昨年11月、満を持してベトナムに上陸した牛丼チェーン「松屋」。いつ訪れても必ず1人は日本語を流暢にお話しになるスタッフさんが居て、そのホスピタリティには頭が上がらない。また、ここ最近は頻繁に新メニューを発売しており、見逃せません。

さて、2025年4月10日から「Lẩu của nhật Sukiyaki」、つまりすき焼き鍋が新発売となりました。テイクアウトやデリバリーは出来ず、店内での飲食専用。発売したばかりということで、定価から1万ドン値引きとなるプロモーションも行っています。

こちらはビンタイン区の、松屋・グエンザーチー (Nguyễn Gia Trí) 店。オーダーキオスクで注文を終え、席に着きました。そういや、いつの間にか、注文したものを自分で取りに行くのではなく、店員さんが持ってきてくれるシステムに変更されていましたね。

すき焼き鍋と、ご飯・温泉卵のセット。「Các set Sukiyaki」119,000ドン(定価129,000ドン)です。なお、税(VAT)は別。提供時、店員さんが固形燃料に火をつけてくれます。

わあ〜、美味しそ…汁少なくない?
そう、松屋で何度かすき焼きを注文したのですが、毎回、汁がちょっと少ない。これじゃあ、味しみしみの白菜や白ねぎを楽しめないじゃないか。

ご参考までに、こちらはベトナムの吉野家で注文したすき焼き。価格は単品で138,000ドンと少しお高めなので、具材は吉野家の方が少し豪華ですが、スープもたっぷり入ってるし、提供時点で既に少し味が染みているのですぐに食べ始められます。なお、吉野家の卵は温玉ではなく生卵。

と、いうことで対策を講じましょう。鍋底からさくっと具材をかき混ぜ…

汁を掬ってはひたすら上からかける。

そい!そい!そい!そい!

成し遂げたぜ。と、いうことで第一弾。鍋底に仕込まれていたうどんは十分に味が染みているように見えますね。

牛肉は、牛めしのアタマと同じもの。温泉卵に絡めていただくと…アタマの下味とすき焼きのスープの甘じょっぱさでご飯が進む。玉子を絡めて、とろっとまろやか相性抜群です。
ところで、何故生卵ではなく温玉なんでしょうかね?そちらの方がコストを抑えられるのか、未だ生卵に抵抗感のあるベトナム人が多いと踏んでのことか、あるいはその両方か。

白菜は…味染み不十分でした。まだ歯応えも残ってるし、「もっとくたくたの白菜が食べたいんだよ」というフラストレーションが、が、が…。
あ、うどんは良きです。コシの強いうどんに甘辛いスープの味がしっかり染みており、「固い伊勢うどん」という趣き。

それでも、燃料が無くなるまで煮詰めると…

おお、口の中でじゅわっととろける、味しみしみの白ねぎ。これです、これ。


豆腐も白菜も良い味の染み具合。白菜は最後まで少し歯応えが残っていたので、改善のためにはスープで浸るように盛り付けして提供するのが望ましい…のかな?まあ、一番良いのはもっとスープの量を増やすことかも。

ごちそうさまでした。腑に落ちない部分はありつつも、何だかんだでまた食べると思います。安いし、美味しいし。

ぜんっぜん関係ないのですが、自分語りしても良いですか。誰かに話したくて…。
先日、こちらの松屋を訪れたとき、注文の品を持ってきてくれたベトナム人の店員さんに、開口一番「どこかで会ったことありますか?」と聞かれたんです。
「えっ!?」ってなっちゃって、咄嗟に「どこでですか?」とか聞けず、もやもやした気持ちのまま食事をしました。
ただ、私もどこかで会ったことがある気がしたので、退店時、その店員さんの手が空いた隙を見計らい、「日本で会いましたか?」と聞きました。
すると、「思い出した!ほら、亀戸のタピオカ屋…」と話す店員さん。
…あ!この人、亀戸(東京・江東区)で、タピオカミルクティー屋とベトナム料理屋経営しとった兄ちゃんやがな!
そう、コロナ禍の時期、このお兄さんの店でよくベトナム料理を食べては海外旅行欲を堪えていました。そのため、顔を覚えられていたのは納得なのですが、このタイミングで再会するとかある!?
どうやら、日本で経営していた店は畳んで、ベトナムに本帰国したそうです。「もう日本に戻るつもりはない」ともこぼしており、コロナ禍で相当やられたのだろうか…。確かに、心なしか以前よりも白髪が目立つような気がしました。一応、私が出国する直前の2022年9月時点でまだ店はあったので、コロナ禍は何とか乗り切ったのだと思っていたのですが。
そして現在は、日本語能力を活かして松屋のスタッフとして働いている、ということですね。
いやはや、こんなことがあると運命とか信じそうになってしまいますね。ただ、この時以降彼をお店で見ていないので心配。たまたまシフトが合わないだけだろうか?元気にしていると良いのだが…。