フークイ島を訪れた帰り、ファンティエット市街地でホーチミン行きのバスを待っていたときのこと。突然、しっかりした洋食を身体が欲し始めた…!フークイ島ではほぼほぼローカルフードばかりだったからなあ。
そんな時に立ち寄ってほしいのが、今回ご紹介するイタリアンレストラン&カフェ「Pizza & Cafe IL Gradino(イル・グラディーノ)」でございます。
「IL Gradino」の場所・外観

ファンティエットの市街地…まあ、2025年7月の行政区画再編で「ファンティエット市」は消滅し、厳密には「Phú Thủy街区」となりますが…ともかく、そこに位置する「IL Gradino」。観光客向けの喧騒からは一歩引いた、地元の人々に愛されていそうな落ち着いた空気を纏っています。

大きな木々がエントランスを覆うように枝を広げ、強い日差しを遮る天然の屋根を作っている。その木陰に、どこかレトロで手作り感のある看板が。
控えめに記されたSince 2012という文字からは、10年以上にわたってこの地で営業を続けてきた自負が伝わってきます(10年そこらとか大したことないじゃん!?と感じる方もいるかもしれませんが、店の入れ替わりが激しいベトナムにおいては十分に老舗と言って良いでしょう)。

入り口横に設置された空きワインボトルのディスプレイが印象的。木漏れ日がガラスを透過してきらめく様子が食事への期待を高めてくれます。
「IL Gradino」の内装・雰囲気

店内はこんな感じ。内装は木材を基調としており、使い込まれた床や梁が安心感を与えてくれます。

店内の随所に配置されたヴィンテージ・アイテムの数々にも注目。リール・トゥ・リール式のテープデッキや大型の木製スピーカー、さらにはアコースティックギターやグリーンのダイヤル式電話まで。趣味の部屋に迷い込んだかのよう。

テーブルに目を向けるとカラフルなクロスが敷かれ、布ナプキンがバラの花のように折られて用意。テーブルごとに色を分けているところに拘りが伺える。ヴィンテージな空気感ときちんと感のギャップが面白いですね。
「IL Gradino」のメニュー一例




メニューの選択肢は豊富。ピザやパスタといったイタリアンに加えて、ハンバーガーやビーフステーキまで網羅。

ピザは18cm、22cm、28cmの3サイズ展開となっており、一人からグループまで用途に合わせて選べる配慮がなされています。価格帯も非常に良心的で、パスタが59Kから、ピザも89Kから。地方都市の物価最高〜。


ドリンクメニューも充実しており、ベトナムコーヒーからスムージー、カクテル、ワインまで揃っています。食事だけでなく、カフェとして利用する地元の人が多いように見えました。
実食

「マルゲリータ・ピザ(18cm)」89,000ドンと「ミックスサラダ(Salad Trộn)」48,000ドンを注文。

まず運ばれてきたサラダは、レタス、紫キャベツ、トマト、キュウリがこんもり盛られ、そのボリュームに圧倒。ドレッシングはバルサミコベースのものに加えてマヨネーズがかかっています。マヨネーズはローカルでよくある甘いやつ。

そしてメインのピザ。ここの生地は薄いナポリ風とは一線を画す、しっかりとした存在感のあるタイプ。

縁はこんがりと焼き上げられ、噛むとサクッ軽快な音が響きます。底面が強めに焼き固められているため、一切れを持ち上げても具材がこぼれ落ちることはありません。冷凍ピザのような、良い意味でチープな感じ。おやつ感覚でペロリといただけちゃいます。

チーズの量は控えめですが、この価格だし文句は言うまい。生地もチーズも、ローカルにありがちな妙に甘いものではなく、トマトソースも程よい酸味。奇を衒わない堅実かつ王道な美味しさがありました。
「IL Gradino」の店舗情報
ファンティエットのイタリアンレストラン「Pizza & Cafe IL Gradino」をご紹介しました。洗練された高級店ではありませんが、長年積み重ねてきた確かな味と訪れる人を包み込むような独特の温かさがありました。
フークイ島やムイネーからの帰路、バスを待つ間のひとときにぴったりな、まさしくファンティエットの止まり木。緑に囲まれた隠れ家で、旅の疲れを癒し、お腹と心を満たしてみては。

