ベトナム・ホーチミン市内に複数店舗を展開する人気カフェ「S’mores Saigon Caffè（スモアズサイゴンカフェ）」。
いずれの店舗も異なるコンセプトを持ち、各々の地域の文化からインスピレーションを得たというデザインは他のカフェに無い全く独創的なものです。
例えば、中華街（チョロン）に位置する店舗「S’mores Saigon – Chợ Lớn」では、古くから残るチョロンの文化、そしてモダニティ（現代性）を調和させた空間が特徴的。
そんな「S’mores Saigon」が、市内のど真ん中に新店舗をオープン。サイゴン動植物園の向かいにあり、観光客にもおすすめです。
本記事では、「S’mores Saigon – Nguyễn Binh Khiêm」をご紹介します。
「S’mores Saigon – Nguyễn Binh Khiêm」の場所
やって来たのは、ホーチミン市の中心部・サイゴン (Sài Gòn) 街区のグエンビンキエム (Nguyễn Binh Khiêm) 通り。
近隣にはサイゴン動植物園や歴史博物館といった観光名所もあり、交通量は多いものの、周辺は豊かな街路樹が続き、不思議と落ち着いた雰囲気が感じられます。
「S’mores Saigon – Nguyễn Binh Khiêm」に到着。目に飛び込んできたのは「inBook」という大きな青い看板。こちらの店舗は、英語やフランス語の書籍を扱う国際書店に併設されているのでした。
入り口の上には、温かい光を放つ「S’MORES」の電飾サイン。そしてその上には「some more caffe?」という遊び心あるキャッチフレーズが。
「S’mores Saigon – Nguyễn Binh Khiêm」の内装
お店は2フロアからなります。
内装を表すなら、インダストリアルとナチュラルの融合。コンクリート打ちっぱなしの無骨な壁や天井、むき出しの配管がインダストリアルな雰囲気を醸し出す一方で、温かみのある木製の家具や、生命力あふれる観葉植物が随所に配置され、冷たい印象を与えません。異素材の組み合わせが不思議な居心地の良さを生み出しているようです。
1階は、注文カウンターが中心の活気あるエリア。カウンターには立派なエスプレッソマシンやグラインダーがずらりと並びます。
客席は、グループでも利用しやすい大きな共有テーブルや、壁際の席が用意されています。
オリジナルのマグカップやトートバッグ、「S’mores Saigon」の各店舗をイメージした粋なポストカードなどが並ぶグッズコーナーも。お土産にどうぞ。
店内奥にある、壁のレンガが一部むき出しになったデザイン階段を上って2階へ。どこか儚く、朽ちていくような退廃美もまた「S’mores Saigon」の内装の特徴の一つです。
2階は、1階の活気とは少し異なり、どことなく静かで落ち着いた雰囲気。大きな窓からは街路樹の緑と、明るい日差しが差し込みます。
吹き抜けに面した席からは1階の様子を見下ろすことができ、空間全体の一体感も感じられます。
少人数用の席からグループ向けテーブル席まで、座席のバリエーションも豊かなので、気分や目的に合わせて好きな場所を選べるのも嬉しいポイント。
「S’mores Saigon」のメニュー
「S’mores Saigon」のメニューはこちら（2025年7月時点）。
コーヒーは、ベトナム伝統の「Caffè Nel Drip」から、ラテなどのエスプレッソ系、そしてコールドブリューまで、あらゆる好みに対応。ココナッツクリームを使った「Vợt Sữa Dừa (Velvety Coco Nel Drip)」なんかは、ベトナムらしさを感じられそうです。
コーヒー以外の選択肢も豊富ですね。「Tea Latte（ミルクティー）」「Fresh Tea（フルーツティー）」「Matcha City（抹茶）」とカテゴリーが細分化されており、ユニークな創作メニューが並びます。
ショーケースにはクロワッサンや惣菜パン、ティラミスやチーズケーキなども揃っており、ドリンクのお供にも困りません。以前、ティラミスを食べたことがありますが、洋酒が効いたオトナの味でした。
今回は「Matcha Latte（65,000ドン）」を注文。昨今、日本産抹茶を使用した抹茶ラテは8万ドンを超えることも珍しくないので、この価格は良心的。
S’MORESのロゴが入った背の高いグラスの中で、真っ白なミルクと、深く鮮やかな緑色の抹茶が二層を描きます。
混ぜずにいただくと、苦味はほどほどに、抹茶特有の旨味が感じられます。甘さ控えめで注文したのですが、ミルクはかなり甘かった。混ぜるとバランスの良いすっきりとした味わいになりました。
なお、この日は日曜だったのですが、オープン間もないカフェの例に漏れず、11時頃には店内は満席に…。週末に訪れる際は、早起きして9時くらいには入店しておくことをお勧めします。
