タイ東北部に属するルーイ県。その北部に位置し、近年タイの若者を中心に人気を集めている小さな町「チェンカーン (Chiang Khan / เชียงคาน)」をご存知でしょうか。
ルーイ県は山岳地帯に位置しており、タイの中でも気温が低く涼しい県です。特に冬季は気温が10度以下になることもあり、避暑地としても人気があるとのこと。
中でも、メコン川のほとりにある町「チェンカーン」は、古い町並みが残るコンパクトな観光地であり、静かで落ち着いた雰囲気が魅力。慌しくけたたましい都心から逃れたいタイ人観光客を惹きつけています。
旅人のまち「チェンカーン」
さて、タイ在住者もしくはタイフリークでなければチェンカーンの名を聞いたことがある人はまだ少ないはず。
チェンカーンの中心部であり多くの観光客が滞在するであろうエリアが、こちらの「チャイコン (Chai Kong) 通り」沿い。昔ながらの木造建築がずらりと並び、昨今ではその殆どがゲストハウス・お土産屋・カフェなどとして利用されているため、観光客にとっては風情が感じられつつも大変便利なエリアです。
ラオスとの国境を成すメコン川に沿って位置する通りであるため、対岸に目をやるとそこはもうラオスです。サバイディー!(ラオ語で「こんにちは」)
チャイコン通りには、川沿いをはじめとして数多のゲストハウスやホテルが軒を連ねています。昔ながらの趣ある宿からイマドキの綺麗な宿まで、選択肢は多岐にわたるため、宿選びで困ることは無いでしょう。
夕方以降になると、チャイコン通りはナイトマーケットに変身。大勢の観光客で賑わうウォーキングストリートへと変わります。木製や布製の伝統工芸品を購入したり、ローカル屋台フードを楽しむことが出来ます。
空港からチェンカーンへのアクセス
多くの場合、チェンカーンへはバンコクから空路で訪れることになると思います。最寄りのルーイ空港からチェンカーンへのシャトルバスが出ていますよ。なお、現在ルーイに就航しているのはタイ・エアアジアのみ。以前はノックエアも就航していたようなのですが…。
バンコクからのエアアジア便でルーイ空港に到着。大変コンパクトな空港であり、当然ながらボーディングブリッジなんてものはありません。降機後、乗客は徒歩でターミナルビルまで向かいます。
…わざわざ預入荷物を手荷物受取所まで運ばなくても、降機したタイミングで乗客に引き渡せばいいんじゃね?とか思ってしまった。
さて、チェンカーンへの移動ですが、エアアジアが「City Transfer」というシャトルバスサービスを運行しています。空港を出るとすぐにレンタカー会社のカウンターがあるので、そちらでチケットを購入しましょう。
なお私が利用したときは、なんと、日本語をお話しになるスタッフがいました。Iceさんという女性の方です。チェンカーンから空港に戻る際は、シャトルバスの事前予約が必要となるため、名刺を貰っておくと良いでしょう。LINEでの連絡も可です。
チケットは250バーツ。宿泊先のホテルまで送り届けてくれますよ。所要時間は45分〜1時間ほどを見ておきましょう。
同乗したタイ人の老夫婦からおやつをいただいてしまった。現在はアメリカに移住しており、今回は3ヶ月間の里帰りのため訪れたとのこと。到着早々、田舎の景色のみならず人にも癒やされてしまったわね。
チェンカーンから空港へのアクセス
チェンカーンからのシャトルバスは、前日までに予約しておきましょう。貰った名刺にあったLINEのQRコードを読み取って連絡。メッセージも日本語で対応していただけました。
…別にこれは「City Transfer」というサービスそのものが日本語対応を打ち出しているというわけではなく、Iceさんの完全なる善意によるものなのですよね。ありがたや…。
当日はホテルの前まで迎えに来てもらい、スムーズに空港まで移動できました。料金は降車時に支払います。
空港のチェックインカウンター近辺はこんな感じ。一応、軽食や飲み物を販売する売店が2つあります。
チェンカーンでやりたいこと
チャイコン通りの散策
可愛らしく趣ある木造家屋がずらりと並ぶチャイコン通り。歩くのも良し、ホテルで自転車を借りて乗り回すのも良し、です。
日中はあまり店が開いていませんが、それでもゲストハウスによってはカフェを併設しており午前中から営業しています。もちろん、宿泊者でなくとも軽食や飲み物を注文可能。
奇抜なデザインの仮面を被った人形。毎年旧暦の6月に行われる伝統的なお祭り「ピーター・コーン祭り」では仮面をかぶった人々が街を練り歩くのですが、それを模したオブジェやお土産も多く見られます。
先述の通り、チャイコン通りはメコン川に沿って位置します。川沿いには遊歩道が整備されており、散歩をしたり、自転車で雄大なメコン川とラオス側の山々の景色を楽しむのも一興。
夕方5時以降はずらりと屋台が出現。ストリートパフォーマーの姿もあり、騒がしすぎず寂しすぎず、良い感じの賑わいを見せます。イサーン地方ならではの個性的な屋台グルメを楽しむのも良し。
もちろんバーやレストランもあるので、しっかり食事をとりたい・お酒を飲みたい人にとっても◎。
ケーンクットクーで景色を楽しむ
チャイコン通りから5kmほどの距離にある景勝地「ケーンクットクー (Keang Khut Khu)」。メコン川の湾曲部に位置し、雄大な景色を楽しむことができます。
川沿いは近年、遊歩道や展望台が整備されたようで、散歩や記念撮影に最適です。
モーターボートに乗って約1時間かけて周辺を巡るツアーもあるとのこと。
川岸に沿って作られたレストラン。ガイヤーンやソムタム、ラープといったイサーン料理はもちろん、地元で採れた小エビを使った料理なども楽しめます。
ホテルもいくつかあるようです。眺めは良いだろうけど、ここに宿泊する場合、中心部までの距離が少しあるので悩みどころ。
今どきな感じのカフェ「Cutie Pie Café」。コーヒーやミルクティー、スムージーなどの飲み物とペイストリーを楽しむことができます。
タイで流行っているらしい「Orange Coffee」60バーツと、チョコクロワッサン・55バーツ。休憩にどうぞ。
ガラス橋からの絶景「Skywalk Chiang Khan」
チェンカーンから西に約20kmの場所に、2020年に開業したばかりの新名所「Skywalk Chiang Khan」。高さ80メートルのガラス橋から、メコン川がラオスからタイに流れ込み、フアン (Hueang) 川と合流する風景を楽しむことができます。
アクセスですが、多くの旅行者が滞在するであろうチャイコン通りから、トゥクトゥクで片道30分程度。トゥクトゥクはホテルで手配してもらいました。運賃は往復で400バーツ。散策中は、ドライバーには駐車場で待機しておいてもらうことになります。
入場料はたったの60バーツ。駐車場から山頂にあるスカイウォークまでのシャトルバスと、スカイウォークで着用する専用のシューズカバーも料金に含まれています。
思ったよりもコンパクトな観光地でしたが、それでも見に行って良かった!対岸のラオスにも人が生活している様子が見受けられ、思いを馳せてみたり。
周辺情報・その他注意点など
チェンカーンは田舎の町という様相ではあるものの、前述のチャイコン通り周辺であれば必要なものは手に入ります。近くにはミニスーパー「Lotus go’s fresh」や、コンビニ(セブンイレブン)が2軒あるので、特に困ることは無いはず。
ただまあ、山岳地帯ということもあり、寒い!さすがに日中の直射日光下であればじんわりと汗はかきますが、それでも影に入れば涼しいですし、何より朝はかなり冷えます。
私は1月に訪れ、Tシャツ1枚とジャケット(MA-1)に長ズボン、みたいな格好で過ごしていましたが、それでも寒さを感じるときはありましたね。特にスカイウォークまでのトゥクトゥクに乗っているときは耳が凍るかと思いました。
タイのエアコンは暖房機能がスポイルされていることも多いので、温度調節は自分で厚着するしか無いです。寝間着は長袖長ズボンを持っていくことを推奨。
あと、交通手段について言うと、タクシーはあんまり…というか殆ど走っていない気がします。Grabも、ルーイ県自体はサービス対象地域なのですが、おそらくチェンカーンでは利用不可。離れた観光地に行きたい場合はトゥクトゥクを利用することになると思います。ホテルのフロントに伝えれば手配してもらえると思うので、相談してみてください。