ホーチミン市に専門店は数多くあれど、なかなか「これは!」という当たりに巡り会えないもの…それはドーナツ。終末、ベトナムにミスタードーナツが来臨され日本人を救済するという「ミスド終末論」が在越日本人の間でまことしやかに語られていますが(ウソ)、どうやらその時はまだ訪れないようです。
そんな折、私の生活圏内にドーナツ専門店を発見。しかも、店内でドリンクと一緒にドーナツを楽しめる「ドーナツカフェ」とのことではないですか。
本記事では、ホーチミン市に複数店舗を構えるデザート専門店兼カフェ「Rocketto Desserts」のビンタイン区支店をご紹介します。
「Rocketto Desserts」の外観・雰囲気(移転前)
「Rocketto Desserts」のビンタイン区支店が位置するのは、グエンフーカン (Nguyễn Hữu Cảnh) 通りを入った路地の中…でした。
初回の訪問は7月末だったのですが、その後、後述する場所に移転してしまったのです。早く記事にしないからこういうことになるのだ…。まあ、そのまま閉店してしまわなかっただけマシだけど。
と、いうことで店内の写真は参考程度というか、記録みたいな感じで見てください。座席数はそこまで多くないものの、決して「テイクアウト専門店」といった狭さではなく、混雑していなければカフェとしての利用にも問題ありませんでした。まさか、移転後はあんなことになるなんてね…。
店内の装飾も凝っていたんですよ。移転後の新店舗にこれらが引き継がれなかったのが惜しい。
「Rocketto Desserts」のメニュー
カウンター前に大きなメニューがあります。ドーナツは「Truyền Thống(オリジナル)」「Premium」「Gourmet」の3種類で、「Premium」「Gourmet」は3個セットで購入すると少しお得になるみたい。
また、持ち帰りの場合、「Hộp Nhựa(プラ容器)」と「Hộp Giấy(紙箱)」で値段が異なるようですね。
こちらはドーナツ以外のメニュー。ケーキを扱うほか、ドリンクもあります。飲み物安いなー。ベトナム語表記しか無いですが、まあ頑張ってください(投げやり)。
ドーナツ2種を実食
私が注文したのは、「Truyền Thống」から一番オーソドックスな「Donut nhân kem vanila(バニラクリームドーナツ)」22,000ドンと、「Gourmet」から「Donut marshmallow cháy(焦がしマシュマロドーナツ)」45,000ドン。
そして飲み物は「Trà đen Asam mật ong(はちみつアッサムティー)」Sサイズ・22,000ドン。
バニラクリームドーナツを割ってみました。クリームドーナツということで、ドーナツ特有の空洞はありません。「しっとり」とか「もちもち」とか、そういう路線は目指していなさそうな、素朴な揚げパンって感じ。クリームが入っていようがいまいが、ベースとなるドーナツ自体は全てのメニューで同じと思われます。
クリームはぼってり、固め。ドーナツもクリームも冷やして保管していたのかな。フォークとスプーンで無理矢理切ったので潰れちゃってますが、実際はもうちょっとふんわりした見た目です。ではいただきますよ。
えっ、甘くない…。
これがもう、びっくりするほど甘さ皆無です。
ちょっとチープだけどふわふわのドーナツにひんやり冷たいクリーム、油分、遠くに微かに見えるバニラ、以上です。クリームドーナツの概念だけを食べているようで、面白くなってきた。でも、考えようによっては甘いもの特有の罪悪感を覚えずに済むかもしれない…?
ドーナツに口の水分を持っていかれたので、アッサムティーを飲んでみると…グエー甘い!!
砂糖入り紅茶にさらに蜂蜜を加えたような容赦の無い甘さ。ドーナツが甘くない分ドリンクを甘くしているのだとしたらむしろバランスが取れているのか…?一応、アッサムティーの香りとほろ苦さ自体はきちんと感じられます。
焦がしマシュマロのドーナツもいただきましょうかね。クッキー&クリームでドーナツをコーティングした上にマシュマロとナッツ、練乳をトッピングし、それをささっと炙った手の込んだ一品。
一口いただくと…うん、こちらはマシュマロや練乳のおかげもあり、一般的なドーナツの甘さ。クリームは入っていないですが、元より色々トッピングされているので、むしろ入ってなくて良かったです(カロリー的な意味で)。
一箇所、「焼き」が過剰な部分がありまして、そこだけものすごい苦さでした。まあ、マシュマロの焼き加減って難しいよね…。
完食。ゆっくり食べたつもりでしたが、血糖値が上昇したのか心なしか眠気が…。『至り』そう…っ!
夜8時にドーナツ2個を平らげてしまった罪悪感から逃れるため、約40分の距離を歩いて帰りました。
再訪。移転後の店舗はこちら
そういえば「Premium」のドーナツ食べてなかったな…と思い再訪しようとしたところ、Googleマップでの位置が変わっていました。現地に行ってから移転を知る、という羽目にならなくてよかった。
移転先はディエンビエンフー (Điện Biên Phủ) 通りを挟んだ向こう側、グエンヴァントゥオン (Nguyễn Văn Thương) 通り沿いです。案外近場での移転でしたね。
メニューに変化は無いものの、店内はかなり縮小してしまいました。ローカルの路上カフェにあるような、小さなテーブルが4つ。
今回注文したドーナツは、「Premium」より「Donut nhân kem matcha(抹茶クリームドーナツ)」30,000ドン。飲み物は「Trà chanh Đài Loan truyền thống(台湾レモンティー)」Sサイズ・25,000ドン。
レモンティーは昨年流行した、所謂「手打ち(ハンドプレス)レモンティー」。例によって激甘ですが、25,000ドンの割りに手が込んでいます。
ドーナツは、相変わらずクリームが虚無…ではなく甘さ控えめなお味です。もしかして、この店のクリームドーナツ全般こうなのか…?
一応、クリーム単体で食べてみたところ、抹茶の味はしたのですが。ちょっとだけ、ちょーっとだけ、ね。もっと濃くしてもええんやで?
【UPDATE 8/23】さらに再訪
またまた再訪したところ、座席が増えていました。ベトナムの路面カフェは無限に客席を拡張できるから強い。
今回は「Gourmet」より「Donut socola sữa black forest(ブラックフォレストミルクチョコレートドーナツ)」を注文しました。今回はプラスチックのフォークとスプーンでなく、ステンレスのフォークとナイフが!スプーンじゃ食べにくいよー、という心の叫びに気付いてもらえたようです。
飲み物はふたたび「Trà đen Asam mật ong(はちみつアッサムティー)」Sサイズ。今回は元気よく「Ít đường!(砂糖少な目)」と注文したのですが、やはり甘い!既に蜂蜜がたっぷり入った紅茶に追いシロップをしているようなので、次からはもう「Không đường(砂糖なし)」でいいな。3度目の正直。
「ブラックフォレスト」と言えば、チェリーを使ったドイツ発祥のチョコレートケーキ…ですが、これ、チェリー要素ある?でも、ビターなチョコレートの中に、ほのかに洋酒の香りがして、大人の味…かもしれない。これで洋酒が入ってなかったらごめんなさい。得てして自分自身とは信用できないものですが、何よりも自分の舌が信じられない。
以前食べたマシュマロドーナツは、特にクリームを詰めていない素のドーナツに色々とトッピングしていましたが、今回のチョコレートドーナツは僅かにクリームが入っていました。と、いっても「生地に練り込まれてる?」というくらいに薄っすらとですが。例によって生地もクリームも甘くないため、これくらいべっとりとチョコがトッピングされている方が「スイーツ食べたなー」という気分になる。
まとめ&店舗情報
ホーチミン市のドーナツ専門店「Rocketto Desserts」のビンタイン区支店を紹介しました。
甘さ控えめ過ぎるクリームドーナツと、甘さに振り切ったドリンクの組み合わせが面白かったです(美味しい、とかではないのか)。とは言えお値段も手ごろだし、甘くない=ある意味罪悪感無く楽しめるドーナツかも…?もし純粋に甘いドーナツを楽しみたい場合は、チョコなどがトッピングされているドーナツを選べばよいと思います。
3区・カックマンタンタム (Cách Mạng Tháng Tám) 通りから入った路地にも店舗があります。