カフェとバーとアパレルが交差する、ホーチミンの最新リノベ複合スポット*Induslism Hub@サイゴン街区

カフェ

古い建物を再生させたカフェ、所謂「リノベカフェ」。今日のホーチミン市におけるカフェカルチャーを語る上で欠かせない存在となっています。また、最近はカフェのみならず、ギャラリーやバー、アパレルショップなど異業種を組み合わせた複合型のカフェが増えてきました。

そんな中で、中心部からほど近いエリアに、キョーレツな個性を持ったカフェが2026年にオープン。今更ながら訪れてみたのですが、複合型のスポットの中でも、建築の質感や世界観の作り込みにおいて飛びぬけたものがありましたよ。

本記事では、ホーチミン市旧1区に位置する、アパレルショップ・バーを備えた複合カフェ施設「Induslism Hub」をご紹介します。

「Induslism Hub」の場所・外観

やって来たのは、サイゴン動植物園のすぐそば、旧1区(現サイゴン街区)のホアンサ (Hoàng Sa) 通り。ニエウロック・ティゲー運河に沿って走る通りであり、街路樹が並ぶ開放的な大通りです。

で、その通りの脇から路地へ。大通りの抜け感から一転、ローカルな感じの青空カフェや屋台が密集するベトナム的下町風景。

そこから進んだ奥に突如として重厚なヴィラが出現!路地風景とのギャップが凄すぎてここだけ異世界みたいですが、こちらが今回ご紹介する「Induslism Hub」でござんす。秋らしく(南部は常夏ですが)紅葉の落ち葉が敷き詰められており、勿論作り物ではあるのだけど、これだけの量をよく用意したな…。

どうやらこちら、フランス統治時代に建てられた古いヴィラを改装した施設の模様。経年変化により色褪せた白壁に優美なアーチ窓、重厚な円柱が特徴的です。垂れ下がったガジュマルの気根が古い建築とマッチし、独特でどこか退廃的な雰囲気を湛えています。

建物の脇に伸びる細い通路席は、無骨なデザインが最も凝縮されたエリア。無数のエアコン室外機が整然と積み上げられており、レンガの腰壁やアンティーク調のランプ、足元に並ぶ空のワインボトルと組み合わさり、カッコいいインダストリアルデザインに仕上がってます。

インスタ風のスマホ画面を模したミラーやレトロなフォトブースも設置されており、ヴィンテージな佇まいの中でも隙あらば全力で映えさせようとしてきます。まだ建物にも入っていないというのに…これは、気合いをいれないと持ってかれてしまう…(何が?)。

「Induslism Hub」の内部・雰囲気

それでは「Induslism Hub」の内部に潜入していくわよよよ!こちらの施設ですが、カフェ、ワインバー、アパレルショップの3つをひとつにまとめています。

エントランスのアーチドアを開けると、古い洋館ならではの高い天井と板張りの床が広がるメインフロアに迎えられました。こちらはアパレルショップであり、オリジナルブランドのスウェットやカットソー、パーカーなどが販売されています。ものは良さそうだけど、平成一桁ガチババアが着こなせそうな服は無いわね…。

壁面いっぱいに広がる大型ラックとそれを埋め尽くすレコード群も目を引く。ラックのバックライトが天井から下がるペンダントライトと共にフロア全体を温かい光で包み込みます。

上のフロアへと上がる階段。壁面は経年変化で擦れたと思わしき漆喰の質感がそのまま残され、レトロなポスターや積み上げられたブランドボックスがストリートカルチャーっぽさを添えます。

階段の途中に設けられた中2階。1階を見下ろせるロングカウンターが伸び、壁沿いにはブラックレザーのベンチシートが並びます。

席ごとに独立したレコードプレーヤーとヘッドホンが置かれているのがポイント。ヴィンテージな世界観を作り出すための演出や写真撮影の小道具だと思うのですが、でも電源プラグあるし、実際に聴けるのかしら!?

背後のウォールシェルフには、こちらにもレコード群。ただジャケットを飾っているだけではなく、ちゃんと中にモノホンのレコードが入ってます。洋楽の名盤が中心…かと思いきや、「シブがき隊」や「内山田洋とクール・ファイブ」やら、日本のレコードがやたら多い。「数が多く出ていたので比較的手に入れやすい」&「状態の良い中古品が多い」みたいな理由だったりするのですかね?

2階に上がると、広々としたフロアに色んなデザインのソファやテーブルが贅沢に配置されたラウンジが。深緑のローソファや革張りのアームチェアが置かれ、壁面には映画ポスターやアートワークが隙間なくびっしり飾られています。

建物の正面に張り出した半円形の出窓エリアは、3面連なる縦長のアーチ窓から外のガジュマルの大樹を切り取る特等席。レトロなペンダントライトの下で木漏れ日を感じながら過ごすことができそう。

外から建物を見たとき、窓が開いてるものだと思っていたのですが、間近で見たら薄いガラスでふさがれてました。まあそりゃそうか…。

通路沿いには和紙の球体照明や色とりどりのキノコ型ランプが灯り、またこちらのフロアにもアパレルが。無骨な感じのパイプラックに掛かったコレクションを眺めることができます。

3階以上のフロアはスタッフ専用みたい。

なお、店内はガラガラに見えますが、これは平日の朝7時半に訪問しているということにご留意くださいませ。日中はめちゃくちゃ混雑します。

「Induslism Hub」の夜の雰囲気

17時以降はナイトタイム。お酒が提供されるようになり、昼のカフェから陰影際立つバーへと表情を一変させます。

店内は若者たちで大賑わい。他の映えカフェの例に漏れず、静かに雰囲気を楽しむというよりも、最新のチェックインスポットとして写真撮影に興じる場という側面が強いですわね。

なお、このときは平日中日(木曜)の19時ごろでしたが、それでも屋外テラスを中心に席が埋まっていました。比較的店内は空いていましたが、ただ座席数自体がそこまで多くないので、週末の夜は満席に近い状態で混み合うことが予想されます。

「Induslism Hub」のメニュー

まずはカフェメニュー。コーヒーは定番のエスプレッソやカフェラテに加え、すっきりとした酸味が特徴のコールドブリューが充実。プレーンなものだけでなく、レモン、アプリコット、マルベリーといったフルーツシロップを合わせたアレンジが揃います。抹茶メニューに力が入っているのも特徴的で、ストロベリー抹茶やコーン抹茶、ティラミス抹茶など、創作系が並ぶ。

あとはペストリーも充実しており、カヌレやバインフラン(プリン)といった小さめのものから、バスクチーズケーキ、シナモンロール、サワードウまで幅広くカバー。全体的な価格帯を見ても、ショバを考えると妥当…というかむしろリーズナブルなまである。

アジア圏で流行している、マイナス温度に冷却したグラスにラテやカフェを注ぐスタイルのドリンクもありますわよ。

17時以降はアルコールが提供されます(勿論カフェメニューも利用可)。グラスワインは赤、白、ロゼ、スパークリング、さらにノンアルコールまで含め、一律169,000ドンで統一。フードはおつまみのコールドカットプレートが199,000ドン、フレッシュフルーツプレートが89,000ドンで提供されています。なお、夜間メニューの表示価格には別途8パーセントのサービス料が加算されるとのこと。

実食

「Matcha Latte(抹茶ラテ)」67,000ドンと、「Cinnamon Roll(シナモンロール)」42,000ドン。

抹茶ラテは通常の牛乳とオーツミルクから選択できます(たぶん。「Sữa tươi(フレッシュミルク)」がどうこうとか言われたので)。見栄えのことも考えて?ワイングラスに注がれて提供されました。みてみて、氷の上にお花さんが乗ってるのぉ。抹茶ラテとしては安価ですが、ケミカルさも無く、しっかり牛乳と混ぜて飲めば悪くなーい。

シナモンロールは思ったよりでかくて食べ応えあり。四角いフォルムの生地にはシナモンペーストが巻き込まれており、上部にはフロスティングクリームとココアパウダーがあしらわれています。お店で作っているものではないとは思いますが、小腹満たしには良い。

「Strawberry Soda(ストロベリーソーダ)」57,000ドンと、「Berry Lemon Cake(ベリーレモンケーキ)」55,000ドン。ソーダは大ぶりのバルーングラスにクラッシュアイスとともに注がれ、何とも映え映えな仕上がり。

竹串にフレッシュストロベリーが2粒と、その間には贅沢にも巣蜜が。縁にはレモンスライスが添えられ、まるでカクテルのような存在感。撮影用のアイテムとしても完成度の高いモクテルです。

レモンケーキは、生地の上にクリームと深紅のベリーコンフィチュールが。生地は…しっとり通り越してちょっと水っぽいかしらね。生地に練り込まれたベリーの果実味とレモン果汁が生地に染み込むことで、焼き菓子でありながらジューシーな口当たりを楽しめる…とも言える。

「Induslism Hub」の店舗情報

「Induslism Hub」をご紹介しました。歴史あるフランス洋館の骨格を活かしつつ、レトロカルチャー、インダストリアルデザイン、アパレルを融合させた空間作りの巧みさが光る。

こちらのお店、訪れる時間帯によってその性格は大きく異なります。とどのつまり、がら空きの店内でゆっくり写真を撮ったりしたいのであれば早朝に訪れるべし。時間帯をうまく選びながら、ホーチミンの最新のカフェカルチャーを体感してみてね。

お店の名前 Induslism Hub
住   所 3/5 Hoàng Sa, Sài Gòn, HCMC
営 業 時 間 06:00~26:00
公式サイト Facebook Instagram