台南の夜。煌びやかなネオン輝く台北とはまた違う、生活感が伝わってくるような独特の熱気に満ちています。まるで、そこに住む人々の日常にお邪魔させてもらうような感覚。
本記事では「聖記軟骨飯」をご紹介します。台南の名物といえば牛肉湯やサバヒーなどが思い浮かぶかもしれませんが、この店が提供する軟骨飯もまた、地元で長く愛され続けてきた台南の味の一つ。
「聖記軟骨飯」の場所

やって来たのは民生路二段。お店の場所は分かりやすい大通り沿いにあります。

オレンジ色の力強い看板。こちらが「聖記軟骨飯」。肉がこぼれんばかりに盛られた丼の写真が掲げられ、言葉で説明せずとも視覚に直接訴えかけてくるシズル感に溢れたデザインである。

入り口付近には調理場がせり出しており、大きな鍋からは食欲をそそる湯気が。バイクが店先に停まっては店員さんが手際よくパッキングしていく光景から、この店が地元で愛されていることがよく分かりますね。

入り口には注文票。店内用と持ち帰り用で分かれているので注意。

店内。所謂ひとんち感のある、台湾の伝統的な食堂のスタイルです。テレビの取材なんかも受けたみたい。

セルフサービスのカトラリーコーナー。居合わせたお客さんが「スプーン!」「割りばし!」と日本語で教えてくれて、なんか、あったかい…。
「聖記軟骨飯」のメニュー

「聖記軟骨飯」のメニューがこちら。例によって数量を記入して店員さんに渡してお会計。日本人であることを看破され「ありがとう」と言われたので、日本人も結構来てる?
メニューは、店名の通り軟骨を主軸に据えた硬派な構成。看板の軟骨飯を筆頭に、軟骨を用いた麺類やスープ、さらには肉燥飯(そぼろ飯)に至るまで、それはもう徹底して軟骨の魅力を引き出しています。猪心(豚のハツ)を使ったメニューも充実しており、新鮮なホルモンを扱う確かな仕入れと技術があるのではないかな。
あと、サイドディッシュ類は注文したら店内の冷蔵庫から勝手に取っていくスタイルだそうです。
実食

「軟骨飯(大)」95元と、付け合わせに「菜頭湯(大根のスープ)」35元を注文。

みて、この質感。器を覆う琥珀色の肉の塊。長時間煮込まれてゼラチン質へと変化した軟骨の透明感がなんとも艶めかしい。

口に運べば、骨という言葉からは想像もつかない滑らかなテクスチャー。繊維質が優しくほどけ、日本人好みの甘じょっぱいタレと脂の甘みが、口内に広がります。付け合わせの筍乾(メンマ)と豆芽(もやし)のシャキシャキとした食感もよい箸休め。

というか、普通にレンゲで食べればよかったじゃない!お上品に食べるより、勢いよく掻っ込むに限る。

あとこのスープ!角が取れるまでじっくりと煮込まれた大根はスプーンで簡単に切れるほど柔らか。そしてひたすら滋味深い出汁のお味。具が大根だけのおでんみたいで、素朴ながらも止まらなくなります。サイドメニューに伏兵あり(至言)。

なんならスープも軟骨飯にかけちゃうもんね。優しい出汁に甘辛味と脂の旨味が溶け込んで最高である。
あ、ちなみに食べ終わった食器はそのままにしておいてOKでした。台湾、セルフサービス率が高いから初めてのお店だとルールに戸惑うのよね。

