ハンドソープとボディローションが備え付けられています。

シャワールーム。隣にはトイレがあり、仕切りはあるものの、ドアをスライドさせてシャワールームを閉めるとトイレが開き、逆も然りというフシギな構造。こちらもボディソープ・シャンプー・コンディショナーを完備。結構香りが強いタイプだったのだが、ハーバルノートを思わせる香りで好きでした。
「The Secret Côn Đảo」の設備など

ホテルの中心には大きなプールエリア。サンベッドで海風を感じながら読書をしたり、ただぼんやりと波音を聴いたり…好きなようにお過ごしくださいませ。

ジム。小さめですが最新のMatrix製マシンが揃っています。

ロビーにはツアー申し込みカウンターもあり、アイランドホッピングや釣りといったアクティビティが島内の旅行会社により主催されています。
「The Secret Côn Đảo」の朝食ビュッフェ

朝食は、ロビーに隣接する高い吹き抜けが開放的な「Spice Kitchen」でいただきます。私は朝食ガチ勢なので、オープン時間の朝6時半に合わせて行くよ!




ビュッフェのラインナップはそこまで多くない印象ですが、味は良いと思います。ローカルフードがそこそこにありつつ、洋食もいくつか。


ペイストリーが結構充実していたかな。フルーツジャムがいくつかあったのですが、どれも自然な見た目と甘さで好印象!ワッフルや一口パンケーキと合わせてみては。
併設の「The Secret Restaurant」

ホテル敷地内にあるコロニアル様式の建築をリノベーションした「The Secret Restaurant」。ここではホテルのメイン棟とは異なる、クラシックで重厚な雰囲気を楽しめちゃいます。

外観の鮮やかなイエローに対し内装はモダンで、デザインの妙がある。白いアーチが連続するリブ・ヴォルト天井と、床から天井まで届く格子窓が生み出す造形美は映え映えの映え。気分は女子旅です。
メニューは公式サイトで確認可能です。今回は食事時ではなかったので、カフェとして利用。

…なんか、ディナーの準備等で忙しかったのかどうかは分からんのですが、微妙に塩対応でした。一応笑みを浮べてくれてはいるのだけど…。まず、店内に入って目が合ったのに放置されるというね!自分から「1人です。ドリンクとデザートのみの利用は出来ますか?」と声をかけました。冷やかしの欧米人にはすごくフレンドリーだったのに〜…。


中東の伝統菓子バクラヴァとチーズケーキが融合した「Baklava Cheesecake」と、ベトナムコーヒー(Cà Phê Sữa)をいただきました。価格はそれぞれ、150,000ドンと85,000ドン。ホテルのレストランだけあってクオリティは高く、洗練された場の雰囲気も相まってすっかり機嫌を取り戻したのであった。
「The Secret Côn Đảo」の周辺情報

さてさて、中心部に位置するホテルということもあり、周辺観光にも最適です。なお、自転車の貸し出しも行っている模様ですが、私はバイクをレンタルしたので利用せず。入り口にはタクシーが待機しています。

まずはコンダオ博物館&コンダオ刑務所。ホテルの直ぐ側にあるので、島の辿ってきた激動の歴史を学ぶために、ぜひ訪れてみてね。

チケットは博物館入り口で購入。これ1枚で、博物館も刑務所跡(タイガーケージ)も見学できます。マネキンが精巧すぎて、かなりショッキングな展示ではありますが…。

人びとの台所「コンダオ市場」も徒歩で10分くらい。
「The Secret Côn Đảo」の施設情報

コンダオ・コンソン島のリゾートホテル「The Secret Côn Đảo」をご紹介しました。
「The Secret」という名が付けられたこのホテル。単に「隠れ家」という意味だけではなく、コンダオが歩んできた激動の歴史、海の中に眠る生命の神秘、そして島を訪れた人だけが知ることのできる静寂な時間—それらすべての「秘密」を発見してほしいという願いが込められているのかもしれない。
おそらく島内では「シックスセンシズ」に次ぐグレードのホテルかと思われるので、お手頃なリゾートホテルをお探しの方は要チェックですぞ。

