タイ北部、チェンマイから南に位置するランパーン。この街を訪れると、他の都市では見ることのできない光景に出会います。それは、自動車と並んで公道を悠々と走る馬車の姿。
本記事では、ランパーン観光のハイライトとも言える花馬車体験についてご紹介します。
馬車の概要&乗車地点・システム

今なお馬車が走り続ける街、それがランパーン。その歴史は20世紀初頭、ラーマ5世の時代にまで遡ります。当時、バンコクから持ち込まれた馬車が鉄道の開通とともにこの街に根付き、自動車が普及した後も、観光用、そして街のシンボルとして守られてきました。

現在、この馬車に乗ることができるポイントは市内にいくつか点在しています。確認できたのは以下の2点。

まずは市街地から南西に約15〜18kmほど離れたコーカー郡に位置する「ワット・プラタート・ランパーン・ルアン(Wat Phra That Lampang Luang)」。タイ北部の「ランナー様式」と呼ばれる独自の建築美を高い保存状態で残していることで知られる寺院です。

その門前には花馬車がずらりと並びます。おそらく寺院の周辺を20分程度でぐるっと回るような乗車体験が出来るのではないかな。価格は確認できず。

ナコーンランパーン駅前からも乗車できるとの情報があったのですが…朝早い時間だったからか見つからず。

そして、街の中心部にあり、歴史的な雰囲気を感じられるランパーン博物館前。鮮やかなイエローの壁面が印象的なコロニアル様式の建物ですが、今回はこちらから乗車することにしました。

博物館の門前には、色とりどりの装飾を施された馬車が列をなして待機しています。

システムは分かりやすく、乗り場には公定料金が記された看板が立てられていました。
- 市内小コース(15〜20分):300バーツ
- 市内大コース(25〜30分):400バーツ
- 1時間貸切:500バーツ
今回は、気軽に街の空気感を味わえそうな、旧市街をぐるっと回る300バーツのコースを選択しました。早速、御者に促されるまま、日除けの傘がついた客席に乗り込みます。なお、料金は後払い。
ランパーン博物館前からの馬車体験

馬車が動き出しました。視点は思ったほど高くはない一方、アスファルトを叩く蹄の音がパカラッパカラッと一定のリズムで響き、自動車のエンジン音にかき消されない程度の街の音が耳に届き心地よい。
今回の300バーツコースのルートは以下のような流れでした。
ティップチャーン通り (Tipchang Rd)

博物館を出発し、古い商店が並ぶ通りを進みます。ここソップトゥイエリアは、かつての商業の中心地。100年前から変わらないであろう木造の建築物と、現代の看板が混ざり合う風景を、馬車の速度でゆっくりと眺めるのは贅沢な時間です。
Wat Chiang Rai(ワット・チェンライ)

通りを進むと、突如として純白の寺院が姿を現します。御者が馬車を停め、見に行ってきなはれ、とのこと。

青空に映える真っ白な彫刻と、細かな鏡の装飾が日光を反射して輝きます。タイ最北の地・チェンライに純白の寺院(ワット・ローンクン)があるのは有名ですが、こちらはどうやら、チェンライ出身者が故郷を偲んで建立したものだとか。
時計台とブンヤワート通り (Bunyawat Rd)

寺院を後にし、街のランドマークである時計台のラウンドアバウトへ向かいます。近代的な車が走る中心部を馬車が横切る様子は、ランパーンでしか見られないコントラスト。

帰り道はブンヤワート通り (Bunyawat Rd) を通り、再び博物館へと戻ります。途中、赤い塀が印象的なワット・ブンヤワート・ウィハーンの脇を抜け、約20分の旅は締めくくられました。

馬車のUターンもお手の物!
まとめ
タイ・ランパーンでの花馬車体験をご紹介しました。
単なる移動手段というよりは観光アクティビティに近いものでしたが、自動車と馬車が自然に道を譲り譲られる光景はまさにこの街の「呼吸」。車なら数分で終わる距離を、馬の歩みに合わせて20分かけて巡ることで見える趣きがあります。
もしランパーンを訪れるのなら、一度は馬車の揺れに身を任せてみては。

