日常に心安らぐ「間」を…人気カフェの新業態*caffè .than@スアンホア街区

カフェ

ホーチミン市内で店舗ごとに異なるコンセプトを展開し、多くのファンを持つ人気カフェチェーン「S’mores Saigon」。当ブログでも以前、「S’mores Saigon – Chợ Lớn」を取り上げたことがありました。

そんな「S’mores Saigon」が、異なるコンセプトを持つ新業態カフェを、在住者・旅行者にもお馴染み「タンディン市場」のそばにオープン。

本記事では、2025年6月にオープンしたばかりのカフェ「.than (caffè .than)」をご紹介します。

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「.than」の場所・雰囲気

やって来ました、ホーチミン市・ハイバーチュン (Hai Bà Trưng) 通り

この辺りは旧1区および旧3区の境目にあたるエリアであり、鮮やかなピンク色が目を引くタンディン教会や、ローカルな活気に満ちたタンディン市場があることで知られています。

タンディン市場の向かい側、スアンホア (Xuân Hòa) 街区(旧3区・ヴォーティサウ街区)。お店の住所「315/18 Hai Bà Trưng」が示す通り、カフェはヘム (hẻm) と呼ばれる路地の中にあります。

大通りから緑色の壁が印象的なローカルな路地へと一歩足を踏み入れると、穏やかな生活空間が広がっていました。その一方、路地奥には人気のバインミー店「Bánh Mì Chấm」があり、早朝から賑わいを見せています。ちなみに現在、日曜朝7時。

少し進むと、周囲の風景から際立つモダンなファサード。こちらがお目当ての「.than」です。

目に飛び込んでくるのは、鮮やかなブルーの扉。

ミニマルなフォントで記された「.than」のロゴと、扉に大胆に設けられた大きな円形の窓が、洗練された印象を与えます。昔ながらのベトナムの路地の雰囲気と、現代的なデザインが調和した佇まい。

「.than」の内装・雰囲気

期待を胸に青い扉を開けると…やった、一番乗り!

こちらのカフェ、この付近に住む同僚から教えてもらったのですが、連日満席とかなり人気のお店なようで、念には念を入れてオープン時間に合わせて訪れたのでした。このくらい早朝から行動できるだけのモチベーションが平日にも欲しい。

店内はカウンター席をメインにした縦長のレイアウト。木の温もりを感じるカウンター、壁のテラコッタを思わせるオレンジ系の色合い、そしてアクセントとして効いている青。これらのコンビネーションが、どこか懐かしいレトロさとモダンな雰囲気を両立させています。

空間の主役はやはり、バリスタの仕事ぶりを間近で眺められる木目のカウンター。スタッフが一杯一杯と真摯に向き合う姿を見ることができます。

店名の「.than」は、おそらく響きが似ているベトナム語の「chậm(ゆっくり)」と掛けているのかな。そして「.」は言わば「立ち止まる印」。落ち着ける上質な時間を提供するためのカフェ…そんな思いが店名に込められていると読み取りました!(拡大解釈)

実際に、「S’mores Saigon」と比較すると、ぐっと席数が絞られており、少人数で静かに過ごすためのカフェといった雰囲気。明確にコンセプトが異なるように思います。

棚にはビビッドな黄色のレコードプレーヤーが鎮座し、雰囲気によく合う心地よいBGMが流れています。お店のインスタアカウントではプレイリストが公開されており、音楽のセレクトには一家言ある模様。

「.than」のメニュー

「.than」のメニューはこちら。

伝統的なベトナムコーヒーからスペシャルティコーヒー、そして独創的なモクテルまで、多彩なドリンクが揃っています。

注目したいのが、ベトナムの伝統的な抽出方法である布フィルターで淹れる「Cà Phê Vợt」。定番のブラック(Đen)やミルクコーヒー(Sữa)が、比較的手頃な価格で楽しめます。

その対極にあるのが、V60という器具を使いハンドドリップで淹れる「HAND-CRAFTED with V60」のスペシャルティコーヒー。エチオピア、コロンビア、そして非常に希少なゲイシャ種といった高品質な豆がラインナップされていました。それぞれの豆の持つフレーバーの特徴がメニューに詳しく記載されています。

meet. NOT a CLASSIC!」と名付けられたオリジナルドリンクのセクションにも注目。コールドブリューにライムやスモークの香りを加えたものや、抹茶にフルーツを組み合わせたものなど、好奇心を掻き立てられるメニューが並びます。

なお、店員さんはこちらが外国人だと分かってもベトナム語でグイグイ来る感じ。と言っても、バイクの有無と、ドリンクの甘さ&氷の量を聞かれたくらいだけどね。

実食。味のジェットコースター

sunset rollercoaster.」(60,000ドン)を注文。レシピは「ウーロン茶、トロピカルジュース、スパイシーソルト」とのこと。一体どんな味がするのでしょうか?いやー、どきどきしますね(突然の語り掛け)。

運ばれてきたグラスは、まさに南国の夕焼け空をそのまま閉じ込めたような、美しいオレンジ色。グラスの縁には赤みがかった塩が彩りを添え、トップには爽やかなタイムが飾られています。

まず唇に触れるのは、ピリッと刺激的な塩の感触。唐辛子のスパイシーな風味が、寝起きの味覚をガツンと起こしてくれます。

次に口の中へと広がるのは、マンゴーやパッションフルーツを思わせる、濃厚で甘酸っぱいトロピカルジュースの味わい。スパイシーな塩気と混ざり合うことで、立体的でエキゾチックなフレーバーとなりました。

最後に全てをまとめ上げるのが、ベースとなっているウーロン茶の上品な風味。ジュースの甘さをすっきりと洗い流し、爽やかな余韻を残してくれます。

まるで乱高下したジェットコースターがゆっくりと出発地点に戻る感覚…これが「rollercoaster」…!?

「.than」の店舗情報

タンディン市場すぐそばにオープンしたカフェ「.than」をご紹介しました。隠れ家的な立地、レトロモダンな空間、伝統と革新が共存するドリンクと、隙のない洗練された構成でしたね。

ちなみに、オープンから2時間から経過した9時頃にはほぼ満席…。ほんと、サイゴンっ子たちの新しいカフェに対する感度の高さは何なんだ。落ち着いて過ごしたいのであれば、早起きして訪れることを推奨します。

お店の名前 caffè .than
住   所 315/18 Hai Bà Trưng, Xuân Hòa, Hồ Chí Minh
営 業 時 間 07:00 〜 22:00
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