ベトナム南部、手つかずの楽園「ホンソン島 (Hòn Sơn)」を往く【概要・アクセス・楽しみ方】

キエンザン

フーコック島でも、コンダオ島でもない。これからの時代はホンソン島だ!

ベトナム南部・メコンデルタ地方に位置するキエンザン省 (Kiên Giang) 。域内には、日本人にもお馴染みフーコック島を含む大小100以上の島が存在します。

今回はそんな島々のひとつである、ホンソン島 (Hòn  Sơn) を訪れました。

ベトナムのリゾート島…とりわけフーコック島では、過剰投資による地価の上昇、オーバーツーリズムによる環境への負荷やサービス品質の低下が危惧されていますが、ホンソン島に関しては手つかずの自然が今なお多く残り、過度な開発とも無縁。透明な海と、長閑な漁村の風景に癒やされたいのならもってこいの場所です。

本記事では、そんなホンソン島の概要・アクセス方法・楽しみ方をご紹介しますよ。

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「ホンソン島 (Hòn Sơn)」の概要

ホンソン島、別名「ホンソンライ (Hòn Sơn Rái)」。省の中心部であるラックザー (Rạch Giá) から、西に60キロ離れた場所にあります。

なお、ご存知の方も多いと思いますが、ベトナムの島の一部には外国人が立ち入る場合、事前に許可を取得する必要のあるものもあります。ホンソン島に関しては、外国人でも自由に出入りできるので安心。

ホンソン島の面積は11.5平方キロと、小さめ。起伏に富んだ山々があり、複数のビーチに囲まれた、自然豊かな島です。

いつのデータなのかは不明ですが、島の世帯数は2,400以上、人口は約8,200人が暮らしているとのこと。人口密度で見ると、約713人/km2となり、なかなか栄えているのではないでしょうか。日本の島で例えると、有名どころだと長崎の大島に近い人口密度です。島に住む人々は、主に農業、漁業、造船、エビ・魚・スルメの加工、魚醤の製造などで生計を立てています。

気候は年間を通して安定しており、台風の上陸は非常に稀。一年中暖かくて気温差が小さいのでどの時期に訪れても問題ありませんが、ベストシーズンは5月から12月であるとのこと。私は年末年始に訪れましたが、快適でした。

「ホンソン島 (Hòn Sơn)」への行き方

キエンザン省の省都・ラックザーから、定期船が出ています。ということで、まずはラックザーまで行く必要があります。

一応、ホーチミン市発のホンソン島ツアーもあるようなのですが、今回は全て独力で手配する前提でお話します。

ホーチミン市からラックザーまで行く場合、飛行機か長距離バスの2択。空の移動に関してはベトナム航空便が就航しており、移動時間は片道50分。長距離バスの場合、ホーチミン市タンビン区の西部バスターミナルから片道6時間です。

私は陸路を選択し、朝6時半発のバスでラックザーまで向かいました。寝台バスなので道中は寝れますし、快適。

ラックザーでは宿を取り、2泊しました。ローカルグルメをあれこれ楽しみましたよ!

ラックザーからホンソン島までは、ラックザーフェリーターミナルから高速船に乗ります。所要時間は片道わずか1時間半。「SUPERDONG」「LIGHTNING68」「PHU QUOC EXPRESS」など、複数の事業者が定期船を運航しています。

高速船チケットを予約するまで

今回私が利用したのは「LIGHTNING68」の高速船。チケットは事前に予約した…のですが、予約にあたって紆余曲折ありましたので紹介させてください。

「Rach Gia Hon Son ferry」などの単語で検索して出てきた「hatienphuquoc.com.vn」で予約することにしました。が、どうやらこちら、高速船の事業者ではなくチケット予約の代理店だった模様。

Google翻訳の力を借りつつ予約情報を入力し、送信した…のですが、一向に連絡が来ない。

しかし、このパターンは「Hoi An Express」の一件で経験済み。慌てず騒がず落ち着いて(ASO)、Messengerで連絡することにしました。

が、返信は無い(上記のメッセージは自動返信)。既読は付いたのに…。

その後、Zaloで連絡すると、ようやく返信がありました。…が、ラックザー・ホンソン間の定期船はそれぞれ1便ずつしか無いとのこと。復路の昼12時半発は良いとして、行きの便は朝6時半か…。運賃は片道170,000ドン

結局、言われるがままに提示された銀行口座に送金すると、即座にチケットが発行されました。「LIGHTNING68」の高速船のようです。こちらのQRコードを乗船時に見せればOK。

高速船でホンソン島へ向かう

当日。チケットには「45分前には来るように」とあったため、朝5時にホテルを出発。朝早すぎてGrabが捕まらなかったので、徒歩(かち)で行きます。都会暮らしで感覚が麻痺していましたが、地方で深夜早朝にGrabが走っていることはまあ無いよな…。

20分弱歩いて、到着。

チケット売り場もあります。当日のチケットはここで買えるのかな?

どの便がどの乗り場から出発するのかが分からないのですが、どうやらこの緑の高速船が「LIGHTNING68」みたい。

船の中は…おお、意外と広い、そして綺麗!

ただ、シートピッチは結構キツキツ。座席下にスーツケースを入れることで何とかしましたが、そもそもスタッフに言えば荷物を預かってくれました。あと、窓際にコンセントがあるのが嬉しいですね。

デッキに出ることもできます。潮風と波しぶきがすごいのであまり長居しない方が良さそうだけど。

1時間半でホンソン島南部の埠頭に到着です。それぞれの宿では埠頭からの送迎サービスもあると思うので、問い合わせしてみてくだされ。

「ホンソン島 (Hòn Sơn)」内の移動方法

島内に公共交通機関は無く、Grabなどのカーシェアリングサービスはおろかタクシー会社もありません。そもそも、トラックや工事車両以外の乗用車はほぼ走っていません。そんなわけで、島内の移動はバイク一択となります。

バイクはそれぞれの宿でレンタル可能。私の宿泊した「COCO BAY HOTEL」では、1日20万ドンで借りることができました。が、最初に充てがわれたHONDAのBLADEに大苦戦。ただでさえバイクに乗るのが2年半ぶりなのに、自動遠心クラッチ特有のギアチェンに慣れない上、エンストしまくるピーキーすぎる個体でした。

そんな私を見かねてか、翌日にはスクーター(VISION)に変えてくれました。ほぼチャリみたいなもので、快適でしたね。…まあ、こっちはこっちでミラーが付いていなかったり、ウインカーが点灯しなかったりと問題はあったのですが。

ちなみに、免許証のチェックはされませんでした。ベトナム人の同僚曰く、この島には交通警察が居ないようで…おっと、このくらいにしておきましょう。

島内は交通量が少なく、信号もありません。もし気になるものを見つけたら、道端に自由にバイクを停め、周囲を散策することができます。

「ホンソン島 (Hòn Sơn)」の楽しみ方

基本的にはバイクを乗り回し、長閑な暮らしの風景や自然を楽しむことがメインです。島を一周することも容易です。

まずはビーチ。透明な海に白い砂はレジャーに最適ですね。ビーチは島の各所に点在しているので、お気に入りの場所を見つけてみてください。

海沿いには変わった形の岩や巨大な岩がゴロゴロとあります。その中に良い写真スポットが見つかるかも?

離島ならではの、独自の信仰にも注目。島内にはいくつかの神社や寺院が存在します。こちらのナムハイ神社 (Lăng Ông Nam Hải) ではクジラの骨が祀られており、旧暦10月15日と16日には地元の人々が集まって祝う「ニンオン祭」が開催されます。

埠頭の近くにはナイトマーケットがあり、海鮮レストランなどが並びます。金額はちょい高めですが、まあ離島だから仕方が無いね。

その他、トレッキングやダイビング、夜のイカ釣り等のアクティビティもあります。ツアーもあるようなので、ご宿泊のホテルに問い合わせてみると良いかと。

旅行にあたっての注意事項

まず島のインフラについてですが、水道・電気については整備されており問題無し。また、4Gも通じます。

一方、島に銀行やATMは無いため、念のため現金は十分に持っていきましょう。ベトナム在住者の場合、銀行のアプリ等でのオンライン送金に慣れているかと思いますが、店によっては現金しか受け付けていないところも多いです。

当然、コンビニやスーパーも無く、必要なものは「タップホア」と呼ばれる売店で手に入れることになります。飲み物やペットボトルの水はあちこちで買えるのでご安心ください。

まとめ&インスタやってます

ベトナム南部の離島「ホンソン島 (Hòn Sơn)」の概要をご紹介しました。

今後は、ホンソン島で宿泊したホテルや、島内のおすすめスポットについても紹介する予定。少しでも興味を持ってもらえたら幸いです。