独特の熱気に包まれる5月の台南の午後。まあ、この日は朝に雨が降ったからか比較的涼しかったのですが、それでも日差しの下で路地を歩き回っているとじんわり汗ばんできます。
そんなときに欲しくなるのはやっぱり冷たいデザート。本記事では台南のかき氷(雪花氷)専門店「幸の町」をご紹介します。
「幸の町」の場所・外観

台南を南北に貫く海安路にやって来ました。この通りは歴史ある台南の街並みの中にありながら、広々とした歩道とモダンなアートが点在する開放的なエリア。

そんな中で目を引く「和」な感じの佇まい―こちらが雪花氷専門店「幸の町」。店名は「SACHI MACHI」と呼ぶそうです。軒先には白地ののれんと「氷」と書かれた提灯があり、和菓子屋さんみたいな雰囲気。


店先に置かれたメニュー看板には、色鮮やかなパイナップルや抹茶のかき氷…うまそう。道行く中でも思わず足を止めてそのビジュアルに見入ってしまうこと間違い無し。
「幸の町」の内装・雰囲気


内装は深いダークブラウンの木目を基調としており、高い天井を走る太い梁や、ヘリンボーン柄のフローリングが、空間に重厚感と奥行きを与えています。先ほど和菓子屋みたいと言いましたが、これはあれだ、「喫茶もやってる和菓子屋さん」だ。

壁面には、鯉のぼりや夏祭りの花火なんかを描いた色鮮やかなタペストリー。

細かなディテールにもお店の魅力が宿ります。だるま、招き猫、こけし…等々日本の縁起物がこれでもかと勢揃い。


壁一面の棚に並べられた精巧なミニチュアハウスを眺めていれば、注文を待つ間の時間も退屈しないね。
「幸の町」のメニュー

幸の町が提供するのは、一般的なかき氷(剉冰)ではなく「雪花氷」。すべての氷のベースを「牛乳」にしている点が特徴です。液体を凍らせてリボンのように薄く削り出すことで、韓国の「ピンス」とはまた違ったふわふわ食感が生まれます。

ということで「幸の町」のメニューはこちら。数量を記入してレジに持っていき、先払い会計をしましょう。1人につきワンオーダー必須です。
抹茶と小豆の定番から、富士山をイメージした独創的なもの、さらにはプリンをトッピングしたものまで。雪花氷のほかにも、団子やドリップコーヒーなどデザートサロンとしての充実ぶりが伺える。
実食

今回注文したのは「仲夏鳳梨(ミッドサマー・パイナップル)」170元。他のかき氷とも迷ったのですが、こういうときは「普段(=ベトナムで)食べられるものかそうでないか?」で判断するに限る。ベトナムじゃ台湾パイナップルは食べられないからね。

木製のトレーに乗せられて運ばれてきたその姿は、まるで器の中にひまわりが咲いたかのような生命力にあふれるビジュアル。誰の〜ために〜咲いたの〜…(病み期)。

パイナップルのスライスが縁に沿って丁寧に並べられ、中央にはシロップ漬けのパイナップルがどっかんどっかんと盛られています。

スプーンを差し込むと雪花氷が新雪のようにハラリと崩れます。口に含んだ瞬間に広がるのは優しい甘みと滑らかな口溶け。一方、氷を薄く削っているため、「ジャキッ」と心地よいフィードバックもあり、癖になる食感です。

そしてパイナップルの鮮烈な甘み。今が旬ですからね。芯まで食べられる台湾パイナップル、サイコーです。
添えられたライムのおかげで、トロピカルな甘さの中にもキリッとした清涼感。台湾もベトナムと同様、黄色いレモンではなくライムが主流なのかしらん…?なんにせよこの酸味が重層的な味わいを生み出すことは間違いない。
また、トレーには温かい烏龍茶が添えられており、冷えた舌を優しくリセットしてくれました。いやはや、なんとも豊かな時間だった…。

