ベトナム・ホーチミン市内で3店舗のカフェを展開する「S’mores Saigon Caffè（スモア・サイゴン・カフェ）」。
いずれの店舗も異なるコンセプトを持ち、各々の地域の文化からインスピレーションを得たというデザインは他のカフェに無い全く独創的なものです。
今回はホーチミン5区の中華街（チョロン）に位置する、「S’mores Saigon – Chợ Lớn」を紹介します。
「チョロンの無いサイゴンは考えられない」と言われるほどに、都市の繁栄と多様性に貢献をしてきたホーチミン市5区の中華街。
古くから残るチョロンの文化、そしてモダニティ（現代性）を調和させた空間で、他では味わえないカフェ体験を楽しんでみてください。
「S’mores Saigon – Chợ Lớn」の外観
早速ですが「S’mores Saigon – Chợ Lớn」は、1区からはるばる伸びるチャンフンダオ (Trần Hưng Đạo) 通りの一角に位置します。
ちなみに、以前紹介したデザートショップ「Táo Tào Dessert and Food Boutique」はこの向かい。
外観からして、周囲とは一線を画す雰囲気が漂います。
モノトーンの壁だけに着目すると、重厚…と言うよりも荒廃さえしているように見えるのですが、中から漏れ出る温かな光とのギャップが独特の空気を生み出しているように思えます。
こちらのカフェは、もともとこの区画に5年近く放置されていた建物をリノベーションしたもの。荒れ果てた既存の壁を装飾し、どこか神秘的な雰囲気を作り出しました。
「S’mores Saigon – Chợ Lớn」の内装
1階
カフェは2フロアから成ります（最上階はギャラリースペース）。
まず1階は、中央にある八角形のバーが目を引く、開放的な空間。
コンクリート打ちっぱなしのような壁やメタリックなインテリアが無機質な雰囲気を演出している一方、差し色的に使われているグリーンやイエローのパターンガラスと、キラキラ輝くLEDライトがチョロンらしい明るさ・賑やかさを与えてくれています。
カウンター上部の演出にも注目。中華建築立ち並ぶ町並みの中で人や車が行き交う様子を、フレームと影絵で表現しています。
洗練された空間と、中華風のテーブル・椅子やオブジェが上手く調和しています。
2階
2階に上がると、1階とは全く異なる空間が広がります。
暖色系の照明とインテリアに彩られた、居心地の良いカフェ空間。
テラス席もあり、かなりの席数があります。
店内を見ると、元々あったと思われる煉瓦地の壁が微かに露出しています。どこか儚く、朽ちていくような退廃美の中にも、かつてのこの地の記憶を感じられるよう。
「S’mores Saigon – Chợ Lớn」のメニュー
「S’mores Saigon – Chợ Lớn」のドリンクメニューはこちら。「SPECIALTY COCOA」と「LOCAL SPECIAL TREATMENTS」辺りが一押しなのかな。
美味しそうなプリンやペイストリーがショーケースに並んでいますよ。一品55,000ドン程度から。
「Cacao Dừa Tươi（カカオ・ユア・トゥオイ）75,000ドン（≒462円）」と、「ティラミス 65,000ドン（≒400円）」を注文しました。
「Cacao Dừa Tươi」はですね、ココナッツコーヒーってあると思うのですが、そのカカオ版ですね。
スムージー部分には果肉が入っていて、コリコリした食感が楽しいし、ココナッツの果肉ってこんなにみずみずしくてフルーティーなんだなあと気付かされます。
こちらはティラミス。苦みは控えめな一方で、かなりお酒を効かせた一品です。
美味しいですが、下手したら飲酒検問に引っかかるのでは…？（※ベトナムの飲酒検問は呼気のアルコール濃度が「0.00mg」でなくてはアウト）
設備面では微妙かも
店内にWi-Fiはもちろんあるのですが、このとき、利用者が多かったからか速度はかなり遅め。
また、コンセントの数もあまり無いです。ということで、通信が発生する作業や長時間のPC作業には向かないかも。
まとめ＆「S’mores Saigon – Chợ Lớn」の店舗情報
ホーチミン5区のカフェ「S’mores Saigon – Chợ Lớn」をご紹介しました。
「S’mores Saigon」の創業者は、自身の手掛けるカフェにまつわる思想について、以下のように語ります。
私は何か文化を伝えているとあえて主張するつもりはありません。私が伝えたい最大のメッセージ、それは、サイゴンを真に愛しているのなら、自身の解釈や記憶を大切にして、自身の感じ方を愛すること。それが、最も独創的なサイゴンの世界を創造することに繋がるでしょう。
DISTRICT M
チョロンを愛する人々に幸あれ。サイゴンを愛するあなたに幸あれ。
